2024/03/25 12:00
ぱーぷる編集部(永野)
奈良の工芸を次世代につなぐ「Nara Crafts‘ Cross Project」成果発表会! 若手工芸作家に対する伴走型支援の成果発表会と工芸のこれからについて考えるクロストークの模様をお届け【奈良市/なら工藝館】
小学館集英社プロダクションが令和5年度奈良市伝統工芸事業者支援事業として受託した「Nara Crafts’ Cross Project(ナラクラフツクロスプロジェクト)」。
「なら工藝館」にて今年度の取り組み、成果発表が行われた。
Nara Crafts’ Cross Project(ナラクラフツクロスプロジェクト)とは?
『Nara Crafts’ Cross Project(ナラクラフツクロスプロジェクト)とは』、“次代の工芸作家のフロントランナーを創出する”をコンセプトに、工芸に関する多面的な支援を展開する奈良市のプロジェクト。
この取り組みでは、昨今の変化の激しい時代の中でも自分自身のビジョンや戦略を見据えながら工芸活動を営む方々に対し、経営に関する多面的な支援を通じて、工芸作品や技術を新たな時代に繋げていくための取り組みを行っている。
2名の若手工芸作家が登壇
奈良市では令和4年度より工芸に関する支援を展開する「Nara Crafts’ Cross Project」を実施。
2名の若手工芸作家に令和5年度10月より約半年間、経営などの課題や目標に向けての支援を行った。
成果発表会を通じて支援を受けた工芸作家、大塩ほさな氏と北浦雄大氏が本プロジェクトを通じ、どのような行動をして、どう考えたのかの振り返りを行うとともに、工芸を起点に様々な活動を行っているゲストスピーカーにも、感じていることや工芸の「これから」を語ってもらった。
大塩ほさな氏(赤膚焼)の作品
一つひとつ可愛らしく温かみを感じる作品
北浦雄大氏(奈良漆器)の作品
美しくセンスの良さを感じる作品
発表会内容
第一部 原点からみつめる工芸のこれから(若手工芸作家による成果発表)
令和5年度のプロジェクトに参加された2名はそれぞれの想いを語った。
奈良伝統工芸後継者育成研修第6期生の大塩ほさな氏(赤膚焼)は
「自分の中にあるもの、自分らしいものを自分の名前で出す。色んな人の手にとってもらえるよう今までの伝統と自分流が集合したものが創れたら。」
と想いを語ってくれた。
また、北浦雄大氏(奈良漆器)は
「歴史や過去を振り返り、造形物を色んな素材、自分のスタイルで作っていこうと思います。昔使われていたものを今の技術と感性で繋げていきたい。」
と語ってくれた。
作品は3月14日(木)~3月20日(水・祝)までの間、特別企画展示もされた。
2名の若手伝統工芸作家による今後の活躍がとても楽しみ。
併せて【工芸×他分野】の新たな試みをパネルにて紹介展示。
第二部 工芸×「〇〇〇」 工芸が「Cross」する未来に向けて(ゲストスピーカーによるクロストーク)
左から髙橋 すみれ氏、鬼木 翔平氏、岡井 大祐氏
「工芸×文化体験」と題して、自分が好きなもの・楽しいと思うものを作り続け、発信することが話された。
作り手の想いを語り手が熱意を持って伝えていく大切さ。
今後の観光について、それぞれの考えを熱く語った。
【ゲストスピーカープロフィール】
●ファシリテーター:株式会社和える 執行役員 髙橋 すみれ氏
奈良生まれ、中小企業診断士。日本全国の職人と共にオリジナル商品を生み出す“0歳からの伝統ブランドaeru”や、事業承継・中小企業やブランドの原点を整え、魅力化をお手伝いする「伴走型リブランディング事業」など、地域の大切な地場産業を次世代につなぐ仕事に従事。令和5年度Nara Crafts’ Cross Projectでは2名の工芸作家を支援。
●株式会社Tale Navi 取締役 鬼木 翔平氏
カフェ「-Tea Lounge- Navi Cafe」の経営者。日本の伝統産業を持続させていきたいという理念を持って、奈良の産品を使った体験型カフェを奈良市三条通り沿い近くに令和5年度オープン。
●株式会社岡井麻布商店 代表取締役 岡井 大祐氏
奈良の地で代々機織りをしている。1863年、岡井麻布商店の屋号を掲げ、モノづくりを始め手紡ぎの糸を使い織り上げる奈良晒。数百年前から受け継いできた技術をモノづくりに活用してる。
近年ではMafu a Manoという新ブランドを展開。