奥大和・東吉野で味わう、採れたての贅沢。『きのこの舘』で楽しむ夏の“山グルメ”

吉野の自然と文化を全身で感じる、山の中のレストラン

奈良県東吉野村の自然豊かな山あいに佇む、知る人ぞ知る『きのこの舘』。
その名前と東吉野村という立地だけでも好奇心をそそられる方も多いのではないかと思われるのだが、実際に訪れると、その魅力は想像以上である。

深い緑に囲まれたロケーション、歴史を感じる建屋、澄んだ空気、清らかな水。そんな環境の中で、奈良の新鮮なきのこや川魚など、都市部ではなかなか味わえない食材が堪能できるのだ。

およそ30年前に営業をスタートしたこちらのお店。店内の雰囲気にも歴史を感じる

川遊びや観光時の立ち寄り先としても人気で、テレビで取り上げられることもあることから、県外から足を運ぶファンも少なくない。

キノコと鮎と釜炊きご飯。ここでしか味わえない田舎料理を満喫。

『囲炉裏焼きコース』3,000円

この『きのこの舘』では、まるで「ジブリ」、、いや、むしろ「まんが日本昔ばなし」の世界に紛れ込んでしまったかのような雰囲気の中でお料理が味わえる。
その内容も、釜炊きご飯、炭焼きのきのこ、五平餅など、古き良き日本の文化を感じさせるものばかり。お料理に舌鼓を打ちながら筆者の頭の中では、「にっぽん昔話」の穏やかなBGMと故・市川悦子氏のナレーションが流れる。

炭火焼きで味わう、きのこの旨み

囲炉裏でじっくり焼かれたきのこは、水分がほどよく抜けて旨みが凝縮。噛んだ瞬間に、濃厚な香りと旨味が広がる。特に自家栽培のシイタケは驚くほど肉厚で歯ごたえも良い。
しめじやエリンギ、なめたけは十津川村の「上湯川きのこ生産組合」で栽培されたもの。こちらのキノコも大振りだが味が濃く、県内の多くのレストランや飲食店で使用されている。

囲炉裏を前にして食べる非日常体験。そして鮎

『きのこの舘』があるこちら東吉野村では、川魚である鮎・アマゴの放流が行われており、シーズンによっては非常に新鮮な川魚をいただくこともできる。こちらはコースに追加、もしくは単品でも注文可能だ。

写真は鮎の塩焼き。しっかりと焼き色がついており、非常に香ばしい。脂もしっかり載っており、ふっくらとジューシーな食感。

旬の食材を使った釜炊きご飯

この日は夏の入り口ということで、胃腸を元気にしてくれる旬の新生姜を使った釜炊きご飯をお出しいただいた。ご飯の内容は季節や時期によって変化し、例えば秋口には黒豆の枝豆など、季節の食材を使った釜炊きご飯が供される。

釜で炊かれたご飯は、風情の演出だけでなく、味わいも非常に良い。米の粒立ちが非常によく、釜内側の底や側面にへばりついた“おこげ”は釜炊きでしか味わえない醍醐味だ。

“締め”のデザートは五平餅

こちらの五平餅は、大宇陀の人気店からタレのレシピを教えてもらい、自家製にて提供。地元産をはじめとする奥大和エリアの食材がふんだんに使われているコースの締めにふさわしい一品だ。自家製はちみつやクルミ、ピーナッツなどが使われている醤油ベースのタレは非常に香ばしい。

きのこだけじゃない、ジビエも充実

店名は『きのこの舘』だが、楽しめるのはきのこだけではない。 猪・鹿などのジビエ料理といった山の幸も充実している。山里ならではの食文化を、まるごと味わえるのもこの店の魅力だ。ちなみに肉は県外産だが熊肉を使った熊鍋定食も提供されていた。

現在『きのこの舘』を切り盛りしているご夫婦は実は2代目。先代からお店を引き継いだ際、変更・追加されたメニューもあるので、すでに来店したことのある方も新鮮な気分で楽しめるのではないだろうか。

新メニュー「あまごの奈良漬」400円。お米にも合うが、辛めの日本酒や焼酎によく合う

『きのこの舘』で、東吉野の新しい魅力に出会う

『きのこの舘』 は、ただ食事をするだけの場所ではない。東吉野の自然、山里の暮らし、採れたて食材の力。そのすべてを五感で楽しめる場所である。きのこ好きはもちろん、「ちょっと変わった奈良グルメを楽しみたい」「観光ついでに美味しいものを食べたい」そんな人にもぴったりだ。

東吉野を訪れたなら、ぜひ立ち寄りたい一軒である。

※表示価格はすべて税込です。

食・夢工房 きのこの舘

住所:奈良県吉野郡東吉野村鷲家1601
tel:0746-42-0991
営業時間:平日:11:00〜16:00/土日祝:11:00〜18:00
定休日:木曜・月末最終水曜
※冬季(1〜3月)は毎週水曜日も休業
※不定休あり。詳細は公式Instagramを確認してください。
駐車場:あり

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松石

長年フードイベントの出店ディレクションを担当。日々“奈良のうまいもん”探しに奔走中。尊敬する人は、中島らも。

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