小児科、小児歯科、子どもの病院呼吸器外科小児科小児神経内科アレルギー科
2021/12/27 07:00
ぱーぷる
【連載】気になる、こどもの病気「こころ」と「からだ」
どんな事にも丁寧に優しく答えてくださる、たけつな小児科クリニックの院長 竹綱先生。
【連載】気になるこどもの病気 「からだ」と「こころ」 【たけつな小児科クリニック/生駒市】vol.3 知っておきたい“食物アレルギーについて”
『こどもたちの「こころ」と「からだ」の支えになれるように、そしておとうさん、おかあさんを含めた、こどもたちに関わるすべての人が安心できる空間をつくれるように』と毎日たくさんのお子さん、親御さんと向き合っていらっしゃいます。

そんな たけつな先生にこれから12回に渡り、こどもたちの病気やからだのこと、気になることをテーマ別で教えて頂く連載企画が実現しました。

第3回目となる今回は、『知っておきたい食物アレルギーのこと』

食物アレルギーは遺伝するのかや、「もしかしてアレルギー?」など気になっている方は是非読んでみてください!
【連載】気になるこどもの病気 「からだ」と「こころ」 【たけつな小児科クリニック/生駒市】vol.3 知っておきたい“食物アレルギーについて”
【Vol.3】知っておきたい食物アレルギーのこと
【連載】気になるこどもの病気 「からだ」と「こころ」 【たけつな小児科クリニック/生駒市】vol.3 知っておきたい“食物アレルギーについて”

Q1.アレルギーの原因は遺伝?予防はできる?


本来、アレルギーはすべての人に起こる体を守る免疫反応です。その反応が過剰となり、体に影響を及ぼす際に蕁麻疹などのアレルギー症状が出現します。
遺伝とは、特定の遺伝子を持った場合を言い、アレルギーを引き起こす遺伝子は一部判明していますが、ほぼ明らかになっていません。
ただ、アレルギー症状が出やすい人は実際にいて、両親や家族にアレルギー症状を持っている子どもは6~8割、食物アレルギーや喘息などのアレルギー症状が出ると言われており、家族性はあると考えられています。
アレルギーの予防は、アレルゲンに接触しないことが原則なので、食物アレルギーであれば摂取しないなど、接触を避けることが予防となります。

Q2. 赤ちゃんのときに発症した食物アレルギーは、いつ頃治りますか?


生まれたばかりの赤ちゃんはお母さんの免疫と同じで、その後徐々にお母さんの免疫が減り、生後6ヶ月くらいから自分の免疫を作り始めます。
ちょうど、生後6ヶ月くらいから離乳食が開始され、1歳未満まではたまご、牛乳、小麦を食べる際に、アレルギー症状が出ることがよくあります。
たまご、小麦は免疫機能の成熟から2歳までに6~8割が摂取できるようになりますが、牛乳に関しては2歳になっても、6割程度しか摂取することができません。
また、そば、ナッツ類、甲殻類のアレルギーは成人になっても摂取できる可能性は、たまご、牛乳、小麦に比べ、低くなります。

Q3.赤ちゃんに食物アレルギーの症状がみられる場合、授乳中のお母さんの食事はどんな点に気をつけたらよいでしょうか?


お母さんの母乳に含まれる食物の成分は、ごく微量であり、赤ちゃんが直接食べる量とはくらべものになりません。
したがって、生まれてから離乳食を開始するまで、授乳中に赤ちゃんに全身に広がる湿疹や下痢などがあれば、小児科の先生に相談してください。
離乳食を開始してからアレルギー症状が出る場合はお母さんの食事については制限する必要はありません。

Q4. 原因食物によって出る食物アレルギーの症状は違いますか?


食材ごとにアレルギーの症状が決まっているわけではなく、同じ食材を食べても、個々で免疫状態が異なるため、出る症状も異なります。
ただし、アレルギーが出やすい食材、出にくい食材はあり、2歳までの子どもの場合は、たまご、牛乳、小麦のアレルギーが多くみられます。
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Q5.アレルギーが分かった時、どんな治療をするの?


アレルギーの治療は症状が出たとき(急性期)の治療と、生活に支障のないとき(慢性期)の治療に分けて考える必要があります。アナフィラキシなどのアレルギー症状が出現している場合は、まず症状そのものを急激に抑え込まないといけないため、アレルギーを抑えるお薬や、場合によってはステロイドなどの普段は使用しないお薬を使います。一方、慢性期の長期的な治療はとして、症状を緩和する、または、症状を出さない予防的治療を行うため、アレルギーのお薬を内服したり、少し出る程度であれば外用剤を使用して、治療を行います。

Q6. 経口免疫療法というものが注目されているそうですが、どういうものですか?


アレルギー検査は、数値と重症度が相関せず、アレルギーが出る確率を見ているため、仮に数値が高くても、まったく症状が出ない場合もあります。
逆に、数値が低くても、アナフィラキシなどの重症のアレルギー反応が出ることもあり、その食材に対し、どの程度食べることができるのかを知っておくことが大事になります。
さらに、アレルギーは「慣れる」という特徴があるため、アレルゲンを摂取し続けることで、体がその食材になれるため、食べ続けることで症状を出にくくすることができます。
これが経口免疫療法です。
外来では、誤って食べてしまった場合でも、緊急治療をしなくてもいい状態を作ることが目的なので、食べ続けることで体が慣れ、摂取量が徐々に増やしていくことができる場合もあり、経口免疫療法の効果が期待できます。

Q7.アレルギー原因食材の試し方はどうしたらいい?(特定原材料に準ずるもの21品目も、卵のように段階的に食べさせた方がいい?)


両親が重症のアレルギーを持っている場合は、離乳食でたまご、牛乳、小麦を開始するときは、少量から開始したほうが安全でしょう。
ただし、ご家族にアレルギーを持つ方がいない場合はどの食材に関してもアレルギーを気にせず、どのように摂取を開始しても問題ないと思います。
食べた後に嘔吐や湿疹、呼吸困難などの症状が出た際には、摂取量が多かった可能性もあり、まず小児科医に相談し、摂取の方針を決めた方がよいでしょう。

Q8.「食物アレルギーかも?」すぐに病院に連れて行った方がいい?様子見で大丈夫?


食物アレルギーを疑った場合、口の周りの湿疹程度であれば、自宅で同じ摂取量でもう一度摂取し、再現性を確認しても良いと思います。
ただし、食物アレルギーは場合によっては、命を落としてしまう場合もあり、不安があれば小児科医と相談しましょう。
ただし、自宅で、再度摂取する場合は、症状が急激に悪化した際に緊急対応ができるように、平日の小児科が空いている時間帯(朝の10時頃?)に摂取する方が安心で、土曜、日曜、祝日や夜などの小児科が開いていない時間帯の摂取は控えるようにしましょう。
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アレルギー全体的に言えることは、少しでも心配事があれば、小児科医に相談し、家族と小児科医が情報を共有しながら、子どものアレルギーを見てあげる環境を作ることが大切です。
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アレルギー表示対象27品目


【特定原材料7品目】
えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生

【特定原材料に準ずる20品目】
あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、 牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン


他にお子さんの気になる「こころ」や「からだ」でお悩みの方はぜひ、気軽にたけつな先生に相談してみてください。

次回 “Vol.4” は「感染性胃腸炎について」です!
お楽しみに!!

一般小児科のほか、

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慢性疾患外来(神経、頭痛、アレルギー)

検査(食物アレルギー負荷試験、脳波検査)


なども行っています。
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たけつな小児科クリニック

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  • 電話/0743-71-0929
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    備考/※木曜の午後診は16:30〜18:30
  • 定休日/日
    その他休業日/土曜日の午後診察
  • 駐車場/駐車場完備(なんぶ眼科、薬局と兼用)
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