2020/11/27 01:00
カレー菩薩ちゃん
【ミジンコブンコ】Vol.3カレー菩薩ちゃんの奈良カレー総本山化計画
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こんにちは。
奈良市きたまちエリアで『菩薩咖喱(ぼさつカリー)』というネパール式のスパイスカレー店を営んでおります、カレー菩薩ちゃんと申します。
趣味はカレー、特技もカレー、ついでに将来の夢もカレーです。
すでにお店や私自身のことをご存知いただいている方々におかれましては、「カレー菩薩ちゃんとは・・・?」といった具合に、さぞ訝しんでおられることと存じます。
このような突然の自己紹介となりますこと、私自身も心苦しいような、さほど心苦しくないような、気恥ずかしいような思いでいっぱいです。
詳しくは下記の記事をご参照下さい。
さて、私の今後の人生において成し遂げたい野望はと申しますと、
それは“奈良をカレーの総本山にする!”ということです。
ひとことでご説明申し上げるなら、奈良とカレーの結びつきをより強固なものにし、奈良にありとあらゆるカレーを集結させたい、というようなニュアンスでしょうか。
寒さが一層身に染みる季節となりました。
夏の暑い時期に汗をかきかきカレー屋を訪ねて、涼しい店内で食べるカレーというのも情緒がありますが、冬場のカレーというものはやはり格別です。寒さで縮こまった身体を口から食道、食道から胃へと順繰りあたためてくれるカレーのかけがえのなさを噛み締めながら、日々を楽しみたい今日この頃。
さて、今回ご紹介いたしますのは『菩薩咖喱』の店舗からもっともご近所のカレー屋さんです。奈良市・きたまちエリアの中でもひときわ落ち着いた雰囲気の場所で営業されている本とカレーの店『ミジンコブンコ』のご店主、人見修司さんにお話をうかがいました。
小さい頃から食べることや料理に関心のあった人見さんが、とりわけカレーに強い関心を持つようになったきっかけは、高校三年生の頃の出会いにありました。
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「父親の友人にご夫妻で留学に来られていたバングラデシュ人の方がいて、ある日そのお住まいにお呼ばれして、料理をごちそうになったことがあったんです。アパートの前からすでにスパイスの香りが漂っていて、食卓いっぱいに料理が並んでいて。食材ごとに組み合わせを変えたスパイスで味付けされた料理は、当時カレーライスしか食べたことのなかった僕にとって、とても刺激的で面白いものでした」
そして、大学進学にあたり一人暮らしをするようになった人見さんは、自然とスパイスを使った料理に興味を持ち、自作するようになりました。当時、本格的なスパイスはなかなか手に入りづらく、カレー屋さんで販売されているガラムマサラなどを少しずつ集めては、市販のルーに加えて変化を楽しむところからのスタート。専門書やインターネットによる情報なども少なく、失敗もしながら、手探りでスパイスの使い方を身につけていったそうです。
お店を始める転機となったのは、社会人になって10年目の頃。
「現在の『ミジンコブンコ』の場所で以前お店をされていた方が、急遽お店をたたむことになって。お世話になった方で、場所も気に入っていたので、とりあえず住居としてこの場所を借りることにしました。当時、以前の勤め先を辞めて、建築の専門学校に通っていましたが、その先の仕事をどうするか、正直迷っていたこともあって。前のお店の厨房設備も残っていたので、食べていく手段として、飲食をやるのがいちばんに出来ることかなと思ったんです。」
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『ミジンコブンコ』のテーマは、「のんびり読書、時々カレー」。
店内には人見さんがご自身で集められた本が至るところに並んでいます。人見さん曰く、
このお店は自分の蔵書がある部屋にお客さんがやって来るという、いわば半分プライベートの空間に人を招き入れている感覚だそう。
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「子供の頃から本が好きだったけど、中学高校あたりで少し離れて。社会人になってからはすごく忙しい職場で働いていたので、家と職場の往復のみの生活になりました。このままでは駄目だ、どこかで日常からスイッチできるきっかけが欲しいと思ったタイミングで、自宅の徒歩圏内に本屋さんができて。夜23時まで営業のコーヒーショップもあったので、仕事終わりに毎日そこで読書をすることにしました」
それから再び読書にどっぷりハマり、集めた本を古本市で売る機会に『ミジンコブンコ』という屋号を使うようになったのだとか。カレー屋さんとしては唯一無二のこのネーミングのルーツは、ここにあったのです。
「忙しく仕事をされている方が、ゆっくり本を読んだりコーヒーを飲んだりして、気持ちを切り替えられるような場になればと思っています」
ミジンコプレート(チキンカリィ) ¥1,100(カリィ1種+豆や野菜のおかず4種)
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おすすめは少し辛口の「チキンカリィ」!
深みがありながら優しく染み渡るスパイスづかいと、ホロホロになるまで煮込まれたチキンの旨味が最高の逸品です。
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豆の風味がやさしいダル、少し甘酸っぱいラッサム、キャベツのサブジなどが脇を固め、辛いものが苦手な方でもサラッと食べられてしまうことうけあいです。
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こだわりは、「米に合うカレー」。
ご飯好きがゆえに、南インドやスリランカなど、コメ食文化の料理を自然に取り入れるようになったそう。
「奈良という風土性を考えながら、食材に対してスパイスをどう合わせていくか。一般的にはカレーに入っているイメージのない野菜も、案外スパイスとの相性が良かったりします。それを提案できれば」と人見さんは語ります。
気候などにより、その時々で手に入る野菜は年中変わっていくものですが、それらを自然に摂りやすいようにスパイスと合わせていく、いわゆるガチガチの“地産地消“でなくとも、それが“風土性を考える”ということなのではないでしょうか。
「自分は今を居心地よく過ごすことをいちばんに考えるタイプですが、全く違うアプローチで、例えば過去から何かを学ぼうとする人がいたり、奈良の未来について一生懸命考えている人がいたり・・・。その視点の違いを、カレーを通して表現できたら面白いと思います。スパイスという軸を持って、思考や視点を固定せず動けたらいいのかな。その下敷きに、“シルクロードの終着地点としての奈良”という視点を重ね合わせて表現できるようなイベントなんかができたら面白いですね」
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『ミジンコブンコ』としての営業以外にも、ゲストハウスを間借りしての夜営業『滴々(ぽとぽと)』、毎月5のつく日に開催されるイベント『初宮五縁市』の主催など、ますます多岐にわたり活躍される人見さんから、これから先に何が起こるかわからないワクワク感と、興味を持ったことにしっかり飛びついていくエネルギーを分けていただいた心地です。
イベント情報などの詳細については、『ミジンコブンコ』の各SNSを要CHECKです!!
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ミジンコブンコ
- 住所/奈良県 奈良市東笹鉾町 41
- 電話/0742-24-8231
- 営業時間/11:30〜17:30(17:00LO)
- 定休日/月、日
- 駐車場/2台