2022/12/08 21:00
ぱーぷる
いよいよ開幕!奈良の魅力を再確認『第7回ガストロノミーツーリズム世界フォーラム』直前徹底解剖!
2022年12月12日(月)~15日(木)に奈良市『奈良県コンベンションセンター』にて、日本初となる『ガストロノミーツーリズム世界フォーラム』が開催される。
前回、ベルギーでのフォーラムの様子。©World Tourism Organization(UNWTO)
「ガストロノミーツーリズム」とは、地域に根差した食文化を楽しむ旅のことである。
その土地の自然や風土から生まれた、食材や文化によって育まれた食を楽しみ、その土地の食文化に触れることを目的とした、いわゆる「その地域の食」と「観光」をコラボした旅の形だ。
『ガストロノミーツーリズム世界フォーラム』では、国内外から食と観光に携わる専門家、事業者、行政関係者等約600名が集まり、世界の観光振興を図るべく、観光政策に関する意見交換や、観光分野での技術協力、各種セミナー等が実施される。
2015年以降、国連世界観光機関(UNWTO)とバスク・カリナリー・センターが中心となり、スペイン・サンセバスチャン等美食の街で開催されてきた。第7回目となる今回は日本で初めての開催となる。
いよいよ開幕のカウントダウンが始まった。会場での参加はすでに締め切られたが、オンラインなら参加可能だ。
前回、ベルギーでのフォーラムでスピーチするUNWTOのズラブ事務局長。©World Tourism Organization(UNWTO)
テーマは「人と地球のためのガストロノミーツーリズム:革新し、活躍を推進して、維持する」
当フォーラムでは、「旅行者・観光客の経験を豊かなものとし、訪問地の住民・文化・歴史・自然・遺産との繋がりを創出する“力”」について議論される。
新型コロナ感染拡大により、旅行者の価値感や在り方が大きく変わりつつある昨今。
これからは、訪れる土地や文化に対して、旅行者としての責任を全うすることがこれまで以上に求められるだろう。
ぜひこの機会に、歴史や文化といった観点から「食」と「観光」について見つめなおしてみてはどうだろうか。
前回、ベルギーでのフォーラムの様子。©World Tourism Organization(UNWTO)
6人の日本人登壇者に注目!
フォーラムには、各界から注目を集めている6人の日本人が登壇。
それぞれの立場や取り組みから、ガストロノミーツーリズムについての見解や今後の展望が語られる。
「ガストロノミーツーリズムの未来へのビジョン」基調講演に、奈良市の『プロジェクト粟』三浦雅之さんが登壇
■登壇時間:12月13日(火)10:55 ~ 11:10
開催2日目の開会式直後、基調講演するのは2022年度版ミシュランガイド奈良グリーンスター獲得の奈良市『清澄の里 粟』を運営する『プロジェクト粟』代表・三浦雅之さん。
食をはじめさまざまな日本文化の発祥の地となった奈良で、「大和の伝統野菜」を中心に、地域創生への取り組みに尽力されている三浦さんから、奈良県民も知らない新たな奈良の魅力が語られるのだろうか。
『プロジェクト粟』代表・三浦雅之さん
セッション1「女性と若者:才能にスポットライトを当てる」
■登壇時間:12月13日(火)11:50~ 12:50
海外からのスピーカー3名に加え、日本からは『発酵ラボ』創設者・小倉ヒラクさん、『été(エテ)』 オーナーシェフ・庄司夏子さんが登壇。
小倉ヒラクさんは、味噌やお酒など発酵食品の魅力を深堀し、いろんな手法で伝える“発酵デザイナー”として活躍されている。
庄司夏子さんは、2020年に日本人女性初のアジアの最優秀ペストリーシェフ、2022年にはアジアの最優秀シェフに選出された若きフレンチシェフである。数量限定販売のケーキ『フルール・ド・エテ』が「幻のケーキ」と呼ばれて話題に。
このセッションではお2人を含め、次世代の観光産業のリーダーを迎え、若者と女性の活躍にスポットが当てられる。
パンデミックの影響からの回復に向け、より良い新しい社会を築く必要がある。
そんな中で女性や若者が経済的機会をつかみ、観光に変革をもたらすために必要となるスキルや知識が共有される。
前回、ベルギーでのフォーラムの様子。中央が主催の1つ、『バスク・カリナリー・センター』のホセ学長。©World Tourism Organization(UNWTO)
セッション2「私たちの地球、私たちの未来:持続可能な食品」
■登壇時間:12月13日(火)14:00 ~ 15:00
セッション1に続き、14時からは、パネルディスカッションに日本から山田早輝子さんとJTB社長の山北栄二郎さんが登場。
山田さんは、FOOD LOSS BANK(フードロスバンク)CEOで、日本ガストロノミー学会の設立代表でもある。一流ブランド×食品ロスなど斬新な取り組みが注目されている。
山北さんからは、旅行業の側面から話が聞けそうだ。
観光業界で大量の食品廃棄が大きな問題となっている今、これに対する行動は全ての人々にとって最優先事項である。
このパネルディスカッションでは、食品を決して無駄にしないよう、持続可能な管理を実践する一貫した枠組みを提供する、食品ロス削減のためのグローバルロードマップが公開される。
ワールドカフェ「Sharing is caring(シェアリング イズ ケアリング)」
■登壇時間:12月14日(水)14:30 ~ 15:30
ここでは、14日午前中に奈良県内各地で実施された「フィールドワーク」で奈良や日本文化を実際に体験した参加者の学びや気づきが共有される。
フィールドワーク自体はオンライン配信はないが、「ワールドカフェ」は、オンラインでの視聴が可能。
多くは海外からの参加者であり、奈良の食や食文化について、海外の方から見た率直な感想が聞けそうだ。
前回、ベルギーでのフィールドワークの様子。©World Tourism Organization(UNWTO)
「Get inspired!(ゲット インスパイアード)」
■登壇時間:12月14日(水)15:30 ~ 16:30
奈良県の荒井正吾知事も登壇する「Get inspired!」。
各国のガストロノミーツーリズムにおける優れた取り組み事例を紹介するプレゼンテーションが行われる。
ここで荒井知事から奈良のガストロノミーツーリズム推進の取り組みも紹介される予定。
食や観光の関係者には特に、明日からでも取り入れたくなる手法やヒントなど新しい発見が見つかるだろう。
前回、ベルギーでのフォーラムでは、荒井知事が次回開催地としてビデオレターで挨拶した。©World Tourism Organization(UNWTO)
国際的なフォーラムが奈良で開催される貴重な機会であり、普段は聞けない専門家の意見を聞けるまたとないチャンス。
地域が持つ魅力を余すところなく体験できるガストロノミーツーリズム。
「国際会議って何をするの?どんな感じ?」と気になる方もオンラインで気軽に参加し、一緒に持続可能な社会の発展のため向き合ってみてはいかがだろう。
【奈良のガストロノミーツーリズム最前線に関する記事】
前回、ベルギーでのフォーラムの様子。©World Tourism Organization(UNWTO)