もうすぐオープン1周年。期待の若手シェフがお届けする魅惑のフレンチコースを堪能
オープンから1年。『Restaurant Barbizon(レストラン バルビゾン)』の“今”を実食レポート
大和八木駅から歩いて2分ほどの場所に店を構える『Restaurant Barbizon』。昨年5月にオープンし一躍、八木・橿原エリアの注目店となったこちらのレストランでは、フランスの伝統的な料理技法と若手シェフやスタッフたちによる革新なアイデアが共存するコース料理が人気を博している。そんな『Restaurant Barbizon』でこのたび、コース料理の内容と客室が一部リニューアルされたという。
今回はそんな『Restaurant Barbizon』の現在の姿をご紹介する。

店内はオープン時よりもテーブルごとの間隔が広くなり、以前よりもゆったりとした空間使いとなっている。またシェフとスタッフが自作したという和紙と木組みを使った照明(写真中央の収納下部)など温かみのあるあしらいがを随所に。全体的に落ちついた高級感のある雰囲気が演出されている。

あっと驚く工夫が凝らされたサービス精神あふれる料理の数々
さてさて、それでは皆様お待ちかねの料理の紹介をさせていただきたいのだが、まず総評として、前回訪問した時と比較して、全体的に満足度がかなり高くなっていることに驚いた。
今回はランチコースの取材をさせていただいたのだが、一皿一皿の料理に細やかな工夫が施されており、この一年間、しっかりと料理に向き合ってきたであろうシェフの姿勢がうかがえる。
アミューズ -フォアグラ・蕎麦・桜鱒-



三種のアミューズ。
(写真1枚目)倭鴨とネギのピューレを合わせたもの。“鴨南蛮”がテーマとなっており、和風の味付けとなっている。下に敷かれているのはそば粉のワッフルで、シェフが修行したベルギーを連想させる遊び心。
(写真2枚目)桜マスのリエット。自家製のブリオッシュトーストで濃厚なリエットを挟み込んだ一品。お皿のチョイスにもセンスが溢れる。
(写真3枚目)クリームブリュレ。フォアグラのソテーに畳鰯のソテーを合わせたものをブリュレにしたこちらも遊び心あふれる一品。テーマは“海と山のお菓子”
前菜 -ホワイトアスパラガス・烏賊・寺田農園のハーブ-

20種類以上のマイクロ野菜と徳島県産スダチの泡が特徴的な前菜。盛り込まれた野菜の中には炙ったホタルイカとホワイトアスパラガスのフリットなど季節を感じさせる食材が混ぜ込まれている。
散らされているのは、奈良県葛城市産けはや卵の卵黄を3日間塩漬けしたもの。酸味、塩味、旨味、徳島のスダチと奈良・寺田農園のハーブによる爽やかな香気、そして季節を感じさせる彩りで味覚と視覚を喜ばせる『Restaurant Barbizon』のスペシャリテ1だ。
そら豆・蛤・桜

そら豆と蛤のムースを和食の“しんじょう”風にアレンジした一品。花弁型にカットされた紅クルリ大根が愛らしい。少し弾力のあるムースに、混ぜ込まれたホタテの食感がアクセントに。風の森2の酒粕をピューレにしたソースには桜の花びらの塩漬けが程よい香り付けとなっている。

桜鯛・山菜・けはやたまご

こちらも一見しただけでは味の想像がつかない一品。グラタンのように焼き目が付いた卵黄ソースの中には、桜鯛と山菜と筍のリゾット、そして桜の葉が仕込まれている。
桜餅から着想を得たというこの料理は、桜の葉の香りと料理の塩味が合わさることで、本当に桜餅のような味覚の演出が施されている。
サーロイン・新玉ねぎ・コンソメ

大和牛のサーロインを贅沢に使い、ジューシーな新たまねぎを巻き込んだメインディッシュ。皿に広がるコンソメは、玉ねぎをローストした際に出てくる出汁に昆布出汁をあわせたもの。大和牛の脂が持つ濃厚な甘みと新たまねぎの爽やかな甘みの対比が味わいを深くしている。
トリュフ・白餡・ビスキュイ

こちらはなんとトリュフを使ったアイスクリーム。冷製でいただくトリュフは、土や樹木を連想させる香りで「こちらがトリュフ本来の香りなのだろうな」と不思議な納得感を覚える。
かといってアイスクリームとの相性も悪くはなく、下に敷かれた白餡のムースの落ち着いた甘みとも相まって、奥行き深いふくよかな味わいとなる。タイムの花の爽やかな香りがコース終盤のリフレッシュに一役買っている。
ボンボンショコラ

最後の最後でとっておきの驚きを与えてくれるのがこちらの自家製チョコレート。それぞれが非常に特徴的なガナッシュを包み込んだチョコレートで、その発想と味覚の組み合わせに驚かされた。今回はその中でも特に印象深い3つをピックアップして紹介しよう。
まずは写真右下の青い渦巻のような模様のチョコレートは徳島の大歩危茶とすじ青のりを使ったガナッシュチョコレート。写真真ん中下の黄色いチョコレートは、奈良漬けと鳴門の常盤味噌を使った発酵食のガナッシュ。そして極めつけは写真上段左の宇宙のような柄のチョコレート、こちらには和三盆のキャラメリゼとサバのへしこが使われている。

華やかな見た目からは想像もつかない内容の食材が使われているのだが、一番の驚きはその味わいだ。甘みと塩味、それぞれの食材がもつ香気のバランスがうまく調整されており、奇抜ささえ感じる食材のチョイスにも必然性と納得を覚えさせられる。
伝統と革新の交差点から一歩前へ踏み出す

オープン当初から『Restaurant Barbizon』が掲げているコンセプトの一つである“伝統と革新の調和”。そのテーマ性は1年経った今でも一貫してブレてはいない。ここからは筆者の私見で申し訳ないのだが、この『Restaurant Barbizon』、そして『Restaurant Barbizon』を牽引する佐藤シェフの料理は“伝統と革新の調和”から一歩先に歩みを進め始めているように感じる。一見不釣り合いとも思えるバランスが調和した先にある驚きや感動、そういったゲストの心の動きを見据えて料理を組み立てているように感じられるのだ。
今回の取材で確かな進化を見せてくれた『Restaurant Barbizon』と佐藤シェフ。今年は周年ベントや地域のフードイベントへの参加など多忙な身ではあるが、今後のさらなる進化にも期待したい。
Restaurant Barbizon(レストラン バルビゾン)



