【奈良・明日香村】古代庶民の食事が味わえる!?漫画から歴史書まで約2千冊所蔵の時代を旅する古書カフェ
世界遺産の地で出会う、時をかける古書カフェ
2026年7月に世界遺産登録された「飛鳥・藤原の宮都」。飛鳥・藤原エリアの、歴史や文化が息づく場所に、古代日本の空気が漂うお店があります。

古書カフェ「星のコル」。長年、サラリーマン生活を送ってきた店主が、退職を機に2026年2月にオープン。歴史や本が好きな店主の想いに溢れたカフェです。
星のコルのコルって?
「コル(Col)」とは登山用語で、稜線近くにあるくぼみ部分を指します。登山者にとっての休憩場所になるコルのように、訪れた人を癒したいという気持ちが込められています。

飛鳥寺や奈良県立万葉文化館も徒歩圏内にあり、明日香村散策のひと休みに立ち寄りやすい立地。カフェメニューはもちろん食事も楽しめ、なかでも注目したいのが、〝現代風にアレンジした飛鳥時代の食事〟です。
一口食べればタイムスリップ!?飛鳥時代の献立が令和に

オーナーは、奈良文化財研究所藤原宮資料室の展示を参考に、古代の食事を現代風にアレンジを加えて再現。
取材時には、飛鳥を訪れる学生にも非常に人気のメニューという「庶民の食事」をいただきました。当時の民衆がどんな食事を口にしていたのか、ここでは飛鳥時代の食文化の一端に触れられます。
ごはんに、野草入塩麴汁、大根、ゴマ・塩のふりかけ、(+豚の生姜焼き)。
古代の庶民は、一汁一菜でしたが、現代人も満足できるように、豚の生姜焼きを追加。また当時は、茹でたノビル(ネギの仲間)とあらめ(海藻)汁とされていたのを、それぞれ、大根と野草入塩麹汁にアレンジしています。

ゴマ・塩のふりかけ(当時は塩のみ)は、ごはんにかけていただきました。ゴマと塩は、とてもごはんが進みます。

塩麹汁は、まろやかな塩味と旨みがあり飲みやすく、普段の食事でも積極的に取り入れたい味わい。
先人の暮らしを思い浮かべながらも、現代風にアレンジされているため食べやすい味付け。なんとなく慎ましい所作になりながら口に運ぶ、普段は味わえない食体験ができます。
身分が変われば、食卓も変わる!?

庶民の食事のほかに、「下級役人の食事(1,000円)」と、「貴族の食事」も選べます。身分が上がるにつれ、品数も増え、内容もアップグレード。
「貴族の食事」は、脚付き膳に美しく配膳され、さすがの高級感。桃ヨーグルトのデザートまで付いて、庶民の食事との違いからも、当時の身分による暮らしの差がうかがえます。
店内の古書やアンティーク小物は購入することも

食事だけではなく、店内も古(いにしえ)の日本の趣が感じられる空間です。古い木の梁や建具に、年季の入った調度品が織りなす、古き良き時代の面影。
約2,000冊の本がズラリと並び、歴史書から小説、漫画までジャンルはさまざま。愛書家の店主曰く「自然と集まってしまった。」というからどんなセレクションか覗く楽しみも。

本棚にも注目。こちらは、くさび式といって、釘やネジを使わないもの。現代では、あまり見かけないデザインです。お茶をしながら店内で読むことも、購入することもできます。

さらに店内には、和ガラスを中心としたアンティーク小物も並びます。お気に入りとの出会いがあるかもしれません。
古代から現代へ。最後に出会うのは、人の温かさ

歴史や文学に造詣が深い方が集う敷居の高そうなお店と思いきや、店内に足を踏み入れてみると、実はとってもアットホーム。
取材時にいらしたお客さんも、「コーヒーを飲むだけのつもりが、本も買って食事もして、ついつい長居しちゃった。」とこの独特の雰囲気に魅了されています。
実家のようにくつろげる空気感。そして、店主やお客さんとの間に、自然と会話が生まれるような温かさもあります。
歴史や本が好きな方はもちろん、「コル=くぼみ」のような、まったりと落ち着ける場所を求めている方にも訪れてほしい、そんな魅力あるお店です。
古書カフェ「星のコル」

住所:奈良県高市郡明日香村大字飛鳥695
営業時間:11:30~17:00
定休日:火〜木曜日(臨時休業等はHPカレンダーを確認ください)
駐車場:なし。近くに有料駐車場あり。
※電波状況の都合により、支払いは現金のみ。
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