20周年を迎える人気イタリア料理店【TRATTORIA piano(ピアノ)】の魅力を徹底解明!
オープン20周年を迎える『TRATTORIA piano(トラットリア ピアノ)』
飲食店の営業とは非常に難しいものである。一般的に外食は“ぜいたく”に割り振られ、景気の浮き沈みや社会情勢の変化のあおりを真っ先に受けてしまうのがこの業界だ。さらに同業種内での競合も激しく、一般的な企業より生存率が格段に低い。統計によると、設立から5年生き残ることができるお店が約15%、10年だと6%、20年生き残ることのできるお店はわずか0.3%だという。
そんな中、近鉄奈良駅からもほど近い東向き商店街にある人気イタリアン『TRATTORIA piano(トラットリア ピアノ)』が今年8月6日でオープン20周年を迎えた。
今回はそんな人気店『ピアノ』が永くファンを惹きつける魅力の謎に迫ってみた。

地元食材の魅力を引き出し、奈良の食の“いま”を伝える

『ピアノ』が提供するのはイタリア料理だ。
ただし一言でイタリア料理と言っても本国イタリアにおける料理の種類や提供スタイルは多岐にわたる。イタリアは地形が南北に長く、さらに1861年に国家として統一されるまで複数の周辺国による支配を受けていたため、各地域によって使う食材や調理法が大きく異なる。

ただ1点、どの地方でも共通するのは、それぞれの土地の家庭のマンマやレストランのシェフたちが、その土地の食材に対して愛情と誇りを持っているということだ。各々が独立した地方が集まって一つの国となっているという事情のもと、各地域がそれぞれのアイデンティティを食に託したともいえる。
『ピアノ』はそんなイタリア料理の真髄を奈良の食材を使うことで表現する。

このお店で提供されている料理のほぼ全ての食材が奈良県産の食材で構成されており、メニューブックを開けば県外のゲストにとっては馴染が無いであろう食材名が並ぶこともある。
ただし『ピアノ』にとって奈良県産食材の使用は、単にお店の個性の表現としてだけではない。奈良の土地や気候が育んだ時期折々の旬の食材を使うことで、ゲストにより良い素材を使った料理を届けようというシェフの信念のためである。

オーナーである稲次知己シェフは20年の間に多くの生産者、加工業者とのつながりを作り、自身の料理に生かしてきた。『ピアノ』の料理には奈良の食の現在の姿が映されている。
『ピアノ』の20年を支え続けた窯焼きナポリピッツァ

『ピアノ』では稲次シェフの料理以外にも、窯焼きのナポリピッツァがもう一つの看板メニューとなっている。こちらにも奈良県産食材がふんだんに使われており、薪釜によって焼かれた新鮮な食材のジューシーさを存分に味わうことができる。
ナポリピッツァを焼き上げるのは、ピッツァイヨーロ(ピッツァ職人)の大西絢也氏だ。

彼が入店したのは20年前の10月、奈良市東向き商店街に『トラットリア ピアノ』がオープンしてから2か月が経った頃。
最初に担当したのはピッツァではなく、厨房での調理担当だった。しかしどうにも業務が肌に合わず、シェフに相談。その結果、ピッツァ担当に配属されたのだが、それが彼にとっての天啓となった。
年間1万4千枚、一切の妥協無くピッツァを焼き上げる

この数年はサポートも付けずに、完全一人体制でピザづくりを担当している大西氏。もちろん大変な作業ではあるが、ゲストからの感想が100%自分への評価としてフィードバックされる。その環境が何より楽しい。ピッツァのオーダーは年間累計で1万4千枚以上にもおよぶが、その1枚1枚に妥協無く向き合う。

「今でも毎日が発見。生地や薪の状態は常に変化するもの。ピッツァを焼くのに1枚だって同じ条件のものはない。」
酵母菌の作用による生地の発酵状態やその日の気候条件、薪1本1本の状態など…、ピッツァ1枚が焼き上がるまでにも様々な要因が絡み合う。1枚ずつ丁寧に焼き上げているとどうしても提供速度は落ちてしまうのだが、そこはクオリティー(味)を優先させる。「多少待ってもらっても美味しいものを提供したい」。一度はスピードを優先させるべきかとも悩んだこともあったが、今はもうその迷いはない。「オーナー(稲次シェフ)もそれで良いって言ってくれて。いつも感謝してます」

看板メニューの一つである「Pizza大和」では、奈良県産の野菜をふんだんに使用。石窯で焼かれた新鮮な野菜は適度に水分を保っており非常にジューシーだ。
※表示価格はすべて税込です。(最新の情報は各店舗にてご確認ください)


トラットリア ピアノ / TRATTORIA piano

住所:奈良県奈良市橋本町15-1 1階、2階
営業時間:11:00 – 14:30(L.O. 14:00)、17:00 – 22:00(L.O. 21:00)
電話番号:0742-26-1837
駐車場:なし



