2023/10/01 06:55
ぱーぷる編集部
「お金の意味」「付加価値」や「経済活動」を子どもたちが学ぶ『ジュニアコトクリエカレッジ(経済)』開催レポート
![「お金の意味」「付加価値」や「経済活動」などを子どもたちが学ぶ『ジュニアコトクリエカレッジ(経済)』開催レポート](https://sumahononakani.com/tjn/upload/img_reports/detail/copy8610_0_20230918105913.jpg)
大和ハウスグループ「 みらい価値共創センター コトクリエ(主催、所在地:奈良市)」にて、奈良県の小学校に通う5年生、6年生を対象にした「ジュニアコトクリエカレッジ(経済)」が2023年6月25日(日)から9月10日(日)の期間、全3回のプログラムで開催されました。
ジュニアコトクリエカレッジは、子どもたちが「好き」と向き合い、未来を切り拓く5つの教養をテーマに、地域や地球の様々な課題を理解し、生き抜く力のヒントを新しい仲間と身につけてほしいという想いで企画されています。
本記事では、全3回に渡って行われた「ジュニアコトクリエカレッジ(経済)」での取り組みを紹介します。
第1回「お金はいつできたの?その役割と仕組みを学ぼう!」
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第1回目の講師は、『はぎはらFPラボ』代表の萩原有紀さんが務めました。
現代社会で生きていくうえで、金融と呼ばれるお金や資産との関わりから避けて通ることはできません。
学校の教育現場でも「金融経済教育」が取り組まれていますが、今回の講座では、より実践的で本質的な「経済」の講座が行われました。
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参加者は、昔の人がお金の代わりに使っていたものや今も世界中で使われている実際の紙幣や硬貨の現物をみながら楽しく学びました。
また、お金が果たす3つの役割(交換する役割、貯蓄する役割、価値をはかる役割)について、紙芝居を用いながら解説してもらいました。
その後、ハンバーガーやノートの例を用いながら、値段の中に隠された秘密や仕組み、モノが最終消費者までたどり着くまでの流通の仕組みを学びました。
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次に、様々な特徴を持つ、異なる価格で販売されているノートを例に、どのノートを買いたいか、買わないかを個人ワークで考えました。
自分では買いたくないと思うノートでも、買いたいと言う参加者がいることで、モノの需要と価値が人によって異なることを学んだようです。
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最終消費者にたどり着くまでに、メーカー、問屋、販売店舗など、それぞれで関わっている人の儲けが含まれていることを学んだ子どもたち。
「そんな仕組みだったんだ!」などの声があがり、「仕入れする会社から直接買ったら安いの?」など鋭い質問があがりました。
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次にグループワークに分かれ、それぞれのグループに与えられたテーマを仲間とともに考えました。
キャラクターデザインが高い理由、海外商品を買う場合に円安・円高のどちらが得なのかなど、小学生にとっては難易度が高そうなテーマでしたが、グループの様々な考えを持つ参加者で意見を出し合い、共有することで知らなかったこと、おもしろいアイデアが見つかったようです。
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発表の時間では、買い手の気持ちや感情で、商品やサービスの価値が大きく異なることを実感したようでした。
最後に講師の萩原さんから、規模の経済、ロイヤリティ、円安・円高の意味、フェアトレードなどを分かりやすく解説してもらい、値段を上回る価値を生み出すことで経済が回っていることを伝えてもらいました。
参加者の小学生からは「世界中のお金を見られた楽しかった」「キャラクターが高いことをはじめて知った」「人が関わることでモノの値段が高くなることがわかって楽しかった」などの意見が発表され、多くの学びがあったことを確信しました。
第2回「モノの価値を学んで、商品のアイデアを出そう!」
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第2回目の講師は、『株式会社リールステージ』代表取締役の中山久雄さんが務めました。
前回の学びを生かして、今回は「付加価値」にテーマを掲げ、個人ワークやグループワークで話し合いすることで経済活動を学びました。
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まずはじめに、「うなぎ」を例に、漁師、市場、うなぎ屋が関わるなど、他の人が作った価値に、自分が作った価値を上乗せして販売することで、付加価値が生まれていくことを学びその後、付加価値を高める3つのステップを学びました。
この3つのステップを考えることで、モノやサービスがすでに持っている価値に、さらに特別な価値を付け加えることができ、他社のモノやサービスと異なる強みをもつことができるそうです。
参加者の子どもたちは、真剣に耳を傾け、中山氏から投げかけられた「自動販売機でジュースを買うとしたらいくらまでなら買うか」という問いに自分なりの答えを考えました。
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さらに「1,000円のジュースでも安いと感じる付加価値を自由につけてみて」という中山さんからの質問にも答えをまとめ、グループで共有しました。
「自動販売機のペットボトルは180円までなら買うけど、飲んで健康になる飲み物なら1,000円だしても良い」「飲めば足が速くなる飲み物なら1,000円でも安い」など子どもならではの自由な発想が多く出ました。
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次に、「家具メーカーの開発室として、オリジナル椅子を作り、価格を決めて販売してみよう!」というグループワークに移りました。
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まずは使う人のニーズをグループ間で話し合い、ニーズに対して付け加える機能をホワイトボードに書き出してみました。
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それぞれの考えを書き出し、たくさん出た意見を組み合わせたり、消したりすることでそれぞれのグループで異なる特徴をもつ椅子のアイデアがでてきてきました。
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その後、グループで話し合って決めたオリジナル椅子を発表しました。
椅子を売る側の発表グループと、その椅子を買うグループに分かれ、買うグループからは、売るグループに対して様々な質問が投げられ、最終的に買いたいと思うかを確認するオークションシステムで行われました。
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音声機能が搭載された移動可能な椅子を11万円で売るグループ、勉強に集中できる環境と機能をもつ12.5万円の椅子を売るグループなど、子どもの自由な発想でおもしろい商品ラインナップが揃いました。
「移動可能というが時速何キロで動くの?」「勉強の疲れを癒すマッサージ機能が、かえって気持ちよすぎて寝てしまうリスクがあるが対策は考えているか?」など鋭い質問が多く飛び交いましたが、「時速100kmまでなら出る」「寝てしまう場合は椅子のAI機能が判断してマッサージを停止する」などさらに面白い機能が搭載されていることがわかりました。
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「その機能があるのに12.5万円は安くない?」などの意見もでてきました。
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最後に講師の中山氏から、今日の振り返りと総括がありましたた。
「モノやサービスの付加価値だけでなく、今日のような学びも人生における付加価値になるので、みんなの将来に期待している」とメッセージが送られました。
参加者の小学生からは「モノの値段はどんどん変わっていく」「値段は高すぎても低すぎてもいけないことがわかった」「既存の商品同士を組み合わせた商品と新しい商品の2種類あることを知った」「1回目より緊張しなくて楽しかった」などの意見が寄せられました。
第3回「みんなで会社を経営しよう!~商品の流れと値段~」
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第3回目の講師は、大和ハウス工業株式会社の小山聡氏が務めました。
1回目と2回目で学んだことを活かして、今回は、お米を使ったワクワクする商品を売る会社を1ヵ月限定で経営する「経営シュミレーションゲーム」が行われました。
まずはじめに今回の経営シュミレーションゲームのルールの説明があり、モノの値段が需要と供給の均衡(買う人が払える価格と売りたい人が売れる価格のバランス)で決まることを学びました。
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まずは宿題として与えられていた「お米を使った自分がワクワクする売りたい商品」をグループ間で発表。
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次にお米を使ったお菓子やパン、化粧品など様々なアイデアをグループで共有し、自分とは違うアイデアがあること、そのアイデアが生まれた背景を学びました。
その後、グループとして売る商品を1つに絞りました。それぞれのアイデアの良いところを組み合わせて1つの商品にするグループや、それぞれのアイデアを活かして新しい商品を生み出したグループなどがありました。
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1つに決めた商品がどのような特徴をもち、どのような付加価値がついているのか、売る場所はどこで、いくらで販売したいかなどグループで意見を出し合いました。
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その後、コーディネーターに相談し、アイデアが実現可能か、考えないといけないことが他になかなど沢山のアドバイスが与えられました。
「店頭で売るよりも、工場で直販したほうが原価が安くすむみたい!」など、コーディネーターに相談したことで新たな発見があったようです。
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その後、具体的になってきた商品アイデアにかかるコストを考えて、コスト表に基づき、売上、原価、販管費を書き出し、いくらの儲けがあるかを計算しました。
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商品アイデアでもコストがかかりすぎることや、まだコストをかけて機能を追加するなど、数字化することでさらに商品アイデアに磨きがかかった様子。
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商品アイデアが固まり、必要となるコストも見えてきたグループは、コーディネーターから実際に資本金50万円で商品を購入し、仕入れました。
50万円で商品を実際に購入し、仕入れるための「商品カード」が用意されていて、リアリティがある学びに子どもたちは終始楽しく学んでいました。
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グループによって進捗はさまざまだったものの、最終発表に備えて、商品の絵を書く役割、お金を計算する役割など各役割にわかれて、見事なチームワークで進められました。
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最終発表では、ヒノヒカリ(お米)をつかったポン菓子「ひのポン」を考えたグループ、ヒノヒカリ(お米)をつかったジェラート「ひのアイス」など、様々なアイデアが披露されました。
それぞれで考えた商品には、付加価値やアイデアがたくさんつまっていることがわかり、儲けた金額もグループによって様々でしたが、リアリティある経営シュミレーションゲームに、子どもたちからは「コストの計算が合わなくて大変だった」「アイデアとコストを合わせる作業が大変だったけど、楽しかった」などの感想が述べられました。
修了証書授与式
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全3回の講座を休むことなく受講した参加者には、「大和ハウスグループみらい価値共創センター」の熊野副センター長より修了証書が授与されました。
熊野副センター長から参加者たちにメッセージが送られ、参加者へは参加特典としてジュニアコトクリエカレッジオリジナルバッチがプレゼントされました。
参加者は、喜びの表情を隠しきれない様子でした!
ジュニアコトクリエカレッジ後期は、「歴史」と「アート」の各3回を予定しており、12月から開始される予定。
学校やおうちとは異なる「サードプレイス」のような環境で、子どもたちの「好き」で未来を切り拓くジュニアコトクリエカレッジから目が離せません!