2022/09/14 07:00
ぱーぷる
洗練されたヨーロッパ・北欧のヴィンテージ家具を、この先もそのままのカタチで。メンテナンスへのこだわり【SNAPPY LABEL(スナーピー レーベル)|生駒市】
奈良県生駒市の国道168号線沿いにある、ヴィンテージ家具のお店『SNAPPY LABEL』。
2018年のオープン以来、県内外問わずヴィンテージ好きが運命の出会いを求めて訪れる。
店内には、北欧・ヨーロッパ・イギリスなどで1950年~1970年代に数々の有名デザイナーによって誕生した名作家具が並ぶ。
この時代の家具は、とてもシンプルでモダンなデザインが多く、世界中に根強いファンが多い。
オーナーの川口さんも、そのうちの1人。
独創的なデザインに惚れ込み、時代を越えて大事に使われてきた家具たちを、これからもより長く使ってほしいという気持ちが人一倍強い。
川口さんによって丁寧に息を吹き込まれた家具たちが、生き生きと輝き店内に並んでいる。
SNAPPY LABELのこだわり
細部まで丁寧にこだわるメテナンス
1階の作業場にはこれからメンテナンスをして店頭に並ぶ商品がスタンバイ
2階には、丁寧に息を吹き込まれた家具が並んでいる。
店内に並んでいるメンテナンスされた家具を見れば、川口さんのヴィンテージに対する強い思いが伝わってくる。
このお店をオープンする前からメンテナンスの仕事に携わっていたそう。
「いいものは大事に使わないともったいない」と、取材中何度も口にしていた。
当時の家具は、デザイナーの心持ち、デザイン力、構造、素材全てにおいて「いいもの」だという。
今まで長年使われてきたものが、これからも同じ状態で長く使ってもらえるようにと、メンテナンスの工程ひとつとして手を抜かない。
たとえ、簡単に強度を上げる方法があったとしても、長い目で見てデザインを損なうようなことになるのは避けるように、手間暇惜しまず丁寧に補正する。
それが彼のやり方。
長年培ってきた技術と、知識、ヴィンテージへの思いが強いからこそ、本来の持ち味を損ねることなくよみがえらせることができる、まさに職人技だ。
取材を通して、当時のデザイナーたちのこだわりの精神をしっかりと受け継いでいるように感じた。
実際に椅子の張替をオーダーしてみた!
今回は、7年ほど愛用している自宅のダイニングチェア4脚を持ち込んだ。
恥ずかしいほどに使い込んで座面が破れてしまった、イギリスのG-plan Fresco Dining Chair(ジー・プラン・フレスコ・ダイニングチェア)。
見せるのも恥ずかしいほどだったが、「みなさん、こんなもんですよ。」と優しくフォローしてくださり、安堵した。
まずは、張替えの生地を選ぶ。
家の雰囲気、好みも含めて相談すると、とても親身に相談に乗ってくれる。
絨毯や、壁にかけているファブリックボードなど、色が多い我が家なので、実際の写真もみせて相談した。
どの色にするか、私の意志が固まってからも最後まで真剣に完成像をイメージしていた川口さん。
どこまでも、妥協を許さない真剣な姿勢がこちら側としても嬉しい。
ファブリックは、無地やチェックなど色や柄もさまざま。
数十種類のパターンから選べる。5,000円から高級なものまで。
椅子のデザインに合わせて選ぶポイントも教えてくれ、実際のイメージがつきやすいように似たような画像をネットで検索して見せてくれた。
この椅子は背面もあるので、生地の面積が大きいことから柄物を選ぶと結構インパクトが強くなるそう。
最終的にどんな部屋にしたいか全体を考えて、決めることが大事とのこと。
椅子の状態をチェック
生地が決まれば、あとはお任せ。
通常1か月ほどで、装い新たに帰ってくる。
今回、椅子のフレームもメンテナンスしてもらった。
まずは座面を外し、接着材の劣化やガタつきや緩みなどを細かくチェック。
必要に応じて補正する。
子どもが椅子を傾けて座るため、ガタつきが激しいと思っていたが、意外と状態は良かったそう。
続いて研磨。
スコッチと言われる研磨スポンジや、スチールウールで磨いたり家具に合わせて使い分け、クリーニングする。
本来の美しさを引き立てる。
ヴィンテージ家具でよくみられる、このテーパーの(先細)かかった丸脚。
一見シンプルな家具の中にある計算されたデザインこそが、人々を魅了し愛さえれ続けている理由といえる。
そんな素敵なデザインを無駄にするかのごとく、床傷防止用のキャップをつけていた私に、オーナーは「だめですよ、もったいない。」と苦笑していた。
脚の底に、小さめに切った傷防止シールだけで十分だと教えてくれた。
張替が出来上がるまでに用意しておこう。
そして、ついに完成。
いよいよ、完成した椅子とご対面!
選んだ生地とフレームの色合いがばっちり合っていて、想像以上に素敵な仕上がりに。
実は貼り方は生地選びと同様、仕上がりに大きく影響するという。
椅子の形、サイズ感を含め全体的なバランスを見て、座面のウレタンの厚みや丸みを計算する。
すなわち、職人の技術のみならず、デザインセンスも伴う、難しくもあり重大な作業である。
SNAPPY LABELだからこそできたこのフォルム。
縫い目はフレームで隠れる位置で設置するなど細かいところまでこだわってくれている。
歪みの調整、磨きをかけた後、保湿剤を使って仕上げられたフレームは新品さながらで心も踊る。
意外と油汚れでベタつきがちなダイニングチェアもスベスベつやつやに。
どういったメンテナンスをしたか、また家での取り扱いについても最後まで丁寧に説明してくれた。
どこまでも家具を大切に思う、親切な川口さんにお任せして本当に良かった。
大切なヴィンテージ家具をお持ちの方はぜひ、訪れてほしい。
SNAPPY LABEL
- 住所/奈良県 生駒市小明町1826-5
- 電話/0743-89-2489
- 営業時間/12:00~19:00
- 定休日/水、木
- 駐車場/近隣無料駐車場5台