2022/06/14 09:30
ぱーぷる
奈良県生駒市にある『たけつな小児科クリ二ック』の竹綱先生に12回に渡り、子どもたちの病気やからだのこと、気になることをテーマ別で教えて頂く連載企画。
今まで、「インフルエンザ」、「感染性胃腸炎」や「食物アレルギー」についてなどのお話も伺ってきました。
今回第8回目は「子どもの頭痛」について。
梅雨に入り気圧も変わりやすいこの時期は、大人でも片頭痛に悩んでいる方も多いのでは。
子どもも片頭痛を起こすのか?
子どもの頭痛の種類や見分け方、対処法などを伺いました。
どんなことにも優しく丁寧に答えてくださる竹綱先生。
Q1.頭痛の種類とその見分け方を教えてください。
そもそも、何歳から頭痛を訴えるのかという疑問が出ると思いますが、教科書的には2歳から頭痛を訴えることができると書かれています。
以前、私が頭痛を主訴に外来を受診した子どもについて調べた時も、最少年齢は2歳でした。
頭痛の種類はたくさんあり、ほとんどが患者さんからの聞き取りで診断をすることが可能です。
症状をうまく話せない子どもは家族がどのようなときに、どのような場所を(頭を)手で押さえているかなどを注意深く観察しておくと、どのような頭痛か診断をする手掛かりとなります。
Q2.子どもがなりやすい頭痛は何ですか?
頭痛を訴える6割がインフルエンザや溶連菌などの感染症が原因でした。
3割が蓄膿症(副鼻腔炎)、残りの1割が片頭痛などの特殊な頭痛でした。
感染症での頭痛は意外と思われるかもしれませんが、子どもは感染症による発熱の際に、熱を上げようとして脳の血管が収縮、その結果として頭痛が出現するため、成人と比較し、子どもは感染症にかかる際に頭痛の頻度が増加します。
Q3.今の時期多い頭痛は?
今の時期は梅雨に差し掛かっているため、気圧の変化などで片頭痛を持っている子どもは頭痛が悪化しやすい時期です。
片頭痛は温度変化、気圧の変化で症状が悪化することがあり、季節の変わり目は特に症状が悪化しやすいといえますが、寝不足などでも症状が悪化することが多いです。
また、5月から7月は熱中症にもなりやすく、熱中症でも頭痛を認める子どもも少なくありません。
Q4.どう対処すればよいですか?
また、アレルギー性鼻炎による頭痛の場合は、原因であるアレルギーをコントロールすればよいため、抗アレルギー剤の内服などで頭痛が軽快することがあります。
特殊な頭痛である片頭痛は、頭痛の頻度が多い少ないにかかわらず、寝込んでしまうなど、生活に支障が出る場合は、発作を起こさないように予防薬を内服し、頭痛をコントロールすることもあります。
Q5.どんな時に病院にいけばいいですか?
特に頭部を打撲した際にはCTなどの画像検査が必要な場合もあり、当院のようなクリニックでは対応ができないこともあるので、
受診する際には医療機関へ電話で相談してください。
また、日本には頭痛を専門的に診察できる小児科医は少ないため、適切な頭痛診療を受けることが難しい場合があります。
その際にはHPなどで頭痛の診察が可能かどうかを調べておく必要もあります。
Q6.自分でできる予防はありますか?
頭痛の発作は頭痛がピークに達してから鎮痛剤を内服してもあまり効かないときもあります。
そのため、発作が来る前に鎮痛剤を内服する方がより、頭痛を軽減できると報告されています。
もし、発作が増強する前に鎮痛剤を内服することが重要です。
ただし、鎮痛剤は胃の粘膜を障害する副反応が出る場合や、薬を飲みすぎることで逆に頭痛が発症する(薬物乱用頭痛)場合もあるので、一概に鎮痛剤の早期内服が良いとも限りません。
したがって、気になる頭痛発作を認めた場合は、頭痛を専門に治療しているクリニックを受診するようにしましょう。
次回 Vol.9のテーマは「熱中症」について。お楽しみに!
たけつな小児科クリニック
- 住所/奈良県 生駒市真弓 1丁目2-8
- 電話/0743-71-0929
- 営業時間/ <午前診>9:00〜12:00
<専門外来>14:00〜16:00
<午後診>17:00〜19:30
備考/※木曜の午後診は16:30〜18:30
- 定休日/日 その他休業日/土曜日の午後診察
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