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2022/04/01 15:19
ぱーぷるmirai編集部

【玉井式教育学V】– Vol.37 – AI時代を生き抜く人材とは

【玉井式教育学V】– Vol.37 – AI時代を生き抜く人材とは


これからの子どもたちは、これまでよりも世界に目を向けなければいけない時代を生きることになります。今のままの教育で良いのか、変わっていかなければいけない点は何なのか。グローバル時代を生きる子どもたちの成長のために、どのような価値観が必要なのでしょうか。
何のために教育するのかという、教育の価値観をしっかり持って、「親が笑顔でいること」「子どもへ何よりも愛していると伝えること」そして、「花(成果)を咲かせることだけでなく、丈夫な根っこ(土台)を育ててあげること」を大事にする。そう言うのは、「世界に負けない子に育てる」教育を提唱し、独自の能力育成教材を開発し続けてきた玉井満代先生。


玉井先生の考える子育てと教育について、48回にわたり、さまざまな視点でお届けします。


- 編集部 −
第37回目のテーマは、「AI時代を生き抜く人材とは」。
これからさらに進化していくAI(人工知能 artificial intelligence)技術。社会の多くのことはがコンピュータができるようになると、人の役割はどのように変化していくでしょうか。
また、AIの技術が高度になるにつれて、人としてどういった考えや行動が大事になっていくでしょうか。玉井先生の考えを教えてもらいました。


AI時代に人はどのように生きるのか


今よりもっとAIを活用する時代になったとき、人が重点的に担う役割を考える上でキーワードとなるのは「志(こころざし)」ではないでしょうか。
AIは何かを成し遂げたいという意志は持っていないと思います。AIは人が何かをするために、この方法が早いといったことは教えてくれるかもしれないですが、志まで持つのは難しいと思います。AIがどうであれ、人はやはり自分が生まれて死ぬまでの間に何をしたいのか、どんなことで社会に貢献したいのか、どういう人生にしたいのかといったことを考える生き物ではないでしょうか。
人それぞれ、人生にはいろんなことがあります。しかし、誰しも自分の可能性を低く見積もらなくて良いと思います。AIと違って人は生きているから、何かを始めようと思えたり、何ができるかを考えたりすることができるのだと思います。どんな人でも、覚悟を持って自分の人生に責任を持って生き切ろうと思えば、何か成し遂げられると思います。


(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生


AIの進化によって、人がするべきことは変わっていくのですが、自分自身の人生にもっと責任を持つ時代になると思います。責任を持たなかったら、「AIがこう言っているからそうしよう」、「AIが●●大学のこの学部が良いと勧めているから受験しよう」、「AIがこの人と結婚すると良いと選んでくれたからそうしよう」とAIに人生を委ねてしまうかもしれません。そうなると、人間としての価値はいったいどこにあるというのでしょうか。ですので、自分の人生に責任を持てるよう、子どもたちを育てていくことが大切であると思います。

そのためにも、小さい頃から、世界を知ろうとしたり、いろんな人の考えを見たり聞いたり、自分自身がどういう考えを持っているかを伝えたり、そういう力を身につけることが必要となってきます。
特に、自分の考えを持つことがとても重要です。もし、それが間違っていたら教えてあげれば良いだけです。しかし、今まで進学のために対策授業をしてもらい、受験に受かる方法を教わり、敷かれたレールを走ってきた人が、社会に出た途端にいきなり「あなたの人生を考えなさい」と言われても、どうやって考えるのでしょうか。人生を考える方法から教えてもらわなければいけなくなります。

私はよく子どもたちに、「一人ひとりに必ず強みがあるから心配をしなくていい。そして、その強みを探すために勉強するんだよ」と言います。その強みとは、親にも先生にも分からないもので、子ども自身が見つけるしかないのです。ですので、いろんなことをしてみて、「私はこれが得意なんだな」と自分で探しながら生きていく。そして、その強みの生かし方は、その子の「価値観」が反映されるのです。その土台をしっかり育てられるかどうかは、周りの大人次第だと思います。


他者のことを想像できる人間に


人間が根本的に成長しなければならない点は山ほどありますが、基本的に人間は独善的な生き物だと思います。多くの場面において自分都合で生きているものです。だからこそ、少しでも他者のことを想像できる人間になって欲しいと思います。


(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生


一人ひとりが少しずつでも他者のことを考えていけば、世界は平和になると思います。一人ひとりが身近にいる他者のことを考えるだけで、それが世界中の人がお互いのことを考えることにつながるはず。自分の家族、通っている学校の友達、会社の同僚など。そういう身近な人たちのことを、愛を持って考えることができたら、それを世界中の全員ができれば、平和で素敵な未来ができると思います。そのような価値観を持って成長してくれたらいいなと思います。誰かが誰かのことを無視しないで、みんなが少しずつ身近な人のことを考える。
ですので、人がこれからしなければいけないのは「ルールをいっぱい作る」ことではなく、「もっと他者のことを想像する」というシンプルなことだと思います。それが技術の発展によって無くならないよう、人間自身も成長していくべきじゃないかと思います。


AI時代だからこそ、
人として大切にしたいこと


AI時代に限ったことではありませんが、「この人を応援しよう」と思ってくれる人をどれだけ作れるかが重要だと思います。
AIの技術が日常に浸透してくると、いろんな場面で今よりも差がなくなっていくのではないでしょうか。例えば、法律は決まりごとですから、過去の判例を全部 AI が学習し判断できるようになれば、弁護士の回答に差がなくなります。そうなった時に弁護士を選ぶ基準は、例えば「コミュニケーション能力のある人」になったりします。

私が思うには、「この人を応援したいな」と思ってもらえるような人間に成長するのが一番です。そして、そのためには、逆に人を「応援する」ことも大切だと思います。自分が応援するからこそ応援もしてもらえる。これから AI技術が発展するからこそ、能力の有る無しに関わらず、素敵な人になって欲しいと思います。

私は会社のスタッフに、「損得」か「大義」をとるか悩む時があったら、「迷わず大義を取れ」と伝えています。AIは損得や効率を優先すると思うのですが、人はたとえ遠回りでも大義を取ることが大切だと思っています。そうすると、人として成長できると思います。

AI技術が発展するとなくなる仕事も出てくるでしょう。しかし、「自分は何がしたいのか」「自分の強みは何なのか」「それを生かして社会にどう貢献したいのか」ということをしっかり持って生きていけば、 AIは便利なツールになってくれると思います。AIに振り回される側にならないよう、自分の考えをいつでも持っているようにして欲しいですね。

やはり自分の考えを持つためにも、日本語の狭い情報だけでなく、違う国のニュースなども読めるようになったほうが良いと思います。そうすると、世界における日本の立ち位置などいろいろ分かると思います。
まず、世界を知ろうとして欲しいですね。どこに住んでいても、何をしていても、どんな仕事でも、世界を知ろうとして欲しい。世界で起こっている現象を。そこから始まるさまざまなことに関心を持つことが大事だと思います。


次回の「Vol.38」は4月8日(金)にお届けします。お楽しみに!



(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ 玉井満代先生

《教えてくれたのは》
(株)タマイ インベストメント エデュケーションズ
代表取締役 玉井満代さん

京都市生まれ、ICT教材クリエイター・脚本・演出家。20年にわたる全国数百の学習塾での指導経験を生かして、学校、またインド、ベトナム、シンガポール等で続々と導入されている「玉井式 国語的算数教室®」「玉井式 図形の極®」など、パソコン・タブレットを使用して学習する教材を全国展開。2021年現在、日本全国で24,000人が学習しており、有名私立小学校・大手学習塾・幼稚園・保育園及び学童などで広く活用されている。また、インド著書には「世界に出ても負けない子に育てる」(青春出版社)他。国内外での年間講演回数は120回(2018年度)を超える。洛南高等学校附属小学校で「玉井式 図形の極®」が授業カリキュラムとして取り組まれている。また、2021年度より、奈良育英グローバル小学校の副校長に就任。

>> TAMAISHIKIオフィシャルサイト
>> 奈良育英グローバル小学校



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