2022/03/05 15:35
ぱーぷる編集部(喜畑恵太)
奈良市在住の作家瀬尾まいこさんにインタビュー
『夜明けのすべて』『そして、バトンは渡された』などの著者で、作家の瀬尾まいこさんにインタビューを行った。
瀬尾さんは奈良県奈良市在住。
「奈良県に移り住んだ経緯」「『第7回坊っちゃん文学賞』応募のきっかけ」などお話を伺った。
©文藝春秋
坊っちゃん文学賞応募のきっかけは?
ー子供のころから文章を書くことが好きでしたか?
作文をガンガン書くような子ではなかったですが、苦手ではなかったですね。
ー『坊ちゃん文学賞』応募のきっかけは?
教師になりたかったからです。
教員試験にずっと落ち続けていて、何か特技の欄に書けることや履歴書に書けることがほしいと思い、『坊っちゃん文学賞』に応募しようと決めました。
その頃、一人暮らしを始めたので時間があったので『卵の緒』を書き始めました。
ただ、大賞を獲ったその年の採用試験は通らなかったのですけどね。
ーそうなんですね。すごい経歴を手にしたのに意外です。『卵の緒』は何年くらいで書き上げましたか?
前のことでよく覚えていないのですが、半年~1年くらいですかね。
当時、国語の教員をしながら、日曜日に書いていましたね。
平日は授業の後にクラブ活動の担当もありましたので。
ー『坊っちゃん文学賞』の大賞を受賞された後に作家一本でいこうとは思わなかったのですか?
教師になりたいと思っていたので、そうは思わなかったですね。
のちに採用試験に受かったので「やったー!」と思いましたね。
ー昨年、『そして、バトンは渡された』が映画化されましたが、周りの環境で変わったところありましたか?
直接忙しくなったとかはないですね。
ただ、娘の1年生の時の担任の先生が少し怖い先生だったのですが、その先生が校門のところで会ったら、「おめでとうございます」と言ってくださったのはうれしかったですね。
あとは映画を観たママ友や昔の生徒などが連絡をくれました。
懐かしい人などからも連絡がありましたね。
ー執筆する上で意識していることはありますか?
特別していることはないのですが、強いて言うなら難しい言葉を使わないようにしています。
読者の方が途中で詰まらないようには心がけていますね。
ー瀬尾さんの小説には家族をテーマにしたお話が多いですよね。ご自身にとって「家族」とは何ですかね?
家族を題材にした小説をよく書いているので、よく聞かれるのですが、強い思い入れがあるとかはないです。
身近なものを書いていたら、ついつい家族をテーマにした話が多くなっているだけですね。
そういった意味では、家族って当たり前のように身近にある存在なのかもしれませんね。
あとは最近子育てをしていて思うのは、子供を育てるのは家族だけではないということですね。
子供って親だけでなく、地域や周りにいる人々が育てていくのかなとは感じますね。
ー昔のいい形に戻りつつあるということですかね?
昔がよかったとは思いません。
昔はもっと子供のことを見ていたという声がありますが、今も子供を小学校連れて行けば、地域の人々は声をかけてくれますし、ランドセルを背負った子がいれば私も声をかけるので、意外に昔と変わらず地域の目ってあるんじゃないかなと思います。
ー瀬尾さんは大阪出身ですが、奈良県に移り住むきっかけは?
高校の時に親の都合で引っ越してきました。
ー瀬尾さんから見て奈良県の魅力はどこにありますか?
程よく都会ですよね。
行こうと思えば大阪や京都にも出やすいですし、奈良県自体はゴミゴミしていないので、ゆっくり過ごせるのがいいです。
不便さを感じることもないですし、新しい物も取り入れられる街です。
それでいて古い建物など、歴史を感じられるところもあり住みやすい場所だと思います。
ー奈良県で好きな場所はありますか?
奈良公園の近くに行くと、いつも行くのは県庁の屋上です。
お弁当を持ってよく行きます。
景色がすごくいいのになぜかガラガラなんですよね。
もっと皆さん行けばいいのにと思います。
あの場所だと食べ物とか広げていても鹿も来ないので。
ー3月13日に行われる『第7回ビブリオバトル全国大会inいこま』にゲスト出演されます。この大会は1冊の本を5分で紹介するという戦いですが、自分の書いた本を5分でまとめるとなると難しいですか?
1冊の本で5分も話せるってすごいですよね。
5分も1冊の本のことを話せるくらい愛情を持っているのはすばらしいことだと思います。
ビブリオバトル楽しみにしています!
予選を勝ち抜いたバトラー(発表者)による全国大会『第7回ビブリオバトル全国大会inいこま』は2022年3月13日(日)13:30~開催される。
ビブリオバトル全国大会はオンライン配信もあるのでぜひチェックしてみて!
『第7回ビブリオバトル全国大会inいこま』の詳しい情報はこちら!