2021/10/09 00:00
ぱ〜ぷるmama

【子育てコラム】いとしのネコ絵本
猫グッズや、猫写真集、流行ってますよね。
最近、猫をテーマにした絵本もよく目にします。そしてかわいい。思わず手に取っちゃう。猫マジック!
紹介したい絵本は、たくさんありますが、今回は2冊だけ。
「くまとやまねこ」
(湯本香樹実著・酒井駒子絵)
河出書房新社
2008年に出版された、小説家の湯本香樹実さんが描かれた絵本です。
「ある朝、くまは泣いていました。なかよしのことりが、しんでしまったのです。」から始まるストーリー。そう、大切な人、モノを失くしたときの喪失感と悲しみが最初から描かれています。
誰もその悲しみに触れられず、くまは心を閉ざしたまま部屋に閉じこもってしまいます。
ところがある日、やまねこに出会い、そのやまねこが、くまのためにバイオリンを奏でてくれます。その音色を聞きながら、くまは、ことりとの思い出を紐解きつつ、ことりの死を受け入れていきます。
くまとやまねこは、ことりを葬って、いっしょに旅にでる。そんなお話。
わたしの大好きな酒井駒子さんの絵が、なんとも優しく繊細です。くまの表情に悲しさをちゃんと宿らせる。白黒の絵に、少しずつ赤い色が加わっていく。まるで、くまの心が少しずつ晴れていくように。画集のような絵は、飾りたいくらいに素敵です。
身近な人の「死」に直面し、喪失感で世界が真っ黒になる経験のある方には、心に響く絵本だと思います。そして、喪失感でふさぎ込んでいる人への贈り物にも、この絵本はとてもいいと思うのです。
子どもにとっても、「死」はなかなか実感できないこと。だからこそ、この絵本で「命」に触れてほしい。そんな絵本です。
「ふたりのねこ」
(ヒグチユウコ著)
祥伝社
こちらも絵がとても印象的です。そして泣けます。
ヒグチユウコさんの絵本には猫シリーズとして、数冊の猫絵本がありますが、わたしはこの1冊が大好き。
「筆者の息子くんが大事にしている猫のぬいぐるみ『ニャンコ』と、公園に住む野良猫のおんなのこ『ねこ』の出逢いと別れが描かれた、切なく心暖まるファンタジー」。リアルの猫と、薄汚れたぬいぐるみの猫が出会い、別れるまでの話です。涙を流す猫の表情、抱き合う2匹の表情に、油断すると大人のわたしたちでも泣けます。
猫の世界があり、猫にも意思があり、感情がある。猫を飼っている人も、そうでない人も、忘れていた大切な感情を思い出させてくれる絵本です。
《コラム執筆者》
福島千佳(ふくしまちか)
さくらい読書会「子ども読未知(よみち)」ボランティアサークル代表
私立高校非常勤講師
心理カウンセラー
>> ホームページ「子ども読未知のへや」
国語力を育てるメソッド塾
「ことばの森」(2021年4月開校)
小学校3年生〜6年生(各学年10名限定)対象
(5年6年は9月開校予定)
*作文やスピーチなど、ことばのアウトプットを中心に授業をしています*
隔週火曜日3年生17:00〜
4年5年18:00〜6年19:00〜
(学年により第一・第三火曜日か、第二・第四火曜日で実施・月2回5000円)
【場所】桜井駅北口より徒歩1分
「ASTEビル」2階
【お問い合わせ】 090-4279-1511(福島)