2020/12/31 00:00
ぱ〜ぷるmama

【子育てコラム】子どもが仕事を選ぶとき
こどものてしごと
上牧で服作りの会社を運営している合同会社ヴァレイの谷と申します。
先日、淡路島にある「こぞら荘」さんというところで私たちのミシン教室のイベントを開催させていただきました。とても健やかな自然の中でミシンに触れてものづくりを行います。
そのタイトルが「こどもてしごと」でした。素敵な名前だなぁと思って眺めながらふと考えました。
「子ども達が仕事を決めるのっていつなんだろう?」
僕の場合は25歳で起業するまで、服作りなんてやったことがありませんでした。母が縫製工場を経営していましたので、ミシンの音を聞いて育ったし職人としての生き方が嫌なわけでもありませんでした。
最初のお駄賃は、内職作業での成果報酬って感じでした。
それでも「服づくりを仕事にする」とは思ってもいませんでした。
これからファッション業界をよくしていきたい、いろんな人たちに入ってきてもらいたい、そう思うとどうやって仕事を選ぶのかを考えなきゃいけないなぁと思っていました。
そんなことを考えていたら、今日の朝礼で素敵なことを聞きました。教室を担当するメンバーからの報告でした。
生徒さんが教室に行く前に鏡の前で洋服を選んでいるそうです。お母さんが「どうしたの?」と聞くと子どもが「教室の先生たちはみんなとてもおしゃれだから、自分もおしゃれして教室に行くの」と答えたそうです。そんな袖にフリルがついていたらミシンがやりにくいんじゃないの?とお母さんが言っても、自分の好きな服を着て教室に来てくれるんです。というものでした。
その時ハッとしたのですが、「仕事を決める」というのが「生活を決める」とか「生き方を決める」とかそんな大きなものと大人は感じていますが、「好きを見つける」と考えるととてもワクワクすると思うのです。
しかし、大人は子どもの好きに対してどうしても「そんなのじゃ生きられない」とか「それは仕事にならない」とか「稼ぎが少ない」「安定しない」と言ってしまいます。
子どもたちからすると、ただ好きを止められてるだけなんですよね。
だから、僕は大人がやるべきは「好き」を見つけさせること、そしてその好きが素晴らしい仕事になるような社会にすることだと思います。
許し、認めるだけでは足りなくて、今持っているすべてを使って子ども達が好きなことを仕事にできる環境を作るのが、僕たち大人の責任なんじゃないかと思うのです。
僕たちは全国にいる100人の生徒さんたちが「服づくりを仕事にしたい」と言ったときに「素晴らしい世界へようこそ」と言ってあげれる社会作りを進めていこうと再確認しました。
【コラム執筆者】
谷 英希
合同会社ヴァレイ代表
MY HOME ATELIER、6歳からの縫製教室VALLEY SEWING JAMの運営など
ガイアの夜明け出演などメディア出演多数
>> 合同会社ヴァレイ
>> キッズソーイングスクール
谷 英希 twitter I_hideki22