2020/12/31 00:00
ぱ〜ぷるmama

【子育てコラム】自然の厳しさに
今回は自然との共有の大変さについて書かせていただきます。
実家は兼業農家で、父は木材を扱う仕事に行きながら、お米と夏はすいか、秋から冬にかけて白菜 、大根を作り、市場に出荷していました。
私たちは、夏休み・冬休みは出荷の手伝い、稲刈りをしていました。
市場に行くのが楽しみで手伝いをしていたのを覚えてます。
小学校5年生6年生のころ、よく畑ですいかをバケツリレーのように運んだのが楽しくて、手を滑らせて割れたすいかをおいしく食べたことを覚えています。
冬休みは冷たい水で大根1本ずつ洗うのが嫌で嫌でしかたない、辛い思い出があります。よく働く父で、一緒に母も愚痴ひとつ言わず働いてました。
朝早くから日がくれるまで、そんな両親の背中を見て育ち、農業をすることは嫌ではなかったのでしょう。
しかし、結婚する相手が専業農家で柿を作るとなると大反対でした。
また、子どものいるところに嫁ぐとなると、苦労が目に見えてますから、今になってよく結婚したなあと思いますし、自分の子どもだったら反対したかも知れません。
柿作りは1年かけて手入れをして、10月半ばから12月初めまでの間に収穫します。
1年に1回しか収入がないので、梅を作ったり、桃や梨などを作ったりして、地域の人達は収入にしていました。
柿山は6個あるので、手入れをするだけでいっぱいで、梅を少ししていただけでした。
12月初めまで収穫して、終るとすぐに剪定といって来年のために元気のない枝は切ります。
切った枝を畑でまとめてヒモで縛り、持ち帰ってお風呂を沸かすシバにします。
それが女の人の仕事になっています。
畑で葉っぱを燃やすのは、地面に細菌がいるからで、きれいに燃やします。そのあと、肥料やりをします。
4月から、ひと月に1回消毒します。それと平行に摘果。1枝に1個だけ実を残します。この作業が何ヵ月も続きます。
やっと終わるかなあと思っても、ちょうど台風のシーズン。
柿の実を吸うカメムシの被害の病気もつきます。
丹精込めて作っても、台風で一瞬に柿の木が飛ばされなくなったことも。
自然の厳しさは身にしみます。しかし、毎日毎日柿山に行き、おいしい柿が実り、その柿を26年ずっと買いにきてくれるお客さま!!
おいしいおいしいと言ってくださるお客様の顔が励みになり、今までやってこれました。
主人が亡くなり、どうしようか悩みました。子どもたちは大変さを知ってますし、今は農業をしないみたいです。
私が元気な間、主人が頑張って残してくれた畑1つだけ作ってます。
今年は夏の長雨で大量の病気が発生しました。でもその柿を収穫しないと木が弱ります。ほとんどダメかなぁと思ってますが、やるしかない。
自然のめぐみのすばらしさと残酷さは背中あわせです。
農業をしている宿命ですが、やっぱり続けていきたい、この地でと思ってます。
よい柿がまた実りますように。
【コラム執筆者】
桐山昌代
1960年生まれ。下市町に生まれ育つ。28歳で地元の富有柿の専業農家に嫁ぐ。4人の子どもと両親の8人家族。毎日の食生活改善が大切だと薬膳アドバイザー健康管理士の資格を取得。
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