2020/12/31 00:00
ぱ〜ぷるmama

【子育てコラム】作るからには活かす
奈良で縫製工場を運営している合同会社ヴァレイの谷です。
最近はサスティナブルやSDGsなど社会課題に対してファッション業界も取り組みを拡大しています。例えば、エコ素材を使って環境に配慮したり、制服のジェンダーフリーを進めたりしてどんな人でも過ごしやすい社会を目指したりしています。
このようにファッションがSDGsの達成に向けて取り組みをするのはいいのですが、実は実態が伴っていない、それこそファッションになっていないか?と自戒も含め考えることがあります。
例えば、「リサイクル素材」と言われているが実際はリサイクル素材を作る方が0から作るよりもCO2を排出していたりするのです。しかも消費者は「あ、エコ素材だから買おう」と思うよりもファッションの世界においては、やはり機能性であるとかデザインがとても重視されているのです。
もし、お客様が「エコ素材だから買おう!」と思って買った場合は、お客様はエコに貢献したと思っているのに、普段よりも環境破壊に寄与してしまっていることになります。
私たちにもよく「これはリサイクルポリエステルです!」なんて営業は来るのですが、「リサイクルの場合どれくらいの環境負荷が減りますか?」と担当者に聞いてみても「え?それは…」と口をつぐんでしまいます。
これでは本質を得ていない飾りだけの取り組みになってしまうのです。
それよりも私たちのお客様の中には、古いお着物を復活させたり、デッドストックになっているビンテージ素材をうまく活用させ商品として生まれ変わらせたりして大成功されている方々もおられます。
大切なことは飾りにしないこと、そして、例えば飾りのエコだったとしても、作ったからには愛を持って使って、これ以上使えない!というところまで使い切ればいいんじゃないでしょうか。
私は庭でコットンを育てていますがコットンは予想以上に水を使いますし、なんとかコットンボールを収穫できても「え?これだけ?」と思う量にしかなりません。
それくらい素材は大切に、人の手が入っている洋服はより大切にしたいですね。
【コラム執筆者】
谷 英希
合同会社ヴァレイ代表
MY HOME ATELIER、6歳からの縫製教室VALLEY SEWING JAMの運営など
ガイアの夜明け出演などメディア出演多数
>> 合同会社ヴァレイ
>> キッズソーイングスクール
谷 英希 twitter I_hideki22