2020/12/31 00:00
ぱ〜ぷるmama

【子育てコラム】お寺でほとけさまスケッチ
こんにちは、アートコミュニティもりのいりぐち主宰の森野ゆかりです。今年度も楽しいアートの時間を共有したいと思います。
晴天が心地よいある日のこと。信心深いほうではありませんが、なんとなくスケッチしたい気持ちが高まり、ほとけさまに会うため、家族でお寺を訪ねました。
向かった先は「浄瑠璃寺」。奈良の中心地から車を利用すると30分ほどで到着するほどの距離にありながら、深いみどりに囲まれてひっそりと、どっしりとたたずむお寺さんです。
山門をくぐると季節のお花がきれいに咲いていました。いつもならそこでスケッチを始めるところですが、今日の本題はほとけさま。本堂に向かいます。目の前の池を右手に進み、拝観料を納めてほそい廊下を歩き障子を開ければいよいよご対面です。
薄暗い本堂。入ってすぐの2体からドキドキしながら描くことにしました。私の隣にいた10歳の長男がスケッチセットをリュックから取り出しました。すると7歳の長女も描きたいと紙とペンをせがみます。わが家のスケッチはたいていこうして始まります。描きたいと思ったときに描きたい人が描くというスタイルです。
薄暗い本堂でぼんやり浮かび上がる仏像は思ったよりも個性がありました。怒りの四天王はもとより、八体並ぶ阿弥陀如来も一体一体描いていくと微妙に表情が異なります(本来は九体阿弥陀といってその名の通り九体ですが、一体は修理のため不在でした)。
前を通り過ぎるだけではわからないほどの目の開きや口元の角度の違いも絵を描くという向き合い方ではしっかりと映りこんできます。
果敢にも八体阿弥陀に挑んだ長男にも「みんな違うお顔だよ」と伝えると、「なるほどそうか!」といった具合に区別をつけながら根気強く描きあげました。長女は一体描いたのちに境内で待つ主人のところに遊びに出かけました。少しくにゃくにゃしていましたが、きちんと手の形も描きとっていたので感心です。
長女は出たり入ったりでしたが、おそらく長男と私は1時間ほど、ほとけさまに向き合っていたと思います。薄暗い空間で息をひそめて集中した時間は、とても心地の良い緊張を味あわせてくれました(本堂内は撮影が禁止されているので、子どもたちが絵を描いているようすをお伝えできなくて残念です)。
ところで浄瑠璃寺には国宝、重要文化財がてんこ盛りですが、おすすめすべき点としては拝観料。大人は400円ですが、中校生未満の子どもは無料です(境内のみなら大人も無料)。
また、広い境内は四季を感じる自然に包まれ、ちいさなお子さまもお池のフナや亀を楽しめます。子どもたちが産まれる前から何度となく通っているお寺さん。スケッチという目的がなくてもおすすめです。
浄瑠璃寺
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■住所:京都府木津川市加茂町西小札場40
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■開門時間:9:00〜17:00
■拝観料:400円(中学生以上)
【コラム執筆者】
森野ゆかり
東京の広告代理店でデザイナーを経験。写真と似顔絵とデザインが現在の主な仕事。デジタルとアナログをいったりきたりしながら、2人の子どもとアートな暮らしを模索中。
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