2020/12/31 00:00
ぱ〜ぷるmama

【子育てコラム】子どもたちのひと針が世界を変えるかもしれない
奈良の上牧で縫製の会社を運営している合同会社ヴァレイの谷です。
先日、うちのキッズソーイングスクール(VALLEY SEWING JAM)の生徒さんたちが、入学シーズンに合わせてタオルを持ち込んで雑巾を自作していました。
正直、月謝をいただいてますから、自分達で作るより100円均一で買ったほうが安くてきれいです。
しかし、親御さんは「子どもたちに自分で使うものを作ってもらいたい」と考えているし、子どもたちも「自分たちで使うものを作る」ということにワクワクしているようでした。
もちろん地球環境を見ても、捨てられて燃やされるはずだった古くなったタオルがもう一度新しい使い方をされ、本当に使えなくなるまでボロボロに使って捨てられるのですからすばらしいことです。
SDGs(Sustainable Development Goals持続可能な開発目標)が国連サミットで採択されたのが2015年、そこから6年経ってようやく日本でもSDGsという言葉を聞くことが増えてきました。SDGsには17個の目標があって、地球の温暖化問題だけではなく男女平等や貧困問題など、さまざまな目標が設定されています。
SDGsって言葉は少し難しいですが、本質は「誰かのことをしっかり考えよう」ということなのではないかと思っています。
そして裁縫という身近な行いは「人のため」を思って作っているし、モノを大切に思う気持ちも育むことができ、まさにSDGsの目標の本質をついているのではないかと思っています。
少し前までは親御さんや学校でもモノづくりをしっかりと子どもたちに教えていました。しかし、最近は少しその機会が少なくなってきて残念に感じています。
「子どもが雑巾を自分で作って世界が良くなるのか」と言われるとすぐにその答えは分かりません。しかし、自分でモノを作る気持ちを育んで、その子たちが大人になったとき、とても大きなことを成し遂げ世界を変えるかもしれません。
実際に縫製工場で母がモノを作る姿を見てきた僕は、今こうして少しずつ世界の仕組みを変えようと挑戦しています。
「こんなことで世界は変わらない」そう思わずに、目の前にあるミシンや針や糸を使って「作る」を子どもたちと始めてみてはいかがでしょうか?
その一歩が世界を大きく変えるかもしれません。
【コラム執筆者】
谷 英希
合同会社ヴァレイ代表
MY HOME ATELIER、6歳からの縫製教室VALLEY SEWING JAMの運営など
ガイアの夜明け出演などメディア出演多数
>> 合同会社ヴァレイ
>> キッズソーイングスクール
谷 英希 twitter I_hideki22