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2021/12/31 01:00
ぱーぷる編集部(松本温実)

<連載>『女子のNEW STANDARD』vol.6:詳しく知りたい「不妊検査」と「不妊治療」

<連載>『女子のNEW STANDARD』vol.6:詳しく知りたい「不妊検査」と「不妊治療」

こんにちは、日刊ぱーぷる編集デスクの松本です。
この連載は私が女性のカラダやその悩みについてテーマを決めてを毎月皆さんにお伝えしていくもので、その「知識」を持っていることで、より楽しい未来を描いてもらえればと思っています。

前回は、どういうものが「不妊」の原因になるかについて、詳しくお伝えいたしました。今回は「不妊検査」や「不妊治療」は具体的にどういったことを行うのか、実際にクリニックで「不妊治療」に携われている奈良市の中登美ヶ丘で「すぎはら婦人科」の院長を務める杉原研吾先生に詳しくお話を伺いました。

<連載>『女子のNEW STANDARD』vol.6:詳しく知りたい「不妊検査」と「不妊治療」

「すぎはら婦人科」 杉原研吾先生

前回の記事はこちらから vol.5:20代から意識したい「不妊治療」


vol.5:20代から意識したい「不妊治療」

「不妊治療」はどんな検査ステップで進むの?


<連載>『女子のNEW STANDARD』vol.6:詳しく知りたい「不妊検査」と「不妊治療」

松本:前回は「不妊」になる原因について教えていただきましたが、実際、病院ではどんな検査や治療を行うのかお話いただきたいと思います。初めに「不妊治療」を目的として病院に行くと、どういった検査があるのでしょうか?

杉原先生:まずは医師から自覚症状がないか、既往歴の確認等行うために問診を行います。この問診から患者さんの状態を推測できることが多くありますので、この問診は欠かすことはできません。

松本:前回のお話でも過去にかかった病気などが「不妊」の原因になるとありました。そういったことをまずは確認されるのですね。問診の後はどのような検査がありますか?

杉原先生:超音波検査を含めた内診を行います。そこで膣、子宮、卵巣の状態、子宮内膜症や子宮筋腫など、妊娠を妨げる障害がないか診察します。次に卵子の成長、排卵に関わるホルモン値を調べるために、血液検査を行うのが一般的です。ただ、急に内診だったり、血液検査を行うとなればびっくりされる方も多いでしょう。当院では先にスケジュールや検査費用などをお伝えした上で、ご納得いただいてから検査に進んでいただくようにしています。

松本:そうですね。内診も含めて初めての来院だと心の準備ができていない方もいらっしゃるかと思いますので、そのような配慮いただけるのは嬉しいです。また、検査費用でどれくらいかかるのかも、疑問の一つではあるかと思いますので、事前にお話いただけると安心して検査を受けることができます。

必ず受けてもらいたい「AMH(抗ミューラー管ホルモン)検査」


<連載>『女子のNEW STANDARD』vol.6:詳しく知りたい「不妊検査」と「不妊治療」

初回に基礎体温表の持参は必須ではないという杉原先生。まずは病院に行くことが大事です!

松本:最近、不妊治療の検査で「AMH(抗ミューラー管ホルモン)検査」が注目されていると聞いたことがあります。何を調べる検査なのでしょうか?

杉原先生:「AMH(抗ミューラー管ホルモン)検査」とは、採血で卵巣の予備機能を測る非常に重要な検査になります。この検査で卵巣内に残っている卵の数をおおまかに知ることができます。一般的に若い方だとAMHの値が高い(卵の数が多い)のですが、なかには年齢が若いのに値が低い方もいらっしゃいます。また、子宮内膜症やその手術をした方も低いといわれています。AMHの値は治療計画や治療スパンに大きく関係してきますので、できる限り受けてもらいたい検査ですね。

松本:なるほど、若い方でもAMH値が低ければ、早めに治療をステップアップするなどの判断が必要になってくるわけですね。この検査の費用はいくらくらいなのでしょうか?

杉原先生:保険適用外にはなりますが、数千円〜1万円程度で受けることができます。当院では7〜8千円で受けることができます。

男性の検査も女性と同様に大切です


<連載>『女子のNEW STANDARD』vol.6:詳しく知りたい「不妊検査」と「不妊治療」

松本:女性の検査は多岐に渡ることがわかりました。男性の検査はどういったものになるでしょうか?

杉原先生:精液検査をするのが一般的です。当院でも検査は可能ですが、おおよそ4割で精子の異常が見受けられます。最近の傾向としても、異常の発見率は年々増えていますので、とても重要な検査だと思います。

松本:4割は思っているよりも高い割合です!女性だけが心配するのではなく、男性にも「自分に不妊の原因があるかも・・」と意識してもらい、検査を受けてもらうことが大切ですよね。

検査後の具体的な「不妊治療」はこのように進みます


タイミング法


<連載>『女子のNEW STANDARD』vol.6:詳しく知りたい「不妊検査」と「不妊治療」

杉原先生:初診から各種検査で原因を探り、それに応じた治療を行います。まずは「タイミング法」といって、排卵日にあわせて夫婦生活を行う方法が一般的です。月経周期が規則的な方は、それに基づいて排卵日を予測します。通院されている方は排卵日の数日前に超音波検査を行い、卵胞の大きさを調べます。卵胞は一定の大きさになると排卵されるので、超音波検査を行うと排卵日の特定がかなり正確になります。

松本:「タイミング法」は一番オーソドックスな治療方法なのですね。どれくらいの期間行うのでしょうか?

杉原先生:一般的には6ヶ月を目安にしていますが、総合的に判断したり、個人の要望に応じて適切な時期に次のステップに進みます。

人工授精


杉原先生:タイミング法の次の治療ステップとして多いのが「人工授精」です。「人工」という単語が使われているので高度な治療だと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、採取した精子を子宮内に送り込むという非常にシンプルな治療になります。

松本:話を聞く限り、タイミング法とそれほど仕組み的には変わらないような気がします。

杉原先生:そうです、性交渉を行うか、人工的に精子を注入するかの違いですね。男性に勃起障害、射精障害がある場合や、精子の運動率があまりよくない方に向いています。

松本:子宮へ精子を送り込む作業は病院でやってもらうことになるかと思いますが、精子の採取はどのように行いますか?

杉原先生:病院やクリニックによって精子の採り方は異なります。自宅で採取して病院に持ち込む方法と院内で採取する方法があります。

松本:費用はどれくらいなのでしょうか?

杉原先生:こちらも病院によって異なるのですが、1回につき1〜3万程度が多いです。当院では1万9千円で行うとこができます。特に痛みもありません。こちらの治療期間も半年を目安に・・と言ってはいますが、患者さんの意向等考慮して判断していきます。

体外受精・顕微受精


杉原先生:タイミング法、人工授精で授からなかった場合は「体外受精」に進むかどうかを考えます。「体外受精」は受精現象を体外で人工的に行い、受精卵を女性の子宮に移植する方法です。

松本:「体外受精」は一般的な婦人科やクリニックでは治療はできないと聞きます。

杉原先生:当院も「体外受精」の治療からは紹介状を書いて、専門の機関を紹介しています。「体外受精」の治療に入ると、通院頻度も増えたり、治療費もグッと上がりますので、ご家庭内でしっかりと合意を取られた上でステップアップしていただければと思います。

松本:夫婦間でのコンセンサスが一番大事なのですね。また、気になる治療費なども病院によって違うかと思うので事前にリサーチしたり、治療費が高額になることを想定して、お住まいの自治体の不妊治療にかかる助成制度を確認することも必要ですね。

思い立った時が病院に行くチャンスです!


<連載>『女子のNEW STANDARD』vol.6:詳しく知りたい「不妊検査」と「不妊治療」

松本:不妊検査や治療で病院を訪れるタイミングですが、目安などはありますか?

杉原先生:避妊せずに1年経っても妊娠しない場合は、病院にご相談いただきたいと思います。年齢が35歳を越えてらっしゃる方の目安は半年と言われています。とはいえ、ご自身が「もしかすると不妊症かもしれない・・」「過去にこういう病気にかかったから妊娠に影響しないか心配・・」だと思われるのであれば、すぐにでも受診することをおすすめします。その目安期間を待つよりも、早く病院にかかることの方がメリットは大きいですので。

松本:思い立ったらまずは病院に行ってみることが大事だと。その上で、治療方法でもおっしゃられていましたが、結局は自分がどうしたいのか、どういうことが不安なのか、ということをしっかりと医師の方の方に伝えて、自分の望む形で検査や治療が受けられるのがベストですね。

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初回に基礎体温表の持参は必須ではないという杉原先生。まずは病院に行くことが大事です!

遠い将来のことではなく、今から未来につながっていること


<連載>『女子のNEW STANDARD』vol.6:詳しく知りたい「不妊検査」と「不妊治療」

「子どもを産む・産まない」という選択は難しく、学生であったり、仕事でキャリアを積みたいと思っている女性にとっては遠い先の話に思えるかもしれません。

しかし、20代の時に「子どもはいらない」と言っていた女性が30・40代になって、焦って妊活を始める、不妊治療の病院に通い出すということは私の周りでもそうですが、往々にしてあることなのです。

もし、その時にすぐに子どもを授かることができなかったり、病院に通っても疾患が見つかりすぐに不妊治療にかかることができなかったり、はたまた年齢的な壁があったりすると、「若い時から知識を持って、しっかりと病院で診てもらえばよかった」となるかもしれません。そう後悔することは悔やんでも悔やみきれないですよね。

歳を重ねても、時を巻き戻すことは不可能です。
現在の自分が、未来の自分へしっかりとバトンを渡せるように、定期的に婦人科に通って、しっかりと自分と向き合う時間を作っていただければと思います!

<連載>『女子のNEW STANDARD』vol.6:詳しく知りたい「不妊検査」と「不妊治療」

お話いただきました 杉原研吾先生


大学卒業後、婦人科、産科医療、高度生殖医療を中心とした最先端の不妊治療に従事し、中登美ヶ丘に婦人科・不妊治療の医院として「すぎはら婦人科」を開業。不妊症から自然妊娠へ可能性を高める卵管を通す手術のFT(卵管鏡下卵管形成術)を当院で延べ1,500件以上行う。

杉原先生が開業されている「すぎはら婦人科」はこのような病院です


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一人ひとりに合わせて、からだに優しい治療を目指します


自然妊娠の大きな妨げとなる卵管通過障害に対し、FT(卵管鏡下卵管形成術)を行える県内唯一の婦人科で不妊治療を専門に行っている。子宮内膜症や子宮筋腫の精密検査、内診が苦手な場合は、クリニックモール内で即日のMRIの検査も可能。常時、検診や月経困難症、PMS、更年期障害などの婦人病にも対応している。

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待合室

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診察室

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内診室

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リカバリールーム

すぎはら婦人科

  • 住所/奈良県 奈良市 中登美ヶ丘6-3-3 リコラス登美ヶ丘A棟3F クリニックモール登美ヶ丘
  • 電話/0742-46-4124
  • 営業時間/平日:<午前>9:30〜12:30 <午後>15:30〜18:30 土曜:<午前>9:30〜12:30 <午後>14:00〜16:00
  • 定休日/水、日、祝日
  • 駐車場/リコラス共用駐車場(第1・第2)260台
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