カフェ鑑賞・見学おでかけ天理市
2020/12/11 01:00

第1回 石上神宮・大和神社・けやき・長岳寺【奈良のつれづれ古都散歩〜ぱーぷる編集部が行く社寺ときどきグルメ〜】

こんにちは!
ぱーぷる編集部が奈良の社寺をめぐる連載がスタートしました!
これから月一でいろんなお寺さんや神社さんをご紹介して行くので、ぜひみなさんチェックしてみてくださいね〜。

今回は天理市にある石上神宮→大和神社→長岳寺と巡ります。
それぞれの移動は車で10分以内。気軽にこうした神社仏閣巡りをできるのが歴史深い奈良のいいところですね!

それでは行ってみましょう〜!

①石上神宮


ここで石上神宮を140字で簡単にご説明。

読み方は「いそのかみ」。独特な形をした祭具用の刀剣「七支刀」が祀られている場所としても有名。大人気漫画「鬼滅の刃」にも似た形のものが登場しています。日本三霊剣の一つである「布都御魂(ふつのみたま)」の御霊威「布都御魂大神」などを祀っており、古代の豪族物部氏の祭祀の場でもあります。

県道51号を南に向かって走っていると、「石上神宮参拝者駐車場」という青い看板が見えてきます。
実はもう一つ反対車線側に駐車場があるのですが、この青い看板がある駐車場からの参道が昔から続くもの。
大きなアスファルトの参道は、県道の整備に合わせて作られた新しいものだそうですよ!

そうとも知らず、民家を横目に見ながら歩いていると程なく鳥居が見えてきました!

大きく、荘厳な鳥居には神聖さを感じずにはいられません。
まずは鳥居をくぐる前に、お邪魔しますの一礼を。
参道の真ん中は神様の歩く道「正中(せいちゅう)」なので、端っこを歩きます。
こうした参道の砂利を音を立てて歩くと神社に来たな〜と感じますね!

さて、まずは拝殿へお参りに・・・と思い歩いていると!

<strong>鶏がたくさん!</strong>

ここ石上神宮では、「古事記」「日本書紀」で神様の使いとされた鶏を50年ほど前から放し飼いしているのです。
その数なんと40羽以上!
鶏は朝の日の入りと同時にけたたましい声で「コケコッコーーー!」と鳴くイメージがありますが、実は一日中鳴いているそう。
昼の眠い時に横で鳴いて、目覚ましに欲しいところですね。

ただ、山々に囲まれ自然豊かな立地にある石上神宮。
イノシシやイタチなどに食べられてしまい、数が減ってしまうことがあるそう。
自然の厳しさをここで感じることになろうとは・・・。

鶏を激写した後は、ついに拝殿へ!
まずはお賽銭を入れて二礼二拍手一礼。
お願いことをしたいところですが、日頃の感謝を神様に伝えます。

気になってる方も多いはず!
ここで石上神宮の御朱印をご紹介します。

他の神社仏閣でもよく見られる、神社名が大きく書かれたものと、
御神宝七支刀が描かれたものの2種類から選ぶことができます。
初穂料はそれぞれ300円と700円。

折角なので、七支刀の方をお願いしました!
日本刀をはじめとした刀剣好きな方は、ぜひこの御朱印の方をゲットしてみてください。

古代において、政治にも活用されていたとされるおみくじ。
神社仏閣を訪れた時は必ずおみくじを引いているなんて方も多いはず。

石上神宮では、筒状のおみくじ(100円)とひよこや鶏の形をしたキュートなおみくじ(500円)があります。
御朱印が描かれるのを待っている間におみくじを引いてみては?

石上神宮は「布留(ふる)山」に囲まれた自然豊かな神宮。
人工的に植えている草花はあまりなく、自然に生えているものがほとんだそう。
杉・ヒノキ・紅葉・イチョウなど秋には美しい紅葉を楽しめます。

2020年には御献木として「御衣黄(ぎょいこう)桜」を新たに植樹したそう。
来年の春に美しい姿を眺めに訪れてはいかがでしょうか?

今回ご紹介したもののほかに、国宝の「摂社 出雲建雄神社拝殿」や重要文化財の「楼門」などもあります。
実際に訪れて、その歴史や文化にふれてみてください!

【ランチ・カフェ】農家カフェ けやき


店先には採れたて野菜や果物がリーズナブルに売られていました。

腹が減ってはなんとやら。
というわけで、ここで石上神宮から徒歩約4分のカフェで昼ごはんをいただきます。

今回お邪魔したのは、『農家カフェ けやき』さん。
読んで字のごとく、農家の方が経営されているカフェです。

店内に入ろうとしたところ、農作業帽子を被られたご婦人が店先に座ってらっしゃいます。
こんにちは〜とお声がけしようと近くへ寄ると・・・

なんとよく見たらカカシ!なぜ?!と疑問に思いつつお店の中へ。

お話を聞くと、お客さんにお店の位置がわかりにくいと言われ、目印にとカカシを置いたそう。
おばあちゃんと呼ばれて親しまれているそうです。

陽の光がいっぱいに入って心地いい♪

店奥へ進むとビニールハウスを使ったスペースがあります。
こんなところも農家ならでは。
ビニールハウスって結構あったかいんですよ。

ピーナッツかぼちゃとレーズンの塩麹炒め

大和まなと豚肉の炒めもの

紫いもとかぼちゃの卵焼き

季節のスペシャルランチ 1,500円(税抜)、ドリンク付 1,700円(税抜)、ドリンク・デザート付 1,900円(税抜)


https://par-ple.jp/

旬の野菜を使ったスペシャルランチ。
店長の岡田さんは少量多品目の野菜や果物を育てており、なかには珍しい野菜も。

取材時のメニューには、甘みがぎゅっと詰まったピーナッツかぼちゃや大和まなを使ったメニューなどが並びます。
グラタンやサラダ、卵焼きなど食感も味もバラエティ豊か。
いろんな味を一度に楽しめるのってうれしいですよね!何よりおいしい!これが一番大事で難しい。それをしっかりやってのけています。お見事!

「野菜を主役に、いろんな形で楽しんでもらえるように考えています。素材の味をとことん味わって欲しいです。」と岡田さん。
一人暮らしの私にとっては、野菜不足は耳が痛い話。
こんな風にいろんな野菜おいしく食べられるのはとってもうれしいですね!

メニューは季節や野菜の収穫状況によって変化するそうです。
一期一会の出会いを舌で感じてみてください。

ランチの他に、デザートなどのカフェメニューもあるので足休めにぴったりのお店です。
石上神宮だけでなく、天理市に立ち寄った時には要チェック!

②大和神社


お腹も膨れたところで次なる目的地「大和神社」へ!
今回も140字でご説明。

読み方は「大和(おおやまと)」。「日本大国魂大神(やまとおおくにたまのおおかみ)」などの神様を祀り、毎年4月1日に行われる「ちゃんちゃん祭り」は春を告げる祭りとされ、人々に親しまれ続けています。戦艦大和には大和神社の御分霊が祀られており、ゆかりの地として多くの人が訪れています。

周りは民家に囲まれ、神社の周りは近所に住んでいると思われる小さなお子さんを連れたお母さんやお年寄りが歩き、生活に溶け込んでいるように感じました。

車を止め、鳥居まで参道を歩きます。
この参道の長さは約270mで、戦艦大和の長さとほぼ同じ。
歩いていると古墳と出会う。こうしたところにもゆかりの地を感じてしまいますね。

大和神社周辺には古墳群があります。
普通に歩いていると見落としてしまいそうですが、2020年7月に案内が立ったことでわかりやすくなったそう。
こういうところも古代の姿を残す奈良ならではの特長ですね。

ちゃんちゃん祭りと氏子たち


宮司さんと氏子の森口さんに大和神社についてお話をうかがいました。

生まれも育ちもこの周辺のお二人。
自然に囲まれ、都会の喧騒もない静かな神社が大好き。
戦国時代の戦火や明治時代の廃仏毀釈など大きな時代のうねりを生き残ってきた大和神社は、常に氏子の協力によって守られてきました。

平成30年に重要無形文化財に指定された「ちゃんちゃん祭り」は、600年以上もの歴史を誇ります。
一度聞いたら忘れないユニークな名前の由来は、神護寺の僧侶が寺の鉦鼓(しょうこ)と呼ばれる打楽器を「ちゃんちゃん」と打ち鳴らして神輿を迎えたことが由来なんだとか。親しみを感じてしまうエピソードですね。

神宮寺であったとされる長岳寺の住職も加わり、神輿の御渡りが行われるこの祭りは現在4月1日に行われており、春を告げる祭りとされています。
これに対し、年の最後を締めくくるお祭りはご存知「春日若宮おん祭」で、
「祭りはじめはちゃんちゃん祭、祭りおさめはおん祭」と歌い親しまれているそう。

2020年は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、断腸の思いで縮小。
「来年はまた御渡り式を実施し、露店と人で賑わうお祭りにしたい」と話してくれました。

戦艦大和ゆかりの地


遣唐使の派遣時には、航海の安全を祈願されていた大和神社。
昔から多くの人々が「必ずここ(日本)へ帰ってくると」祈ったはず。
こうした航海の無事を祈願されてきたことも、戦艦大和の御神体に選ばれた理由の一つだったのでしょうね。

太平洋戦争時、戦艦大和は極秘裏に使われたため、当時の宮司さんは戦艦大和に大和神社の御神体が祀られていることを知らなかったそうです。
現在は展示室に戦艦大和の模型や平和を願う大絵馬などが飾られています。
社務所では戦艦大和の形を模した土鈴があるので、ファンの方はマストバイですよ!

大和神社の御朱印(300円)

「最強」と書かれたお守りはスポーツマンや運を強くしたい方など、いろいろな最強になりたい方におすすめ。
かわいらしい三角みくじをはじめとしたおみくじがあります。

大和神社内には、メタセコイア・ヒノキ・スギ・クスノキなどの樹々や、
水仙・芙蓉・紫陽花などの花々が植えられています。
季節の移り変わりと一緒に植物も楽しんでみてください。

人々によって守られてきた伝統や文化。
静かな大和神社にいると仕事せずにここにいたい〜!と思わずにはいられませんでした。
そうも言っていられないのが悲しい現実。

お次は大和神社の神宮寺でもある長岳寺へ!

③長岳寺


最後の目的地である長岳寺。
またまた140字で簡単にご説明。

824年淳和天皇の勅願により空海が大和神社の神宮寺として創建した古刹で、高野山真言宗。仏像や建築物が重要文化財として指定されています。なかでも鐘楼門は、日本最古の鐘楼門として平安時代に創設された当時の姿を今に残しています。毎年秋には狩野山楽が描いたとされる大地獄絵が展示されています。

春夏秋冬を楽しみたい花の寺


取材時は曇り・・・晴れだと青空が映えてより美しいようです。

駐車場から降りてすぐに出迎えてくれる大門は、1640年に再建されたもの。

大門を潜ると平戸ツツジなどの植物が出迎えてくれます。残念ながら取材時は晩秋。
美しく咲き誇る平戸ツツジは4月下旬〜5月上旬が見頃。その時にまた訪れてみたいと思います。

取材時は紅葉やカエデなどが美しく咲き誇っていました。
紅葉は「全国紅葉100選」にも選ばれており、オススメスポットは本堂縁側から放生池を眺めた時の景色。
池に映った逆さ紅葉は感嘆の声をもらしてしまうことでしょう。

春にはツツジの他にも桜・カキツバタ・モクレン。
夏には紫陽花・酔芙蓉。
冬にはヤブ椿など12,000坪(甲子園球場約2.5個分!)の境内に美しく咲き誇ります。

猫好き必見!運がよければ猫様と出会えます!


猫さまがいらっしゃいました!!!
実家では5匹の猫と同居させていただいていた猫好きとしては、大変夢のような時間。

住職の北川さんに聞くと、飼い猫の他に数匹の野良猫が住み着いているそう。
今回姿を見せてくれた子は、なかでも臆病な子だそう。
ミャーミャーと泣きながら逃げて行きましたが、その後ろ姿さえ可愛らしく、夢のような時間でした・・・。

触らせてくれる猫もいるそうですが、ストレスをかけないように気をつけてあげてくださいね!

受付でお寺や見所の説明を聞き、室町時代の書院造りのを残す重要文化財・旧地蔵院。
旧地蔵院本堂には普賢延命菩薩(ふげんえんめいぼさつ)を本尊とする庫裏(くり)の持仏堂があります。
細かな透かし彫りの欄間などに注目です。
地蔵院奥では、そうめんや抹茶をいただけます。
歴史あるお寺で腹を満たし、足休めできるのはうれしいですね。

※庫裏(くり)とは、住職さんやその家族の居住空間。
※日常的に礼拝する仏像を安置する場所のこと。

地蔵院を出る時、なんと・・・!

猫さまがいらっしゃいました!!!
実家では5匹の猫と同居させていただいていた猫好きとしては、大変夢のような時間。

住職の北川さんに聞くと、飼い猫の他に数匹の野良猫が住み着いているそう。
今回姿を見せてくれた子は、なかでも臆病な子だそう。
ミャーミャーと泣きながら逃げて行きましたが、その後ろ姿さえ可愛らしく、夢のような時間でした・・・。

触らせてくれる猫もいるそうですが、ストレスをかけないように気をつけてあげてくださいね!

歴史の色を残す大門と大仏様たち


先にご説明した通り、鐘楼門は平安時代に創建された当時の姿を残します。
鐘をつくための鐘楼と門が一体化しているので、門をくぐった後は上を向いてよく見てみてください。

本堂におられる「阿弥陀三尊」は重要文化財。
中尊の阿弥陀如来と左右に控える観世音菩薩、勢至菩薩(せいしぼさつ)の三尊は長岳寺の本尊。
阿弥陀如来は、末法の世である1052年以降に生まれた私たちをも救ってくださる仏様とされ、観世音菩薩は慈悲の分身であり、勢至菩薩は知恵の分身とされています。
「玉眼」が確認されている仏像としては日本最古のものです。
玉眼とは目をより本物に近づけるため水晶を使っており、鎌倉時代には一般的に使われはじめた技法です。

私は幼い頃地元の住職さんに
「仏像さまを見るときは足元から頭へ向かってじっくり眺めて、最後に目をしっかり眺めてから手を合わせなさい」と言われて育ちました。
どの仏像さまを拝むときも、しっかり目を見るのですが、特に阿弥陀如来さまは見つめられているような心地を感じました。いつもは猫背の私もピシッと背筋を伸ばさずにはいられませんでした。

毎年10月〜11月には期間限定で狩野山楽が描いたとされる地獄絵が展示されています。
仏教において、人が亡くなった後には
・天道(てんどう)・人間道・修羅道(しゅらどう)・畜生道・餓鬼道(がきどう)・地獄道
以上の六道に行くとされています。どこに行くかは現世の行い次第。
惨たらしく描かれた畜生道や地獄道を見ると、悪いことはできないなと改めて思うはず。
秋以外はレプリカを展示しているので、ぜひその迫力を目にしてみてください。

ちなみにこの地獄絵は過去に盗難の目に遭ったそうです。
現在は長岳寺の元へ帰ってきましたが、盗難犯はこの地獄絵を見て何か思うところはなかったのでしょうか・・・。

御朱印(300円)

御朱印は入山時に受け付けてくれます。

猫好き・仏像好き・歴史好きはぜひその目で、耳で長岳寺の魅力にふれてみてください!

https://par-ple.jp/gourmet/?area%5B%5D=tenri

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