2025/01/28 18:05
ぱーぷる編集部(喜畑恵太)
『奈良先端大』と『奈良県立医大』がタッグ!『MSTeC NARA』設立で第2、第3のノーベル賞受賞者・山中教授誕生を期待
『奈良先端科学技術大学院大学』と『奈良県立医科大学』が手を取り合い、医療の未来を創る!
「MSTeC NARA(エムステック)」設立で、医工連携がさらに深化。AIやデータサイエンスを活用した医療イノベーションの推進が期待される。
医工連携が深化! 奈良先端大と奈良県立医大が「MSTeC NARA」を設立
『奈良先端科学技術大学院大学』と『奈良県立医科大学』は、このたび、地域医療の革新を目指して、一般社団法人奈良先端医工科学連携機構を設立した。
英語表記は『Medical Science and Technology Collaboration NARA』で、略称は『MSTeC NARA(エムステック)』。
本法人の設立は、2009年に両大学が締結した包括連携協定をさらに超えて、医工連携の成果をさらに発展させる上で、重要な一歩であると言える。
知事・両大学長が集結! 新組織『MSTeC NARA』設立会見
2025年1月27日(月)に、会見が行われ、両大学の学長である塩﨑一裕氏(奈良先端科学技術大学院大学)、細井裕司氏(奈良県立医科大学)、奈良県知事の山下真氏などが参加。
『MSTeC NARA』の代表理事には塩﨑氏、副代表理事には細井氏が就任する。
大学等連携推進法人とは?
今後は両大学が「大学等連携推進法人」として、連携していく。
「大学等連携推進法人」とは、2つ以上の大学等の設置者を社員とする一般社団法人で、それらの大学の連携の推進を目的とするのものとして、文部科学大臣の認定を受けたもの。
連携の例としては、連携開設科目、共同教育課程、共同FD・SD研修、産学連携窓口の共同設置、教育研究施設の共同利用、物品の共同調達、合同イベントなど。
具体例としては、『奈良先端科学技術大学院大学』で開発した医療器具を、いち早く『奈良県立医科大学』で臨床実験できたりするメリットがある。
山下知事はこの連携に対して
「奈良県は産業が弱いという課題があります。医療工学が研究の分野だけにとどまらず、産業化も奈良を拠点に発展することになれば、奈良県の強化にもつながると期待しています。」
と語った。
文部科学省から認可が下りた場合のメリット
『MSTeC NARA』は、大学等連携推進法人として文部科学省に認定を申請。
3月中には認可される予定。
認可されると、例えば一方の大学で行われているAという授業が、「連携開設科目」として認められるため、もう一方の大学の生徒がAという授業を履修科目として受けることが可能となる。
国立大学である『奈良先端科学技術大学院大学』と、公立大学である『奈良県立医科大学』で同じ授業を履修科目として受けることができるのは極めて異例なことである。
「工学×医療」で未来を創る!両大学が描くウェルビーイング社会
塩﨑代表理事は会見で
「バイオサイエンスは元より、AI、データサイエンス、さらには医療材料開発などの急速な進展を、医学、医療にタイムリーに実装していくということは、個人そして社会のウェルビーイングに貢献するという両大学のミッション実現に繋がる取り組みというふうに考えております。」
と語った。
細井副代表理事は
「私の個人的な希望ですが、東京女子医大と早稲田大学が共同大学院を作っています。今すぐではないにしろ、こういう発想のもとにより近づいていく、そしてより成果が上がるようなものを持っていきたいと思います。」
と語った。
まとめ
「ノーベル生理学・医学賞」を受賞した山中伸弥教授は、奈良先端科学技術大学院大学の助教授時代に、iPS細胞の基礎的な研究を始められたそう。
第2、第3の山中教授が『MSTeC NARA』から誕生することに期待したい。