2024/04/19 21:00
ぱーぷる編集部(松石)
大学発!ラーメンで世界を変える?!宇宙へ届けるラーメン愛『麺の下の力持ち』(大阪・吹田市)
今回ご紹介するのは、大阪・吹田市役所の地下一階で営業をスタートした『麺の下の力持ち』というラーメン店だ。
実はこの店、大和大学の学生と学内の研究室がプロジェクトの一環として立ち上げた店舗。
大和大学といえば大阪・吹田市に門を構える大学であるが、その運営は奈良に本拠を置く『西大和学園』だ。
奈良 ・大和で培われた『西大和学園』の探究の精神が、ラーメンどんぶりの中でどのように花開くのだろうか?
『麺の下の力持ち』看板メニュー
「背脂煮干しラーメン」 800円(税込み)
スープは、醤油ベースに煮干しの旨味がしっかり乗った煮干し中華そば系のスープ。
麺は塩分を抑えた優しい味わいで、あっさりした醤油ベースとよく合う。
大きめに裁断された背脂と玉ねぎが、塩味の角を丸くしてくれるので、最後の一滴までスープの旨味を味わうことができる。
昔ながらの中華そばをベースに、麺のチョイス、背脂のトッピング方法など現代的なスタイルも取り入れたこのラーメンは幅広い世代に受け入れられそうだ。
麺は京都の製麺メーカー『麺屋 棣鄂(ていがく)』の中太麺を採用。200種類以上から厳選された麺は中太麺独特のもっちりとした食感を残しつつ、歯切れがよい。
大きく裁断された背脂は臭みがなく、仕込みの丁寧さがうかがえる。
環境問題に対応する「すいたぶるラーメン」
前述の通り、『麺の下の力持ち』は学生と大学の研究室が研究プロジェクトの一環として立ち上げた店舗だ。
もちろん、この店で出されるラーメンもただのラーメンというわけではない。
だしに使われている煮干しは、サイズなどの問題で市場出荷規格から外れたいわゆる「雑魚(ざこ)」と呼ばれる未利用魚。
スープに浮かぶ玉ねぎは淡路島産だが、こちらも規格外品を使用している。
『麺の下の力持ち』では、このラーメンを「すいたぶるラーメン」(英語の「suit able:スイタブル=適した」と「吹田=すいた」をもじったネーミング)と名付けて、SNSメディアや地域イベントへの出店などで発信してきた。
現在の社会状況・環境条件にして適合した素材選びを行なうことで、食の持続可能性を提示している。
『大和大学 社会学部SDG研究室』×ガンダム×ラーメン
『大和大学社会学部SDG研究推進室』は、同学の社会学部内に設立された研究室。
その名の示す通り「持続可能な社会」の実現に向けた課題解決をテーマとした研究室である。
現在、『大和大学社会学部SDG研究推進室』では、バンダイ・ナムコが主催する『GOI(ガンダムオープンイノベーション)』というプロジェクトに参画しており、ガンダムシリーズの舞台である宇宙移民時代を見据え、環境問題など様々な社会課題の解決に取り組んでいる。
今回の『麺の下の力持ち』出店に際しても、同プロジェクトの一環として『大和大学社会学部SDG研究推進室』がバックアップを行なっている。
憧れを現実に<大和大学社会学部4年 永井琉太さん>
大和大学社会学部SDG研究推進室のラーメンユニットとしてスタートした『麺の下の力持ち』。
小難しい経緯・背景を色々書き並べはしたものの、実店舗出店までの一番の原動力となったのは、店舗マネージャーの永井琉太さん(大和大学社会学部4年 写真右)をはじめとするユニットメンバーの熱意だろう。
永井さんは飲食店でのアルバイト経験は一切ないものの、ラーメンに対する情熱を武器に独学でラーメン作りを研究。
ゼミメンバーや教授、生産者、製麺所など多くの関係者の協力を得ながら今回の出店に漕ぎつけた。
同大学入学以前からラーメン作りへの憧れを募らせていた永井さん。
その情熱は『SDG研究推進室』の教授たちをも突き動かし、外部企業と連携したプロジェクトの研究テーマの一つとして取り上げられるまでに。
原動力は想いの強さ
社会、環境、経済など人を取り巻くざまざまな事象は刻々と変化を続け、我々はその時々での適切(suit able スイタブル)な対応を迫られる。
しかしながらその変化の中でも、時代を動かしていくのは今も昔も人の熱意であり想いの強さだ。
今回は1年間限定での出店ということなので、ぜひ今のうちにこの熱い想いのこもったラーメンを召し上がっていただきたい。
試食した教授が思わず口にした感想「完汁(かんじる)やで」。皆様もぜひ熱い想いを感じるスープを完汁して(飲み干して)下さい。
吹田市役所の食堂区画内での1年間の期間限定出店。取材時は学生以外にも市役所の一般来庁者も多く訪れていた。
『麺の下の力持ち』の公式インスタグラムはコチラ!(営業時間などはコチラを参照のこと)
『麺の下の力持ち』(吹田市役所内地下一階)のgoogleマップはコチラ!