2024/03/15 12:05
ぱーぷる編集部
【奈良県】うまい酒がここにある!奈良の酒蔵に聞いた「これが蔵自慢の定番の酒!」12選
清酒発祥の地である奈良県。
奈良の酒蔵に、各蔵の歴史とこだわりの詰まった蔵自慢の「定番の日本酒」を聞いてみた。
多くのファンに愛されるうまい酒、ここにあり!
各酒蔵自慢の「定番」の日本酒はこれ!
【株式会社北岡本店】吉野の地でつくる、吉野杉で仕上げた「たる酒」
八咫烏 純米樽酒 たる樽 720ml 1,187円(税抜)
世界遺産「桜の吉野山」の麓、奈良県吉野郡吉野町にある老舗の酒蔵『株式会社北岡本店(きたおかほんてん)』。銘木「吉野杉」に囲まれた場所に蔵があり、吉野杉で仕上げた「たる酒」も古くから造っている看板酒。
「八咫烏 純米樽酒 たる樽」は北岡本店伝統のクラシカルな純米酒の原酒を吉野杉の4斗樽に肌添え(貯蔵・熟成)することで杉の香りを移した酒。
肌添え期間は、平均で約一週間。貯蔵する杉樽のロットや、樽酒の製造時期によって香りの付き方が異なる為、香味のバランスを考えて毎回期間を調整し、ブレンドしている。
辛口ながらも米の旨みが感じられる純米酒に杉の香りの清涼感が加わり、最終調整としてアルコール度数を14度まで加水処理することでスッキリと飲みやすい樽酒に仕上がっている。
しっかりと冷やすことで爽やかな樽の香りと軽快な飲み心地、温く燗を付けると樽の香りがブーストする。キリっと辛口な味は料理の旨みを引き出し、樽の香りは天ぷら等の揚げ物料理の香ばしさとも相性抜群!
【倉本酒造株式会社】自家田の酒米と裏山の山水で醸す酒
純米酒 倉本 クランジ 720ml 1,760円(税込)
奈良県奈良市にある『倉本酒造株式会社(くらもとしゅぞうかぶしきがいしゃ)』。1871年の創業から今日に至るまで、標高約500mの厳冬の地・都祁(つげ)で地の利を活かした酒造りを行っている。
「酒造りは米作りから」の考えの下、寒暖差の大きいこの地で良質な稲を育て、代々大切に手入れしてきた裏山の山水を使用し低温でゆっくりと醸した「純米酒 倉本 クランジ」。
「クランジ」とは蔵の地を醸している事を意味する。
口に含むと少しフルーティな香りを楽しめ、酸味が後口をすっきりさせてくれる。
【河合酒造株式会社】祝いの席にもってこいの酒
本醸造原酒出世男 720ml 1,419円(税込)
中世の町並みが今も残る橿原市今井町で約280年余の歴史を持つ酒蔵『河合酒造株式会社(かわいしゅぞうかぶしきがいしゃ)』。
代表銘柄「出世男」はその縁起の良い名は慶びの日に最適と、祝いの酒としても多くの場で選ばれている。
中でも一番人気は本醸造酒。
本醸造で18度とアルコール度数は高めだが、その飲み口は意外に柔らか。
原酒ならではのボディ感とふくらみのある味わいが特徴。
食事にもよく合い、冷~ぬる燗、夏はロックで飲むのもおすすめ!
【長龍酒造株式会社】日本初、元祖「瓶詰め樽酒」
吉野杉の樽酒 720ml 1,364円
北葛城郡広陵町にある『長龍酒造株式会社(ちょうりょうしゅぞうかぶしきがいしゃ)』は1963年に創業。昇道無窮極(良い酒造りを目指す道に終わりはない)を社是に掲げる。
長龍酒造の看板酒「吉野杉の樽酒」は日本初、元祖「瓶詰め樽酒」。
酒樽材として最高と言われる、奈良県吉野産の樽丸を使用した四斗樽で樽添えをしている。
清澄な杉香の広がりの中に、ほのかに感じられる甘みと杉樽に由来する「コク」と「旨み」の絶妙なバランスが特長。
樽酒の先駆者として、長年培った樽添え技術と、樽材への「こだわり」が生み出す「樽酒の極み」を楽しんで。
【澤田酒造株式会社】「旨味、コク、香り」の三拍子が揃う酒
歓喜光 純米 蔵原酒(くらきじ)720ml・1,650円(税込)
奈良県の中西部、奈良盆地の西端にある酒蔵『澤田酒造株式会社(さわだしゅぞうかぶしきがいしゃ)』。創業は江戸時代末期の1830年。
澤田酒造の定番酒「歓喜光 純米 蔵原酒(くらきじ)」は旨味、コク、香りの三拍子が揃った生粋の純米原酒。
今流行りのフルーティな感じではなく、サワークリームやヨーグルトなどのまろやかで酸味のある香りとアーモンドのような甘い香りが特徴。
穀物特有の苦味がほんのり感じられ、奥行きのある旨味とふくよかな甘味が細やかな酸味によりバランスよくまとまっている。
ロック・冷や・常温・燗、どの温度帯でも一年を通じて楽しんでいただけるので、季節の贈り物として、また日々の晩酌のお酒としてもピッタリ。
燗にするなら、ふくらみのある味わいになる「ぬる燗」(40℃)から「上燗」(45℃)がオススメ!
「全国燗酒コンテスト」プレミアム燗酒部門で2021年、2022年に金賞を受賞しているのもだてではない。
【美吉野醸造株式会社】水酛でしか出せない「発酵感」を味わう
花巴(はなともえ) 水酛 火入 720ml 1,650円(税込)
奈良吉野で豊かな自然の恩恵を受け、1912年の創業より「風土に寄り添い、人の心に感銘を与え、腑に落ちる酒」をモットーに酒造りを行っている『美吉野醸造株式会社(みよしのじょうぞうかぶしきがいしゃ)』。
美吉野醸造自慢の定番酒は「花巴(はなともえ)水酛 火入」。
水酛(みずもと)は室町時代の僧侶が創醸した、生米を水に漬け乳酸菌を生み出す製法を基に醸したお酒。まるでヨーグルトやチーズを思わせる、まさに発酵を感じるニュアンスがある。腐敗、発酵、醸造に対して先入観という垣根のない時代の酒造りだからこそ出せる味わいだ。
水酛の初期工程でつくる「そやし水」は、9月下旬の気候により繁殖する乳酸菌や微生物が左右されるため、毎年異なるニュアンスを含み香(ふくみか)の奥に秘めている。上立ち香(うわだちか)はいつものヨーグルトやチーズを思わせる雰囲気なのに、奥には怪しげなニュアンスが潜む。それこそが水酛の魅力。
水酛でしか出せない「発酵感」を引出せる唯一の仕込みであることから、お酒の味わいに対しての「あたりまえ」を優先せず、より水酛らしさを引き出すことを心がけて醸造した酒。
【菊司醸造株式会社】松尾芭蕉の句から命名された人気酒
くらがり越え 純米酒 720ml 1,177円(税込)
大阪と奈良を結ぶ奈良街道の宿場町であった小瀬(おぜ)の地で、江戸時代の1705年(宝永2年)に初代藤兵衛が酒造業を始めてから創業300年以上の歴史をもつ『菊司醸造株式会社(きくつかさじょうぞうかぶしきがいしゃ)』。
昔から受け継がれきた菊司の伝統で、上槽は機械は使わず、昔ながらの「ふね」で、圧を控えて優しくじっくり搾る。そして仕上がるのが雑味のないキレのいい菊司の酒。
生駒土産としても人気の定番酒「くらがり越え 純米酒」は、松尾芭蕉が「菊の香に くらがり登る 節句かな」と詠んだ古道・奈良街道の暗峠(くらがりとうげ)から命名。
すっきりとした辛口純米で、どんな料理の邪魔もしない。おすすめの呑み方はぬる燗。
【梅乃宿酒造株式会社】香味を楽しむ、ちょっとした贅沢な純米吟醸
梅乃宿 純米吟醸 720ml 1,540円(税込)
奈良県葛城市で1893年創醸の『梅乃宿酒造株式会社(うめのやどしゅぞうかぶしきがいしゃ)』。近年は日本酒リキュール「梅乃宿あらごしシリーズ」が大ヒットし、幅広い層に親しまれている。
そんな梅乃宿酒造の定番酒は「梅乃宿 純米吟醸」。
酒銘の「梅乃宿」は旧蔵の庭にある樹齢約300年の梅の古木に鶯が飛来し、その風雅なさえずりを楽しませてくれることにちなんでいるという。
香味を楽しむ、ちょっとした贅沢な純米吟醸。
穏やかな香りと爽やかでキレのある軽やかな味わいが特徴の逸品。
冷酒、又は常温で楽しむのがおすすめ。
【株式会社今西清兵衛商店】世界10数ヵ国で愛飲されている酒
春鹿 純米超辛口 720ml 1,793円(税込)
東大寺や興福寺などの世界遺産にほど近く、昔の風情を残す奈良町で1884年より酒造業を営む『株式会社今西清兵衛商店(いまにしせいべいしょうてん)』。
酒銘の由来は「春日の神々が鹿に乗って奈良の地へやってきた」
という伝説から「春日神鹿(かすがしんろく)」と名付け後に「春鹿(はるしか)」に改め今日に至っている。
定番酒は世界10数ヵ国で愛飲されている春鹿の代表銘柄「春鹿 純米超辛口」。
伝統ある技術が生んだ究極の辛口酒。
見事に調和したコクとキレは、白身魚やイカのお刺身などと相性抜群!
【稲田酒造合名会社】天理市産「吟の里」を高精白し醸造
黒松稲天 大吟醸 720ml 3,300円
自然豊かな天理の地で、明治10年創業より土地の水、土地の米、土地の人にこだわる清酒を醸す『稲田酒造合名会社(いなだしゅぞうごうめいがいしゃ)』。
その土地の酒米で大吟醸を造りたいという想いの下、奈良県天理市産「吟の里」を高精白し醸造したのが「黒松稲天 大吟醸」。
しっかりとした酸が味わいを引き締め、吟醸特有の透明感が際立つ逸品。
香りは穏やかだが、しっかりとエキス感もあり、冷酒だけではなく、ぬる燗でもおすすめできるお酒。
【今西酒造株式会社】三輪で360有余年醸す酒「みむろ杉」の代表作
みむろ杉 ろまんシリーズ 純米吟醸 山田錦 1.8L 3,300円(税込)、720ml 1,760円(税込)
古来より「酒の神様」「醸造の祖神」として信仰されている、日本最古神社・大神神社の お膝元で創業1660年より酒造りを営む『今西酒造株式会社(いまにししゅぞうかぶしきがいしゃ)』。
「三輪を飲む」をコンセプトに、三輪で360有余年醸す酒「みむろ杉」。
その代表作が「みむろ杉 ろまんシリーズ 純米吟醸 山田錦」。
香りはフレッシュで爽やかなラムネのような吟醸香。
口当たりは瑞々しく、シャープで綺麗な酸。
そしてジューシーな旨みとエキス。
程よくボリューム感がありつつも、雑味の少ないクリアな透明感のある純米吟醸酒。
【久保本家酒造株式会社】正統派生酛造りの蔵がつくるにごり酒
生酛のどぶ 720ml 1,870円(税込)
日本書紀に阿騎野の里と記されたこの歴史ある大宇陀の地で、300年以上もの長きにわたり酒造りを営む酒蔵『久保本家酒造株式会社(くぼほんけしゅぞうかぶしきがいしゃ)』。
日本でも数少ない正統派生酛(きもと)造りを手がけている久保本家酒造で蔵人が時間も手間もかけて醸すにごり酒「生酛のどぶ」。
生酛純米酒のもろみをあら越ししただけなので、瓶の中にはお米がたっぷり。
見た目からは少し甘い酒を想像してしまうが、その切れ味は折り紙付き。
切れ味ともろみのまろやかさが合わさり、旨さは格別だ。
コクがあるのに清涼感もあわせもつこの酒は、翌日の目覚めもスッキリ。ぜひ試してみて。