2023/11/30 07:00
ぱーぷる編集部
vol.20 こどもの発達について(相談Q&A) 【連載】気になるこどもの病気 「こころ」と「からだ」|たけつな小児科クリニック|生駒市
うちの子、言葉が遅いみたい…コミュニケーションが苦手かも…と、こどもの成長や発達に心配はつきません。
心配しすぎ?いや、でも…の繰り返しで不安な気持ちを抱えている親ごさんも多いと思います。
今回は、奈良県生駒市の児童発達支援、放課後等デイサービスのこども発達サポート『のびいく』の代表も務める『たけつな小児科クリニック』の院長・竹綱先生に、実際の相談の声にお答えいただきました。
同じ悩みを抱えていらっしゃる方は、ぜひ参考になさってくださいね。
Q1. 言葉が遅いです。同じ年のお子さんが上手にお話しているのを聞くと落ち込みます。(3歳)
3歳前後の言葉の発達には個人差があり、3歳になった直後で家族からの指示が通っていたり、「パパ、きた」などの2語文が話せていれば心配しなくても大丈夫です。
実際、私の娘も2歳9か月まで全く言葉を発しませんでしたが、中学3年生になった今、同級生と問題なく話しています。
3歳までに単語が数語しか話せていない、家族からの指示が通らないなどの状態であれば小児科に相談してみてください。
Q2. 偏食で、野菜を全く食べません。普段からこだわりも強いほうですが、発達障がいと関係あるのでしょうか。(7歳)
偏食だけでは発達障がいがあるとは言えません。発達障がいの一つである自閉症スペクトラムではこだわりが強いことが特徴となりますが、食事以外の日常生活でこだわりが強くなかったり、園や学校の集団行動ができていれば性格の範囲内とも考えられるため、様子を見ていただいても差し支えないと思います。
実際、私も野菜が嫌いでほぼ食べません。今は忙しいのもあり、ほぼパンしか食べないので完全に偏食です(苦笑)
Q3. 大人とはコミュニケーションがとれるのですが、同じぐらいの年の子とコミュニケーションをとるのが苦手で、幼稚園に行きたがりません。このようなことにも療育は効果がありますか。(5歳)
大人とコミュニケーションがとれているということであれば、意思の疎通ができていると認識して問題ないと思います。
同年代の子どもとのコミュニケーションについては、現在の環境も影響すると考えられます。
具体的にいうと、一人っ子など周囲に大人しかいない環境では、同年代の子どもと会話するときや自分の意志を発言する前に大人がサポートしてしまうことでコミュニケーションが取りづらくなることもあります。
このような場合には、療育に行くことより、バレエ教室やサッカー教室、吹奏楽や合唱などの子どもの興味のあるコミュニティでコミュニケーションを取ることで、同年代の子どもとのかかわり方がわかり、幼稚園に行きやすくなることも考えられます。
Q4. 人の話を聞くのが苦手で、自分の話したいことを急に話したりするので会話にならないことがよくあります。(6歳)
発達の問題と性格の問題に関してはグレーゾーンが広いため、一概に話を聞かない=発達障がいとは言えないと思います。
ただし、会話を遮って話し出したり、集団行動の際に自分のしたいことをするなどの行動が見られた場合には発達障がいも視野に入れる必要があるため、心配な行動があれば小児科で相談してみてください。
Q5. 親から見て発達グレーかなと思っても、子どもが全く気付いていない、困っていない場合は様子を見たほうがいいのでしょうか。(5歳)
子ども自身が困っていない場合でも、まわりの友達の生活に制限がかかっている場合では今後の友達関係に不具合がある場合もあります。
人が生活をする上では、発達の問題に加え、性格の問題、家庭環境の問題もあります。私もそうですが家族では子どもを客観的に評価できない場合があります。
日常生活では、園や学校の先生が同年代の子どもとの比較もでき、子どもを客観的に評価できるため、園の先生や学校の先生からの指摘があった場合には小児科へ受診し、相談してもらったほうがよいかと思います。
Q6.子どもの発達に不安を感じたら、親はどのように行動すべきでしょうか。(3歳)
私の子どもも2歳9か月まで発語がなく不安になったこともあります。先ほどもお話ししたように家族は子どもを客観的に評価することが難しいため、家庭外の環境で適応ができているのかを確認することが大切です。園や学校の先生に適応ができているのかを確認し、何か指摘があれば小児科に相談していただければと思います。
院長・竹綱先生
院長である竹綱先生は常に全力で子どもたちと向き合い、「子どもたちを守るために小児科医として自分にできることは何か」を日々追求している。
午前診から午後診の間も休むことなく、竹綱先生が運営している向かいの『病児保育室 バンビ』の診察や、子ども発達サポート『のびいく』に顔を出す。
月に1度発行されるA4サイズのおたよりには、
片面には季節に応じた子どもの病気やトラブル、もう片面には先生のプライベートな話が。
くすっと笑えるありのままの文章に、飾らない竹綱先生の人柄が表れている。
そんな先生の一生懸命な姿に、子どもたち、親御さんから厚い信頼が寄せられている。
【竹綱先生著書】「行列のできる子ども健康相談室 0~10歳児の病気とケガのおうちケア」
たけつな小児科クリニック
- 住所/奈良県 生駒市真弓 1丁目2-8
- 電話/0743-71-0929
- 営業時間/ <午前診>9:00〜12:00
<専門外来>14:00〜16:00
<午後診>17:00〜19:30
備考/※木曜の午後診は16:30〜18:30
- 定休日/日 その他休業日/土曜日の午後診察
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