2022/12/20 07:00
ぱーぷる
奈良の江戸時代。当時の暮らしを体感できる『今井まちや館』【今井まちや館|橿原市】
奈良県橿原市にある、江戸時代の町並みが残る情緒あふれる『今井町』。
多くの古民家が現存している『今井町』は、伝統的建造物群が全体として意匠的に優秀なものとして「重要伝統的建造物群保存地区」として登録されている。
その中でも、本町筋の中央部に位置する『今井まちや館』。
18世紀初期頃の町家を解体修理し、当時の姿を復元されている。
現在は、江戸時代の町家の様子を体感できる施設として無料で開放されている。
上下に開閉する木製の扉。お店だったため、現代でいう「シャッター」と同じ役割をしていた。
東側には「通り土間」、北側には「しもみせ」があり、金物屋だった『今井まちや館』。
当時一般的だった「2列6室型」といわれる基本的な構造をもつ建物である。
特徴①帳台構え
主人の部屋、また夫婦の寝室となる「帳台構え」。
少し高くなっており「敷居が高い」の語源であることも想像できる。
特徴②突止溝(つきどめみぞ)
現代の襖溝は全て溝を通しているが、この溝は長さが順々に延ばして彫られている。
はっきりした理由は分からないが、防犯のためとも考えられる。
特徴③あげ戸
現代ではカーテンと同じような働きのもの。
紐を引っ張ると、板が上下に開閉し、窓の光を遮ることができる。
特徴④煙出し
字のごとく、煙を出すための窓だ。
高い屋根へと抜けていく。
特徴⑤つし2階
「つし」とは物置部屋のことを意味する。天井は低く、ちょっとした使用人の部屋として使える程度。
また上から下をのぞくことができない仕様になっており、
「士農工商の意味も込められ、上から下を見下ろせないようになっているのでは」
と、案内人の方が話してくれた。
つし2階へと上るはしご
特徴⑥釜戸
当時の暮らしが目に浮かぶ「一口釜戸」。
連子格子が今井町の町並みを一層風情あるものに。
連子格子や虫籠窓(むしこまど)、本瓦葺がより当時の歴史を映し出す。
『今井まちや館』には案内人が常駐しており、丁寧に当時の暮らしや建物について話してくれる。
実際に畳みやつし2階へも上がることができるので、より当時の暮らしを感じることができる。
今井町の散策には必ず訪れてほしい場所だ。
今井まちや館
- 住所/ 奈良県橿原市今井町3丁目1-22
- 電話/0744-22-1287
- 営業時間/ 9:00~17:00
備考/12:00~13:00は閉館
- 定休日/年末年始(12月25日~1月5日)
- 駐車場/なし