2022/08/18 07:00
ぱーぷる
戦前の古きよきものを現代に。アンティーク家具【グリーンベアーズカンパニー|広陵町】
奈良県北葛城郡広陵町にある日本のアンティーク家具を扱うお店『グリーンベアーズカンパ二ー』。
この地に移転してきて1年だが、『グリーンベアーズカンパニー』は2022年10月で10周年を迎える。
これまで広陵町や斑鳩町近辺でお店の成長とともに移転を繰り返してきた。
1階にはお花屋さんと、観葉植物専門店が入っており、この建物の名が『アンティークビル』というだけに、3店舗とも落ち着いた雰囲気で統一されている。
『グリーンベアーズカンパニー』は大正~昭和初期に使われていた日本の家具が多く、オーナーの永原さん自ら関西各地個人のおうちから直接仕入れてきている。
永原さんは、「捨てられるかもしれない日本の文化を未来に繋げたい。」という思いで、新しい商品との出会いを楽しみにいつも買い付けに行っている。
家具一つひとつにそれぞれのストーリーがあり、永原さんの手によって綺麗に息を吹き込まれた商品は次の時代へと大事に繋がれる。
入り口を入り2階へ。
広い店内には、数々のチェストやテーブル、雑貨や食器までセンス良くディスプレイされ、ノスタルジックな空間が広がっている。
楢(なら)材が使われた家具が多い。落ち着いた色で木目も上品。
大正から昭和初期は、海外の文化が多く日本に入ってきた時代。
ここにある家具は、当時日本のおうちで実際に使われていたものばかり。
海外のデザインを取り入れた、いわば、オマージュといえる家具たちは、日本人の生活に合わせた使いやすい作りとなっている。
アンティークといえど、どんなおうちにも合わせられる和洋折衷なデザインが多い。
また、アンティークの奥深さはデザインだけでなく、使われている材料からも感じることができる。
例えば、木材は今では使われていないような桜やカツラといったものや、中には聞いたことのないもので作られていることもあるとか。
色合いや木目など木によって違い、時とともにそれぞれの深みを増していく。
さらに、ガラスはゆらゆらガラスが使われていたりもする。
今のような高度な製造技術ではなかったゆえにできる、平らにはならない自然な歪みが生じている。
「そのきちっとしてないところに温かさや人間味を感じる。」と永原さんはアンティークの魅力を語ってくれた。
仕入れた家具はお客さんがそのまますぐに使えるよう、メンテナンスをして店頭に並べる。
仕上げ方は、家具一つひとつ素材に合わせて変えているという。
肌ざわりや木目の良さを生かすため、上から塗る塗料は植物性の油やロウが入ったものを使うのがこだわり。
そうすることで、それぞれの風情をそのまま残すことができる。
ブックスタンドやベンチなど在庫がいくつかあるものも。使い勝手がよさそうなシンプルなデザイン。
昔のものも、今らしい使い方を
実はこの下の花台のようにも見える台は、扇風機の台として使われていたもの。
現代では、花台やスイーツを置いたりと活用方法もありそうだ。
さらに、上の花瓶のようにも見えるガラスの器は、なんとハエ取り。
だけど、うまく使えば照明のシェードとして、ろうそくを真ん中に置いてキャンドルスタンドとしてもかたちになりそう。
こうした今では使い道がないだろうと、古民家に眠っているものはたくさんあるだろう。
だけど、どうか捨てずにいて欲しい。
物を大事にしていきたいと永原さんは話していた。
オールドノリタケのティーカップセット。とても薄く繊細なデザイン
中にはイギリスの家具も。あくまでこれも日本のおうちで使われていたもの。
現代の暮らしにもオシャレに馴染む「和」テイスト
ファンも多いこの時代のお皿。食卓を品よく彩ってくれる。
情緒溢れるシェード。玄関先や庭先のワンポイントに。
今まで100年以上使われてきたものが、これからまた100年使われるかもしれない。
昔の日本人の暮らしに思いを馳せながら、大切に使っていきたい。
お目当てのものを求め、県外から足を運ぶ人も多く、この地だからこそできる良心的な価格設定も嬉しい。
遠くからでもわざわざ訪れる価値が、このお店にはある。
グリーンベアーズカンパニー
- 住所/奈良県 北葛城郡広陵町三吉38-2奈良アンティークビル2F
- 電話/0745-27-6182
- 営業時間/11:00~18:00
- 定休日/木、金
- 駐車場/4台(臨時駐車場あり)