2022/03/12 19:46
ぱーぷる編集部(喜畑恵太)
【奈良NEVER LAND】コロナ禍だから得た物も ライブハウスの現状を聞いた
左:ブッキング担当の奥田怜央奈さん 右:店長の岩城智和さん
2020年3月、東京のライブハウスでコロナウイルスの感染者が複数人確認された。
これを受け専門家はライブハウスを「地域を越えて感染を広げる危険性が高い」として指摘した。
あれから2年が経つ。
奈良県を代表するライブハウスといえば『奈良NEVER LAND』。
店長の岩城智和さん、ブッキング担当の奥田怜央奈さんに現状を伺った。
地元のお客さんが増えた
2020年4月、貸し切りのイベントがなくなったり、イベントの6組中5組がキャンセルになったりし、月のイベントがいったんは中止。
その後は何とかライブハウス主催のイベントを2本行うのがやっとだった。
約半年後の9月くらいから5、6本とイベントが戻り始めたが、そこからも苦戦が続いたという。
1年半ほどこのような状態が続いたが、今年1月はコロナ前と同じ約20本のイベントが行えた。
この間にお客さんの変化もあったそう。
「新しいお客さんが増えました。前まではいろいろな所から来てくれてたんですが、今は地元で遊ぶ人が増えたので、奈良県内からのお客さんが大半ですね。」
バンドマンにも被害が
東京のライブハウスでクラスターが発生し、ライブハウスを「悪の巣窟」と言わんばかりに世間は騒ぎ立てた。
このような状況をライブハウスの店長、ブッキング担当者としてどう見ていたかの質問に
「ライブハウスは元々『悪』ですからね笑。わざわざ人を集めて、声を出してもらう場所なので。ただ、これを悪とするほど簡単な問題ではないです。やはりどの角度から見るからだと思います。」
バンドマンには直接被害があった人もいたそう。
生活のためにアルバイトをしている人が多いが、コロナが始まってからはバイト先で「〇〇君はバンドやっているからね~。」という嫌味にも聞こえる言葉や、感染者が増え始めた際には「ツアーに行くなら帰ってきてからは当分出勤しないで。」といった言葉を言われたそう。
元々、生活のためにアルバイトをしているバンドマンにとってはかなり厳しい環境だった。
音楽業界にも変化があり
「やはり世の中のライブハウスはキャパが約半分になったのでチケット代は上がりましたね。ただ、うちは店主催のイベントは2000円で上げないようにしています。今から頑張って売れようとするバンドさん達の場なので。」
コロナ禍で新たに始めたこと
併設のバーも
コロナ禍になり、新たに始めたことはキッチンスペースを作りフードを作っての配達。
また、グッズ販売をしたりとライブ以外のことを精力的に始めた。
これが意外に好調で
「始めてすぐに昔からのお客さんが助けてくれました。応援してくれる方々のおかげで、今はいろいろなノウハウがたまっていきましたね。」
また、カメラチームは無観客配信ライブの影響もあり、撮影技術の腕が上がりミュージックビデオを制作できるまでに成長。
「コロナがなければこんなに頑張らなかったですね笑」
コロナ禍とうまく向き合い、
最後に奥田さんに奈良県の方々へのメッセージをいただいた。
「一度遊びにきてほしいですね。思ったよりオープンな場所なので。飲食だけできるスペースもありますし。音楽好きな人と話ができるいい場所だと思います。僕たちもいろいろな人と話したいのでぜひ遊びに来てください!」
数少ない奈良県のライブハウス。
老舗の灯が消えてしまうと奈良の音楽シーンが絶えてしまうといっても過言ではない。
みんな笑顔で観客パンパンの『ネバラン』が戻ってくるその日を心待ちにしたい。
LiveHouse NARA NEVERLAND(奈良ネバーランド)
- 住所/奈良県 奈良市法華寺町 122-1
- 電話/0742-36-2431
- 営業時間/イベントに準じて営業
- 定休日/無
- 駐車場/無(近隣に有料Pあり)