2021/10/25 07:00
ぱーぷる
【NEWS】平安時代の貴族も食べた、古代のスイーツを作っちゃおう!
「うつほ物語」の「からくだもの」(かもがわ出版提供)
「源氏物語」の「つばきもち」(かもがわ出版提供)
贅を尽くした超高級料理、ごくありふれた朝食のトーストとコーヒー、架空の食材を使った謎の食事・・・。
物語に出てくる料理ってとても美味しそうに感じること、ありませんか?
この度、奈良女子大学協力研究員の前川 佳代さん・宍戸 香美さんが「古典がおいしい!平安時代のスイーツ(かもがわ出版)」を出版。
その名の通り平安時代のスイーツが載っているのですが、ただ紹介しているだけではないのです。
(かもがわ出版提供)
「源氏物語」の「ふずく」(かもがわ出版提供)
「枕草子」や「源氏物語」、「今昔物語」など平安時代に著された作品に登場するスイーツを、エピソードやレシピと共に掲載。
食材はすぐに手に入るものだから、誰でも気軽にチャレンジできます。
著者の宍戸 香美さん(左)と前川 佳代さん(右)
「古代の人々って特に変わったものを食べていたわけではなくて、今ある食材とそれほど変わらないものを食べていたんです。
生きていた人々の姿や生活を、食事を通じて、感じて欲しい。」
教科書で学ぶ、どこか遠い存在の人たちと同じものを食べることで、歴史を身近に感じられるはず。
食を通して歴史を学んで欲しいと、歴食を勧める前川さんの想いが込められています。
甘葛煎のレシピも掲載!
平安時代は今のように、砂糖のような甘味料が手に入りませんでした。
そんな時代よりも前から作られていた、幻の甘味料「甘葛煎(あまづらせん)」。
冬季にツタの茎から樹液を取り出し、煮詰めたもので、2011年の再現プロジェクトでは100ccの甘葛煎を完成させるのに、大人約30人で丸一日かかったそうです。
ツタの採取
樹液採取
煮詰めて完成!
奈良県奈良市の長屋王邸跡から「甘葛」と記載された木簡が発見されているのが、最古の資料となっています。
他にも「枕草子」に清少納言がかき氷にかけるシロップとして書き残していたり、戦国時代には大名への贈答品として使われていたりと高級食材であったことがわかります。
毎年行われている甘葛煎再現プロジェクトは奈良だけにとどまらず、前川さん・宍戸さんらにより全国へと広がり続けています。
こうした経験を経て、今回「古典がおいしい!平安時代のスイーツ」が完成されました。
「枕草子」の「べいだん」(かもがわ出版提供)
「今昔物語集」の「いもがゆ」(かもがわ出版提供)
「レシピはもちろんなんですが、スイーツが登場する物語について、小学生でもわかるように説明するのが難しかったです。
おかげで、お子さんでもわかりやすい内容となっているので、ぜひいろんな世代の人に読んで欲しいですね。」と宍戸さん。
クレープのような「べいだん」や、芥川 龍之介の小説にも出てくる「いもがゆ」など、親しみやすいものが多い平安スイーツ。
昔学んだ作品に出てきたスイーツを、おうち時間が増える今、ぜひ作ってみてはいかがでしょうか?