2021/06/30 01:00
ぱーぷる編集部(松本温実)
<連載>『女子のNEW STANDARD』vol.3:月経前も憂鬱・・「月経前症候群(PMS)」で悩む女性が増えています
こんにちは、日刊ぱーぷる編集デスクの松本です。
この連載は私が女性のカラダやその悩みについてテーマを決めてを毎月皆さんにお伝えしていくもので、その「知識」を持っていることで、より楽しい未来を描いてもらえればと思っています。
今回は、月経前に心やからだの不調をきたす「月経前症候群(PMS)」という病気についてクローズアップします。
月経中はひどくお腹が痛い・・頭痛やイライラにも悩まされる・・という女性は少なくないかと思います。また、そういったことも世間で広く知られるようになってきました。
しかし月経中じゃなく、月経前にツライ、しんどい・・という方もいるのです。それが「月経前症候群(PMS)」。もしかすると、「月経中じゃないから我慢しないといけない」、「どう治療するのがわからない」と悩まれている方もいらっしゃるかもしれません。
この「月経前症候群(PMS)」について、専門的な見地から奈良市の中登美ヶ丘で「すぎはら婦人科」の院長を務める杉原研吾先生に詳しくお話を伺いました。
「すぎはら婦人科」 杉原研吾先生
前回の記事はこちらから<vol.2>:女性のみなさん、子宮頸がん検診受けていますか?
「月経前症候群(premenstrual syndrome:PMS)」とは?
杉原先生:月経前、3~10日の間続く精神的、身体的症状で、月経開始とともに軽快、消失するものをいいます。
松本:その期間にどんな症状が現れるのでしょうか?
杉原先生:イライラするなど怒りっぽくなったり、のぼせや下腹痛、腰痛、頭痛、乳房痛、落ち着きがない、憂鬱などの症状が出てきます。
その原因はなんでしょうか?
松本:症状をお聞きすると、月経中と同じような不快な症状が現れるのですね。なぜこういった症状が出現するのでしょうか?
杉原先生:原因ははっきりとはわかっていませんが、女性ホルモンの変動が関わっていると考えられています。排卵がある女性の場合、排卵から月経までの期間にエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)というホルモンが分泌されます。この期間の後半に両ホルモンが急激に低下し、脳内のホルモンや神経伝達物質の異常を引き起こすことが、原因と考えられています。
松本:女性ホルモンが関わっているということで、「自分に当てはまる症状だ」と思われる方は心配に思うかもしれませんね。
松本:ホルモンバランスが不安定でなるといわれている生理不順などと関係していたりするのでしょうか?
杉原先生:ホルモンのバランスが崩れているから前述のような症状が現れるのでは、とお考えの方もいるかと思いますが、実際は逆なのです。
ホルモンがしっかりと出ているからこそ、現れる症状なのです。
松本:それは意外です!ホルモンバランスが悪いから不快な症状が現れていると思っている方はきっと多いと思います。
症状が強く現れる時期や年齢などは?
杉原先生:20歳以降の女性に多い印象です。この年齢時は女性としてホルモンバランスが安定してくる時期なのでそれも影響しているのかもしれません。また、40歳から更年期にかけて多いとも言われています。
松本:20歳頃というと女性が初めて就職したり、社会に出たりとライフイベントでも転機の時期ですね。
杉原先生:また、精神的葛藤や社会的に不安状態があると発症しやすく、現在のコロナ禍で受診が増えているように感じます。
松本:精神的な不安定にも影響されると。今、そういった症状が出ていらっしゃらない方も、今後ストレスフルな状況が続くと、発現する可能性はあるかもしれませんね。
病院を受診するタイミングは?
松本:月経中の症状じゃないからと受診を躊躇している方もいるかもしれません。病院を受診する目安はありますか?
杉原先生:学校に行けない、出勤がするのがツライなど、日常生活に支障が出ている方は、一度婦人科を受診してみてください。ツライと思う状況は個人の感覚で構いません。症状や状態を正確に把握することで、適切な治療が受けられるようになります。
松本:そう言っていただけると安心です!我慢せずに、まずは気軽に婦人科を受診するようにしてみたいです。
次回は「PMS(月経前症候群)」の具体的な治療方法について、取り上げます。
お話いただきました 杉原研吾先生
大学卒業後、婦人科、産科医療、高度生殖医療を中心とした最先端の不妊治療に従事し、中登美ヶ丘に婦人科・不妊治療の医院として「すぎはら婦人科」を開業。不妊症から自然妊娠へ可能性を高める卵管を通す手術のFT(卵管鏡下卵管形成術)を当院で延べ1,500件以上行う。
杉原先生が開業されている「すぎはら婦人科」はこのような病院です
一人ひとりに合わせて、からだに優しい治療を目指します
自然妊娠の大きな妨げとなる卵管通過障害に対し、FT(卵管鏡下卵管形成術)を行える県内唯一の婦人科で不妊治療を専門に行っている。子宮内膜症や子宮筋腫の精密検査、内診が苦手な場合は、クリニックモール内で即日のMRIの検査も可能。常時、検診や月経困難症、PMS、更年期障害などの婦人病にも対応している。
待合室
診察室
内診室
リカバリールーム
すぎはら婦人科
- 住所/奈良県 奈良市 中登美ヶ丘6-3-3 リコラス登美ヶ丘A棟3F クリニックモール登美ヶ丘
- 電話/0742-46-4124
- 営業時間/平日:<午前>9:30〜12:30 <午後>15:30〜18:30 土曜:<午前>9:30〜12:30 <午後>14:00〜16:00
- 定休日/水、日、祝日
- 駐車場/リコラス共用駐車場(第1・第2)260台