2025/12/26 13:27
ぱーぷる編集部
移住を選びたくなる理由がここにある 平群町子育て座談会
奈良県北西部に位置する平群町。
自然が身近にありながら、日々の暮らしに必要な施設が揃う“ちょうど良いまち”として、近年は子育て世代から注目を集めています。今回は、平群町子育て支援センターのイベント「焼き芋体験」に参加された他市・他府県から平群町に移住し子育てをしている4名のママに、暮らしてみて感じたリアルな魅力を語っていただきました。
◇座談会参加者◇(左から)
向坂さん
3人家族。大阪市から移住して3年目。
松原さん
3人家族。大阪市から移住して10年目。
ハンプソンさん
3人家族。生駒市から移住して6年目。
濱田さん
3人家族。神戸市から移住して8年目。
町全体で支えてくれる安心感がある
ーまず初めに、平群町で子育てをしていて良いと感じる点を教えてください
ハンプソンさん:子育て支援センターのサービスがとても充実していることがありがたいです。特に、ベビーベッドやチャイルドシートなどを長期間レンタルできるのは本当に助かります。種類もたくさんあるので、実際に試してみて、自分たちに合うものを選べます。初めての子育てだったので“買ってみたけど合わなかったらどうしよう”という不安があったんですが、支援センターに行けば実物を触って試せるので、安心して選べました。
松原さん:子育て支援センターやプリズムへぐりでのイベントが定期的に開催されていて、人とのつながりが自然に生まれるところが気に入っています。私は大阪から移住してきて、最初は知り合いが一人もいませんでした。でも、イベントに参加しているうちに同年代のママたちと顔を合わせる機会が増えて、“次はあの人いるかな?”と楽しみになるようになりました。少しずつ会話が増えて、気がつけば友達ができていました。
濱田さん:公園が多くて、子どもを連れていく場所に困りません。遊具もきれいで種類が多く、広々としたスペースでのびのび遊べます。子どもがまだ小さいので一緒に遊ぶというより見守っている時間が多いのですが、成長したら遊具で一緒に遊ぶことが今から楽しみです。外遊びが好きな家庭にはとても良い環境だと思います。
生活の利便性が高くてストレスが少ない
ー平群町に暮らしてみて便利だと思うところはどこですか?
向坂さん:意外なほど飲食店が充実しています。子どもが小さいと、どこでも外食できるわけではありませんが、国道168号沿いには飲食チェーン店がまとまっていて、気軽に利用できます。ベビーカーや子ども用の椅子があるお店も多いので、“外食しづらい時期”でも助かっています。
ハンプソンさん:スーパーやドラッグストア、ホームセンターなど、生活に必要な店舗が揃っています。特に最近オープンした24時間営業のスーパーは品数も多くて便利ですし、大型スーパーや薬局、ホームセンターなどが近くにあるので、食材から日用品、子ども用品まで同じ生活圏で完結できます。子育て中は買い物の時間も限られているので、この便利さは大きいです。
松原さん:医療面の充実は平群町の強みだと思います。大型の総合病院が近くにあり、クリニックも多いです。内科で小児を診てもらえるところもあって、急な発熱などのときにすぐ対応してもらえるのが助かります。高校生まで医療費無償という制度もあり、子どもが小さい家庭には本当に心強い環境です。
寄り添ってくれる場所があるから心が折れない
ー日頃の子育ての中で、子育て支援センターはどのような存在になっていますか?
濱田さん:先生たちがとても優しくて、親身に話を聞いてくれるので安心して相談できます。子育てしていると不安になることも多いですが、先生に聞いてもらうだけで気持ちが軽くなることがあります。“先生に会いたいから行く”という日もあるくらい、気持ちを支えてくれる場所です。
松原さん:毎月の子育て講座が魅力です。平群町はそれほど大きな町ではないので、その分子ども一人ひとりを丁寧に見てもらえる実感があります。子どもの性格や成長に合わせて声をかけてくれたり、気になる点を共有してくれたりするので、安心して通えます。先生たちとの距離が近いのも魅力です。
ハンプソンさん:同年代の子どもの集まりが多いのも、とてもありがたいです。うちの子は3月生まれで、同じ学年の子どもと比べるとできることに差があり、そのことが不安でした。でも、先生たちが“個性だから大丈夫だよ”と寄り添ってくれるので安心できました。子ども同士が同じ遊びを楽しめるようになり、成長を一緒に喜んでくれることが嬉しいです。
不安だった“人との距離”も自然と近づく
ー平群町への移住前の不安と、住んでみてからの違いはありましたか?
向坂さん:誰も知り合いのいない状態での移住だったので、正直なところ不安でした。今住んでいる地域は昔から住んでいる方が多く、新しく入ってきた私たち家族がなじめるのか心配していました。でも、引っ越してすぐにご近所さんが気さくに声をかけてくれて、距離を縮めてくれました。子どもにも“また大きくなったね”と声をかけてくれて、とても温かい雰囲気です。
ハンプソンさん:私は生駒市からの移住だったので、ある程度知り合いがいる環境でしたが、夫が海外出身で日本語が話せないことが心配でした。言葉が通じないことで距離を感じるのでは…と思っていましたが、ご近所の方々は本当に優しく、すぐに受け入れてくれました。今では野菜をお裾分けしてもらったり、お庭で話したり、とても良い関係です。
自然の豊かさと生活の利便性、子育てのしやすさが調和している平群町
ーこれから平群町に移住を考えている人におすすめできる魅力を教えてください
向坂さん:自然が近くにありながら、生活に必要なお店がそろっていてバランスの良い暮らしができます。大阪へ電車通勤していますが、電車の本数も1時間に3~4本程度あり不便に感じることもなく、窓から見える景色がきれいで毎朝の楽しみになっています。
濱田さん:近隣県と比べても子育て支援制度がとても充実しています。車があればさらに便利ですが、なくても電車ですぐに大阪へ行けるので困ることはありません。何よりも、人が温かいので子育てしやすい環境だと思います。
松原さん:子育て支援センターで頂ける子ども服やおもちゃ、子育て用品は家計の助けになります。子どもが小さい時期は何かと出費が多いので、こうした支援は本当にありがたいです。
ハンプソンさん:生活コストが低いのも魅力です。土地代が近隣地域に比べて安いので広い庭のある家を持つことができました。家族で庭で遊んだり、休日にはバーベキューをしたり、子どもがのびのび過ごす姿を見られるのが嬉しいですね。
空き家を活用して“平群での暮らし”を実現するチャンス
ー空き家バンク制度はご存じですか(平群町役場職員)
ハンプソンさん:聞いたことがありません。
向坂さん:私も知らなくて、どんな制度なのか気になります!
平群町役場職員:平群町には現在、約500件の空き家があります。空き家を活用してほしい所有者の方と、平群町内で物件を探している方をつなぐ制度が「空き家バンク」です。登録されている物件の中から条件に合う家を見つけることができ、お得に住まい探しができます。
松原さん:こんなに便利でお得な制度があるとは知りませんでした。平群町への移住を考えている人に、ぜひ教えてあげたいです。
「空き家バンク」の制度利用者の声
■空き家バンクで土地を購入したAさん
夫婦で居住・平群町に住みはじめて32年
ーなぜ、空き家バンクの活用を?
不動産の登録物件が少なかったので、町の空き家バンクも登録し、並行して探したことがきっかけです!
ー実際に空き家に住んでみて?
家からの景色が緑いっぱいで、朝起きた時の開放感がお気に入りです。ご近所づきあいも良い人ばかりで住みやすく、空き家バンクならではの、前の所有者からお話も聞けたことで、人柄もわかり、安心して購入を決めました!
「空き家バンク」の制度紹介
空き家の売却・賃貸を希望する所有者等の方々から物件登録を受け、お住まいをお探しの方々を対象に空き家情報を町が発信する制度です。
ホームページ等の媒体を通して広く情報発信し、その物件を利用し居住・定住を希望される方へ情報提供を行います。空き家の間取りや室内の様子を写真や動画で確認できます。
取材日のイベントについて
取材日のこの日は、年に1回のお楽しみ行事「焼き芋体験」がありました。
会場となった旧平群町立平群西小学校の運動場には、朝早くから“焼き芋”を心待ちにする子どもたちが続々と集合。開始前からすでに賑やかな声が響きわたり、会場全体が温かい空気に包まれていました。
イベントが始まると、落ち葉を焚き火へ投入。勢いよく白い煙が上がると、「わあー!」「すごい!」と歓声が上がり、子どもたちの表情は一気に笑顔に。秋ならではの体験に、目を輝かせながら参加していました。
焼き芋ができあがるまでの待ち時間には、親子で一緒に楽しむふれあい体操や、運動場でのびのびと遊び、子どもたちは元気いっぱい走り回ったり、友達と交流して、どの子も思い切り体を動かしていました。
そして、お楽しみの焼き芋が完成すると、子どもたちは手に持った瞬間から興味津々。湯気の立つホクホクの焼き芋をほおばり、「あまい!」「おいしい!」と満面の笑みを浮かべていました。元気いっぱい遊んだあとのごほうびの味は格別で、おかわりする子どもたちの姿も見られました。
地域の温かさと自然の恵みを感じられるこのイベントは、平群町ならではの“季節の楽しみ”。親子でゆったりと過ごしながら、思い出に残るひと時となりました。
