2025/11/05 07:00
ぱーぷる編集部
静寂に包まれた二種の日本庭園に色づく紅葉の美【依水園|奈良市】
国の文化財として名勝に指定されている奈良県奈良市の中心部にある『依水園』。
東大寺と興福寺の間に位置していながらも周りから隔絶され、静謐を保つ美しい日本庭園として知られる。
奈良を代表する池泉回遊式庭園で、江戸前期の「前園」、明治期の「後園」と、二つの時代の様式で造られた景観を楽しむことができる。
どちらの庭園も四季を通して見ごたえがあるが、紅葉の時期の美しさは格別。
江戸前期の庭園としてつくられた「前園」
入口のすぐ右手に位置する「前園」は、周りから隔絶されたつくりの空間。
水音さえ聞くことのできる静けさと、鮮やかに色づいたイロハモミジの取り合わせは、江戸文化人の卓越した美的感覚を今に伝えてくれる。
明治期に築かれた「後園」
「後園」は、若草山、春日奥山、隣接する東大寺南大門を借景とし、池に映る花木や、はるかに広がる空までも取り込んだ開放的な空間。
美しく色づいたドウダンツツジやイロハモミジが池に映り込む光景は見ものだ。
紅葉の見頃予想
例年、ドウダンツツジの紅葉見頃は10月末~11月中旬頃、イロハモミジの紅葉見頃は11月初旬~12月初旬頃となっている。
前園内の「三秀亭(さんしゅうてい)」では美しい庭園を眺めながら食事や抹茶をいただくこともできる。
静かでゆったりとした時が流れる『名勝 依水園』で、美しい日本の美に酔いしれる1日を過ごしてみてはいかが。
寧楽美術館では企画展や特別陳列も開催
園内に併設されている「寧楽(ねいらく)美術館」では、2025年12月24日(水)までの期間、企画展『令和7年 中国・朝鮮半島・日本の美をもとめて-後期-』を開催中。
館蔵品の中から中国、朝鮮半島、日本の美術品・工芸品を通して、三国の美を感じられる企画展となっている。
『亦復一楽帖』、『黄金茶碗』といった寧楽美術館を代表する作品をはじめ、古代から近代までの多岐にわたる館蔵品が楽しめるほか、今夏に修理を終えたばかりの中国古鏡も公開される。
紅葉とともに、日本の文化や芸術を堪能しよう。
名勝依水園・寧楽美術館
●住所
奈良県奈良市水門町74
●入園料(寧楽美術館含む)
一般 1,200 円、高校生・大学生 500 円、小・中学生 300 円
●開園時間
9:30~16:30(入園は16:00まで)
●休園日
火曜(ただし、祝日の場合は開園、翌平日に休園)
●駐車場
無
●アクセス
近鉄奈良駅より、徒歩約15分(東大寺西隣)
