2025/08/12 11:55
ぱーぷる編集部
【天理参考館】天理市で「こけし」の魅力をさぐる企画展開催【こけしⅡ―遠刈田と土湯・中ノ沢―】
天理大学附属天理参考館にて、2025年7月23日(水)~9月8日(月)の期間で、企画展「こけしⅡ―遠刈田と土湯・中ノ沢―」 を開催中。

遠刈田系こけし 昭和10年代 (天理大学附属天理参考館 所蔵)
東日本大震災から14年。今回の展覧会は、古来豊かな文化を育んできた東北地方の地域の復興を祈念して、「こけし」を取りあげている。
東北地方の伝統的玩具「こけし」
こけしは、最近では家にあるのは珍しいかもしれないが、誰しも一度は見たり手に取ったりしたことがあるのではないだろうか。
そもそも「こけし」とは、豊かな森林資源を有する東北地方を代表する木の郷土玩具。頭と胴のみというシンプルな形状で、顔や胴の模様は手描きで描かれている。その起源には諸説あるが、江戸時代に木地師(きじし)が湯治場のみやげものに作ったのが始まりではないかとされている。
東北6県に分布する産地ごとに伝統的な約束事があり、形や描彩に特徴がある。それぞれの特徴を、師弟間で継承されてきた技法や産地特有の技法のつながりで分けて、現在では12系統に分類されている。

土湯系こけし 昭和10年代 (天理大学附属天理参考館 所蔵)
作品ごとの個性を感じて
天理参考館で開催するこけし展は今回で2回目となるが、前回の「こけし」展ではともに宮城県の系統である鳴子系と弥治郎系が紹介された。
そして今回の「こけしⅡ」では、宮城県の遠刈田系と福島県の土湯系、中ノ沢系に光を当て、それぞれの特徴を比較しながらその魅力を探る。
系統毎に特徴的な胴模様でも、師匠と弟子の筆致の違いや、作り手自身の経年によるモチーフの変化に注目。
また、父子の作風の違い、兄弟の色使いの差、本人の新たな挑戦など、それぞれの作品を比較しながら奥深い世界を読み解いていこう。

中ノ沢系こけし 柿崎文雄作 昭和40年代 (天理大学附属天理参考館 所蔵)
今回の展示では、昭和戦前作を中心に、3系統を代表する魅力的な東北地方のこけしが勢揃いしている。
東北から遠く離れた関西地方の博物館で、屈指のこけし収蔵点数を誇る天理参考館「奈良では」の「天理のこけし」を堪能しよう。
開催概要
●展覧会名
第99回企画展「こけしⅡ―遠刈田と土湯・中ノ沢―」
●会場
天理大学附属天理参考館 3階企画展示室
●会期
2025年7月23日(水)~9月8日(月)
●開館時間
午前9時30分~午後4時30分(入館は午後4時まで)
●休館日
8月5日(火)・8月12日(火)~17日(日)・8月19日(火)・9月2日(火)
●入館料
大人500円、団体(20名以上)400円、小中高生300円(学校団体の見学は無料、要事前申込)
※障がい者およびその介護者1名は無料。受付カウンターに障がい者手帳等またはミライロIDをご提示下さい。

天理大学附属天理参考館
●住所
奈良県天理市守目堂町250番地
●TEL
0743-63-8414