2025/05/07 11:00
ぱーぷる編集部(松石)
話題の“酒蔵まかないランチ”がリニューアル!創業300年近い老舗酒蔵『中本酒造店』(生駒市)が運営する酒蔵レストラン『作宝楼(さほろう)』

奈良県生駒市の閑静な住宅街の中、一見それとはわからないような場所に立派な木造建築が鎮座する。
こちらは『中本酒造店』。
亨保12年(1727年)に創業した、300年近くの歴史を持つ酒蔵である。
そんな『中本酒造店』が2024年10月、同敷地の建物内に『作宝楼(さほろう)』というレストランをオープン。
メニューはシェフのおまかせの1種類のみながら、そのクオリティーとボリューム、そしてロケーションが人気を博し、県内外からの予約が後を絶たない。
今回はオープン時からのサービス内容を見直し、今後継続的にレストランを運営していくためのリニューアルを行なうということで、取材にお邪魔させていただいた。

醸造蔵や直販所に隣接した母屋をリノベーションしてオープンした『作宝楼』。

重厚な色合いの欄間や柱、さらには“かまど”など歴史を感じさせる誂えはそのまま残されている。

かまどを再利用したカウンターテーブル
リニューアルオープンは25年6月1日から
6月分の予約は5月7日(水)11時より受付がスタート。
これまでの提供メニューはおまかせコース1種類のみだったが、6月以降は2種類のコースから選択可能となる。
内容は以下の通り。
リニューアル後のメニュー内容
・Aコース 5,500円(税込み)
(八寸・魚料理・肉料理・揚げ物・土鍋ご飯・汁物)
・Bコース 3,850円 (税込み)
(八寸・魚料理・肉料理・土鍋ご飯・汁物)
その他、その日のお任せ一品、デザート(450円)、日本酒(600円~)もオプションで追加可能だ。
続いてはそんな作宝楼のお料理をご紹介。
※完全予約制(電話、中本酒造店公式ホームページ、公式LINE、公式Instagramより受け付け)
酒蔵だからこそ提供できる“酒蔵まかないランチ”

こちらのお料理は、杜氏さんや蔵人さんの賄い(まかない)をアレンジした“酒蔵まかないランチ”だ。
日頃、特に秋から冬のシーズンにかけては蔵に寝泊まりするほど忙しくなるという職人さん達。
そんな職人さん達の健康を食で支えるというテーマ性はそのままに、麹(こうじ)の使用や日本酒との相性を前提としたメニュー作りなど、酒蔵ならではの料理の数々が楽しめる。
非常にボリューミーな内容で、お料理一品ごとのお酒のペアリングも可能。
ランチとして提供されるコースではあるが、一般的なレストランのディナーコース以上に満足感を得ることのできる構成となっている。
※お料理内容や使用食材は季節や旬によって変化します。
彩り豊かな八寸

生駒の“ひらひら農園”の白人参やレッドミディレタスや、生駒産のわらび、奈良産のミニ大根など、地元産の採れたて野菜を中心に多くの品目が盛り付けられる。スナップエンドウに添えられているわさび漬けには、山鶴の純米吟醸酒粕をパウダー状にした“糀っ粉(こうじっこ)が混ぜ込まれている。
お野菜の天ぷら

奈良県産の金時人参やこごみなど、旬の食材をサクッと揚げる。前述の“糀っ粉(こうじっこ)”に塩を混ぜたものをつけていただく。
魚料理

つばす柴漬けなめろう。こちらのなめろうにも酒粕の香りを感じる。しっかり脂の載ったツバスに薬味が絡み、非常に優秀な酒のアテとなる。
お肉料理

春菊と糀っ粉(こうじっこ)の水餃子。糀パウダーが上品な味付けの水餃子の風味に奥行きを与える。
椀物

酒粕のお味噌汁は体がふんわりと温もる。お酒を飲んだ後の締めに最適だ。お味噌汁と一緒に土鍋炊きのご飯も出してもらえる。

趣き深いロケーションに滋味あふれるお料理、そして銘酒
アクセントとして随所に糀パウダーや酒粕などが使われており、まさに酒蔵ランチといった構成のコースだ。
また、どのメニューもお酒のアテとしてしっくりくる味付けながら、決して濃くなく、特にお野菜は食材のそのものの味を素直に引き立てる調理がなされている。
今回は機材の関係で車での取材訪問でお料理のみの賞味となったが、一品一品味わいながら、「これは純米」「これは大吟醸」などとマリアージュするお酒を想像させてくれるのも一興だった。
皆様はぜひ老舗酒蔵『中本酒造店』のお酒をゆっくり味わいながら、お料理に舌鼓を打っていただきたい。

作宝楼(さほろう)
●住所/奈良県生駒市上町1067
●電話/0743-78-3805
●営業日/木・金・土
●営業時間/11:30~15:00