2025/04/25 07:00
ぱーぷる編集部(喜畑恵太)
何が変わる?奈良国立博物館が「新奈良博宣言」を発表!130年の歴史と未来への展望
日本で2番目に古い博物館、奈良国立博物館が開館130年を機に「新奈良博宣言」を発表。
奈良の魅力、仏教美術研究、来館者の心を豊かにする博物館を目指す未来像とは?
奈良博、開館130年記念 - 「新奈良博宣言」が示す未来

2025年4月29日、奈良国立博物館(以下、奈良博)は開館130年を迎える。
それに際して4月7日、「新奈良博宣言」を発表した。
今後、奈良博はより多くの人々に愛され、親しまれる博物館となるべく、新たな一歩を踏み出す。

明治28年(1895年)4月29日に誕生した奈良博は、以来130年にわたり、特に南都の歴史ある社寺の協力を得ながら発展してきた。
その伝統を尊重しつつ、次の130年を見据え、これまで以上に親しまれ、愛される博物館を目指す決意を「新奈良博宣言」として発表した。
「新奈良博宣言」概要
※以下は概略のため「新奈良博宣言」本文は、開館130年特設サイトを参照。

1. 「なら」の魅力発信と未来への継承
豊かな自然、歴史、文化を育んできた「なら」の魅力を、広く国内外に発信する。
東大寺、興福寺、春日大社といった歴史的寺社に囲まれ、自然豊かな地に位置する奈良博は、日本文化の揺籃の地であり、歴史・文化・自然が調和する地域である。
文化財の展示・保存はもとより、この地に宿る多彩な魅力を世界に発信し、未来へと確実に継承していく。
2. 仏教美術研究拠点としての貢献
明治開館以来、仏教美術を数多く展示・研究してきた伝統を生かし、仏教美術研究の拠点となる。
仏教美術は日本の歴史・文化の基盤であり、現代においても我々の感性を育む重要な要素である。
異文化を超えて広がる仏教の世界観や精神性、その奥深さを伝える研究拠点として、近隣の寺社や研究機関との連携を強化し、地域や世界の人々の学びへと貢献する。
3. 誰もが「やさしくなれる」場所へ
来館者への親切でていねいな対応はもとより、展示室で作品と向き合い心が穏やかになる、博物館の外に広がる自然や歴史に触れ心が洗われる、そのような体験を提供することを目指す。
「やさしい」博物館を超え、誰もが「やさしくなれる」場所となるために、展示空間や施設整備を充実させ、来館者へのホスピタリティを一層向上させる努力を続ける。
最後に

井上洋一館長は
「『奈良博に行くために、奈良県に行くぞ!』という方が1人でも多く増えることを目指していきたい。」
と力強く語った。

まずは1つの変革として、「なら仏像館」の名称を奈良博の建物であるということをわかりやすくするため、「奈良国立博物館 仏像館」へと名称を変更した。
また、記念ロゴを制定、展覧会も初の試みにチャレンジしていく予定。
奈良博が今後、どう変わっていくか注視していきたい。
