鑑賞・見学おでかけ奈良市
2018/12/05 01:00

Vol.17人気作家・武内祐人さんのギャラリー&ショップ「Ivory (アイボリー)」

Vol.17人気作家・武内祐人さんのギャラリー&ショップ「Ivory (アイボリー)」

人を「笑顔」にしたい。人に「笑顔」を伝えたい
これまでも、そしてこれからも


奈良市学園前。ここには3つの美術館がある。
日本・中国・朝鮮の美術を所蔵する大和文華館、近代日本の洋画・日本画を所蔵する中野美術館、そして近代日本画の女流画家の大家、上村松園とその息子、上村松篁、孫の上村淳之の三代の作品を展示する松伯美術館である。
3つ巡るもほど良い距離だが、今日の目当ては決まっている。

清らかな日本の美に会いに行こう。

ゾウにキリンにシロクマに…眺めるほどに、優しい気持ちで笑ってしまう。それもそのはず、彼らは人を笑顔にするために生まれたものたちだから。

描くのは、人気作家の武内祐人さん。ならまちに自身の作品を展示するギャラリー&ショップと事務所「Ivory (アイボリー)」を構え、ここから全国に「笑顔」を届けている。

Vol.17人気作家・武内祐人さんのギャラリー&ショップ「Ivory (アイボリー)」

大仏さまも、にっこりと。

大人気の奈良土産「大仏プリン」のパッケージもその手が生んだ。

全国の百貨店などで展覧会を開けば大盛況。小学校の教科書表紙や近鉄電車の車両デザイン、曽爾高原ビールのパンダ係長ラベルや豊澤酒造のしろくま部長ラベルなど、企業とのコラボも多い。

絵本も手がければ、病院や幼稚園など施設の壁画イラスト、国内外でのライブペインティングなど、その活動は実に多彩。

ただし、描くテーマはどれも一つ。「笑顔」である。

「描き続けている限り、変わることは絶対にありません」と武内さん。

敷地に入れば、そこからすでに日本画の美の世界に誘われる。
大渕池を泉に見立て、100本以上も植わった松や四季折々の花木の間から水面が見える。

同館は故・佐伯勇近畿日本鉄道(現 近鉄グループホールディングス(株))名誉会長の旧邸宅の敷地内に立ち、日本画鑑賞と合わせて趣のある庭園散策も楽しめる。
ちなみに館長は上村淳之その人で、展覧会ごとに館長による美術講演会もある。





Vol.17人気作家・武内祐人さんのギャラリー&ショップ「Ivory (アイボリー)」

小学生のときから、この仕事をしようと決めていた。

図工が大好きで学級新聞づくりが楽しくて仕方ない。グラフィックとかデザイナーとかそんな言葉を知らなかったので「看板屋さんになろう」と決めた。
看板に描いてそれを仕事にする。なんと楽しい職業だろう。

ちなみに恩師の勧めで高校は普通高校へ進学。超進学校の北野高校である。
元大阪府知事の橋下徹氏は同級生。気心が合う、今に続く仲だそう。

京都市立芸術大学を卒業後、就職を経て独立。年賀状やポストカードの仕事が広がり、壁画も手がけて事務所「Ivory (アイボリー)」を立ち上げる。

Vol.17人気作家・武内祐人さんのギャラリー&ショップ「Ivory (アイボリー)」

変わらぬテーマの思いがさらに深まったのは、個展を開くようになってから。

絵に出会って救われた、癒された、生きる力が湧いてきた。
会場でたくさんの人たちからの声をじかに受け取った。なかには子どもを亡くした親御さんも。「この絵のおかげで今、頑張れています」。

僕の絵が、誰かの頑張る力になるのなら


Vol.17人気作家・武内祐人さんのギャラリー&ショップ「Ivory (アイボリー)」

頑張る人へ。その先には必ず笑顔が待っている。その思いを絵に込めたい

趣味を聞かれたら「お酒と音楽」と答えていたが、「実は展覧会の会場に立つことが、一番の趣味かも知れない」。

「僕は社交的とは言えないし、仕事場で黙々と絵を描いているような人間です。それが声をかけてもらい、多くのものをいただいて、次の作品の力にもなる」。
幸せな連鎖だと思う。

奈良との縁は、1999年。
結婚した女性が奈良の人で、奈良に暮らすように。

奈良で一番好きな場所は「飛火野」。お気に入りの場があり、そこに立つ。
「僕の中で、ものすごく空がいっぱい見える場所なので」。

霜で芝がキラキラ光る早朝もいいし、夜中に寝転んで星空を眺めることも。
作品にも空、雲が多く登場する。

Vol.17人気作家・武内祐人さんのギャラリー&ショップ「Ivory (アイボリー)」

ギャラリー&ショップ「Ivory (アイボリー)」

Vol.17人気作家・武内祐人さんのギャラリー&ショップ「Ivory (アイボリー)」

「Ivory (アイボリー)」店長の谷川さん

現在、ギャラリー&ショップ「Ivory (アイボリー)」は多忙につき、不定期で開店中。

奈良に店を構える理由の一つが「奈良が大好きだから、多くの人に奈良に来てもらいたくて」。
12月は12月13日(木)~16日(日)まで。手描きイラストの鉢植えなどファン待望の品が出るとあって、開店前から行列ができるほど。

年明け1月には妻が営むギャラリー「アートスペース上三条」で展覧会を開くのが恒例だ。
隣室ではこれまで幾度もコラボを重ねてきたフェルト作家、山本亜希さんの個展も同時開催。
互いにリスペクトしあう2人が何を生み出すか。期間は1月8日(火)~13(日)を予定する。

この先も「何か新しい表現が見つかれば」と願う。
立体の作家とコラボしたり、ライプペインティングでピアニストと組んでみたり、ジャンルの異なるクリエイターたちとの仕事はいつも「何かが生まれる刺激」を与えてくれる。
「僕自身、これからの武内祐人が楽しみです」

Vol.17人気作家・武内祐人さんのギャラリー&ショップ「Ivory (アイボリー)」

エッセイ本「涙は笑顔のひとつだって」より

最近、エッセイ本を出版した。
深まる思いをかたちにした「涙は笑顔のひとつだって」。

「頑張って、と伝えたい。休みながら、自分には無理だとは思わずに、頑張ってほしい」。その先に笑顔があると信じるから。

そして頑張る人のそばで「僕の絵が力になれたなら、それは最高だと思うのです」。

「Ivory (アイボリー)」

  • 住所/奈良県奈良市南市町23-1
  • 電話/0742-20-1210
  • 営業時間/11:00~17:00
  • 定休日/不定期(HP参照)
  • 駐車場/無し*近隣に有料駐車場あり
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