2018/01/24 01:00
映画「グレイテスト・ショーマン」レビュー(2018年2月16(金)公開)
ようこそグレイテスト・ショーへ。めくるめくショーの力が観客を幸せにする。
ドッドッドッ、足が踏み鳴らされ、話し声や動物の鳴き声、さまざまな音が重なり、それは力強いハーモニーとなり、やがてヒュー・ジャックマン扮する主人公のシルエットが現れる。
「ようこそグレイテスト・ショーへ」。
オープニングから胸が躍り出して止まらない。祝祭感と多幸感でいっぱいになったまま、物語へと連れ出される。
バーナムは愛する妻への思いが原動力となり、ショービズの世界で夢を追う。
ヒュー・ジャックマン×「ラ・ラ・ランド」の製作チームが贈るのは、ショー・ビジネスの原点を築いた伝説の興行師P.T.バーナムの半生を描いたミュージカル。
差別や偏見に偏らずエポックメイキングとなるショーを創り上げ、上流階級のものであったエンターテイメントを大衆にもたらした人物だ。
バーナムの相棒役フィリップに「ヘアスプレー」のザック・エフロン。
全編、めくるめく音楽の、ショーの力で満たされる。圧巻の歌声にエモーショナルなダンス。
舞台は19世紀半ばのアメリカだが、音楽はロックにポップ、ブロードウェイ・サウンドとも呼ばれるものを融合させたもの。パワフルな音楽が当時と今を一瞬でつなぎ、観客をその世界へ放り込む。
そのダンスの振り付けが実にカッコよくて、踊りたくなってしまう。(まったく踊れないのに!)あとで劇中振り付けの動画が人気と知るが、ナットクである。夢を追いかけ、本当の自分を見せ、生きて輝くために歌って踊る彼らとともに、踊りたくなってしまうのである。
世界を泣かせた「レ・ミゼラブル」でその実力は証明済みだが、ヒュー・ジャックマンの歌声とパフォーマンスは本作でさら輝きを増すようだ。
それは人を夢見心地にさせるグレイテストなショーの輝きでもある。本当に、ヒューは音楽の神様にも愛されている!
豪華なキャストはそれぞれに魅力にあふれる。
フィリップ役のザック・エフロンはチャーミングで、フィリップと禁断の恋に落ちるアンを演じるゼンデイヤはとってもセクシー。2人のロマンティックな空中シーンで観客は恋の魔法にかけられる。そして“ヒゲ女”レティ役、キアラ・セトルが堂々と歌う「This is me」(これが私)の誇らしさ。こちらも奮い立たずにいられない。
エンディングが終わって、バーナムの言葉が流れる。
「もっとも崇高な芸術は、人を幸せにすること」。
このグレイトなショーは、あなたを幸せにすることだろう。
【監督】マイケル・グレイシー
【キャスト】ヒュー・ジャックマン、ザック・エフロン、ミシェル・ウィリアムズ、レベッカ・ファーガソン、ゼンデイヤ ほか
【奈良県上映劇場】イオンシネマ西大和、TOHOシネマズ橿原、イオンシネマ高の原、シネマサンシャイン大和郡山、ユナイテッド・シネマ橿原
※上映日時は各劇場HPを確認
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