2018/01/10 01:00
vol6.奈良のアートの仕掛け人『Gallery OUT of PLACE』野村ヨシノリさん<前編>〜アートイベント・フランス時代〜
野村ヨシノリさん
今に続く「奈良アートプロム」を立ち上げ、「奈良・町家の芸術祭 はならぁと」を始め、数々の現代アートイベントの立役者となり、奈良のアートに大きな風を巻き起こしてきたGallery OUT of PLACEの野村ヨシノリさん。
奈良と東京にギャラリーを構え、アートを発信し続けている。
奈良アートプロム2010 グループ展から 作家:クニト
「奈良は古い美術はいっぱいあるが、新しいアートはある?」
そんな世間のクエスチョンに応えたのが、2010年に始まった「奈良アートプロム」であった。
野村さんが発起人となり、現代アートを愛する人たちを巻き込んだプロジェクトは大きな輪となり、ギャラリーはもとより、公共ホールに空き家や店舗、北は精華町から南は橿原まで。約90ヶ所で様々なアートイベントが行われ、奈良の街を現代アートに染めてしまった。
飛鳥アートプロジェクト2011より 作家:淀川テクニック
この成功が熱波となり、翌年には「NARA映像コテンパンダン展2011 in ならまち」、「飛鳥アートプロジェクト2011」が生まれ、「奈良・町家の芸術祭 はならぁと」が始まった。いずれも野村さんが携わり、中心メンバーとして手がけたもので、2015・2017年には「学園前アートウィーク」(現・学園前アートフェスタ)のアート・ディレクターに。
まさに仕掛け人として奈良の現代アートを花咲かせてきたのである。
学園前アートウィーク 2015 より 大西康明展
学園前アートフェスタ2017 より 西村雄輔展
そもそもは「何かコトを起こさないと、アートファンは増えない。ギャラリーに人が来てほしい」との願いから仕掛けたもの。
フタを開けると現代アートを欲する人、触れたい人は確かに奈良にいて、多くの人が歓迎し、楽しんだ。
ギャラリーを開く前は医者、その前はフランスで写真家。
奈良で医者の家に生まれた。自身も医者となるが、「全然向いていない」と32歳でフランスへ。写真家になるためであった。
学校に通い、ひたすら作品を撮ってはギャラリーに持ち込み、個展を開く。そんな日々を5年。だが、いくら写真を愛すれど、作家としての我が身に限界を見てしまう。
エネルギーを使い果たし、このままでは、もうあかん、と帰国。医者に戻って両親の医院を手伝うが、母の死を経て、兄が医院を継いだのを機に、またもやフランスへ。今度は表現者としてではなく、ギャラリー修行のためであった。
日本とフランスで野村さんが発表した写真と映像のシリーズ「 ANONYMA 」より 1997年 番画廊(大阪)での個展
写真家時代、周囲には、ものすごく面白くて、ものすごく可能性があるのに世に出られない作家がいっぱいいた。彼らを知ってもらいたい。自分はやっぱりアートで生きていきたい。2つの思いが重なった。
(vol7.後編〜路地裏ギャラリーと東京ギャラリー〜に続く)配信は2/7(水)予定
今後の展覧会予定
「高橋 功樹 Koju Takahashi works」
2018年2月16日(金)〜3月25日(日)
前期 2月16日(金)- 3月4日(日)
後期 3月15日(木)- 3月25日(日)
臨時休廊 3月5日~3月14日 *3月15日より再開
Gallery OUT of PLACE NARA
- 住所/奈良県奈良市今辻子町32-2
- 電話/0742-26-1001
- 営業時間/12:00~19:00
- 定休日/月・火・水曜
- 駐車場/無し(周辺に有料駐車場あり)