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映画「虎狼の血」レビュー 狂熱に覆われた極太の126分。役所広司が、松阪桃李が、限界突破の衝撃作。

泥の中で見た真実。虎狼たちの血で血を洗う抗争に、魂もろとも釘付けだ(2018年5月12日公開)

  • 情報掲載日:2018.04.18
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

東映伝世の血湧き肉躍るヤクザ×警察映画大復活

虎狼(ころう)とは、欲にまみれた残忍非道な輩をいう。

狂熱に覆われた極太の126分。

冒頭から凄まじいバイオレンスに叩きつけられる。

目を背けるには役者たちが壮絶すぎて許されない。

虎狼たちの血で血を洗う抗争に、魂もろとも釘付けだ。

暴対法成立以前の広島で、激化する暴力団抗争と、彼らを追う刑事たちとの戦いを圧倒的な熱量で描く。

原作は“警察小説×仁義なき戦い”と評された柚月裕子の同名小説。

『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』で人間の闇をあぶった鬼才、白石和彌がメガホンを取り、役所広司が、松阪桃李が、江口洋介が、濃いキャラづくしの役者たちが、剥き出しの激情をスクリーンに焼き付ける。

「警察じゃけえ、何もしてもええんじゃ」。

違法捜査にヤクザと癒着。黒い噂をその身に背負うマル暴のベテラン、大上刑事に扮するのは役所広司。

言わずと知れた日本を代表する名優が、今作ではメーター振り切りの暴れっぷり。

その手は汚濁にまみれ、その目はぎらぎら。この男、泥に咲く清らかな蓮の花では決してないが、その正体は…。

その大上刑事と両輪をなし、対比するのが新人エリート刑事、日岡。

演じるのは『彼女がその名を知らない鳥たち』からの白石監督作、続投となる松阪桃李。

話題作、衝撃作を次々とモノしてきた注目株が、鬼気迫る役所のバディとして魅せる。

大上を嫌悪していた日岡がやがて見せる変貌ぶりが、映画の見事な花となる。

極道たち、竹野内豊、ピエール瀧、石橋蓮司らも激アツの凶々しさ。
若頭役、江口洋介の男気あふれる立ち回りはヤクザ絵巻の美を見せる。

女たちの侠気とエロスも見逃せない。

東映伝世のヤクザ映画大復活、と称えられる本作。喰うか喰われるかの暴力とエロス、極悪非道に正義と矜持。

地上波では許されない限界突破の衝撃が、男たちの強烈な生き様を濃厚に映し出す。

鑑賞直後は、しびれるような熱と興奮に抱かれたが、続く余韻は人の魂の奥底を見た切なさがもたらされた。

もっともっと、あの男を見ていたかった。泥に溺れる人の手をつかんだ大上刑事を。その身を落とした汚れた過去と、そこに差した光を。

そして泥の真(まこと)を知った日置刑事がこれから歩むその先を。原作には続編あり。この傑作から、男たちの物語は続くと期待。

まずは本作を劇場で見ることをおすすめしたい。

【監督】白石和彌
【キャスト】役所広司、松坂桃李、真木よう子、音尾琢真、駿河太郎、中村倫也、阿部純子、中村獅童、竹野内豊、滝藤賢一 、矢島健一、 田口トモロヲ 、ピエール 瀧 、石橋蓮司 、 江口洋介 ほか

【奈良県上映劇場】イオンシネマ西大和、TOHOシネマズ橿原、イオンシネマ高の原、シネマサンシャイン大和郡山、ユナイテッド・シネマ橿原

※上映日時は各劇場HPを確認 【R15+】

©2018「孤狼の血」製作委員会

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