2018/03/24 01:00
映画「レディ・プレイヤー1」レビュー 没入感スゴッ、スピルバーグと近未来VR体験!
100人の観客がいたら、100通りの感動と発見があるだろう。
最初に言っておきたいことは、この映画はあなたがオタクじゃなくても楽しめるってこと。
観たこともないような新しい映画体験をしたい人なら、老若男女みんなが夢を観られる仕掛けがいっぱい。
お宝がギュギュッと詰まって、それをスピルバーグが極上のエンターテイメントで包み込んだ、玉手箱みたいな映画だってこと。
デロリアンで爆走!アイアン・ジャイアントと戦う仮想現実「オアシス」
もちろん、スピルバーグがガンダムを撮ったなんてスゴすぎる、このガンダム、カッコよすぎる!
しかもそれは“お宝”のごく1つに過ぎなくて、冒頭からバットマンが登場するわ、キングコングが大暴れするわ、ミュータント・タートルズに『13日の金曜日』のジェイソン、三船敏郎そっくりの侍のチャンバラ合戦やら、もう怒涛の大戦争。
80年代の有名映画や音楽、ゲームの人気キャラが雨アラレと降り注ぎ、情報量がケタはずれに多いから、何度観ても新しい感動と発見が得られるだろう。
日本のアニメやゲームのキャラも大活躍する
舞台は今から27年後、貧富の差が激しく、地球上の大半の人がスラム街で暮らす希望のない社会。人々は仮想ネットワークシステム「OASIS(オアシス)」に入りびたり、なりたい自分になることで現実をやり過ごしている。
主人公の高校生ウェイドもそんな貧民の一人。ところがOASISの開発者ハリデーの遺言が発表され、OASISに隠した謎を解いた者にすべての遺産が贈られることに。お宝を求めて、バーチャル世界でファンタジックかつ激烈な大バトルが繰り広げられる。
アバターではクールなイケメン。並外れた身体能力とスゴ技でお宝探しに参戦するウェイドだが、現実では等身大の貧しく悩める高校生。観客は彼と思いを重ねながら、仮想現実=VR体験を、高い没入感とともに味わうのである
世界はここまで来たか。壮大な“玉手箱”にあるのは、すぐそこにありそうな未来である
もちろんヒューマニティあふれる傑作を生み出してきたウルトラ・ヒットメイカー、スティーブン・スピルバーグ監督のこと。
もしもあなたが、ロボットにもアバターにもVR体験にも関心が無く、ここに登場するキャラの1つも知らなくっても大丈夫。SFアクションやアトラクション・ムービーが好物という人でなくとも楽しめる。
現実と仮想現実を激しく交錯しつつ、真実へ近づく
なぜならこの壮大な近未来SFの着地点は「人」にある。悲惨な現実社会から希望をすくい、リアルでしか得られない大事なものを謳うから。
ウェイドとともに謎を明かした観客は、ワクワクどきどきがいっぱいだった玉手箱から、最後の最後に一番の宝、一番の感動を取り出して、映画館を後にすることになるだろう。
【監督】スティーブン・スピルバーグ
【キャスト】 タイ・シェリダン、オリビア・クック、マーク・ライランス、サイモン・ペッグ、T・J・ミラー、ベン・メンデルソーン、森崎ウィン ほか
【奈良県上映劇場】イオンシネマ西大和、TOHOシネマズ橿原、イオンシネマ高の原、シネマサンシャイン大和郡山、ユナイテッド・シネマ橿原
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